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北陸新幹線延伸でまちづくりを新たなステップへ~敦賀市賑わい創出拠点「Otta」内見感想~【福井8月旅】

はじめに

今回からはタビ・施設見学の感想をお届けする際に、私の専攻(地方創生)と特長(情報収集)を活かして、施設開業の経緯、訪れるポイントなども含めて、より深くご紹介します!やや長文になりますが、ぜひ最後までご覧ください。

皆さん、お久しぶりです~福井県アンバサダーのラです。福井県チームは8月、敦賀市観光協会の池田会長と橋本さんのご案内のもと、敦賀市内にある、数々のスポットを訪問させていただきました。そのタビの一番最後、サプライズとして登場したのが、9月開業した、駅前賑わい・交流拠点である「Otta」(おった)の内見でした。


「Otta」について

Q:「Otta」誕生の背景は?
A:敦賀市は2024年3月の北陸新幹線延伸を控える中、駅周辺の再開発も進んでいます。本施設は2007年から始まった「敦賀駅西土地区画整理事業」の一環として、敦賀市が所有する用地の有効活用を前提に、不動産特定共同事業(FTK:SPC型特例事業スキーム)により整備されました。平成28年、内閣府PFI専門家の派遣を受け、地域プラットフォームでの官民対話と地域金融機関による融資を経て、官民連携、公的不動産活用、不動産証券化などの手法を用いながら地元資金にも活用したプロジェクトになっています。
これからの敦賀市は来訪者の増加が見込まれる一方、交流人口・関係人口の増加は課題であり、本施設はこの課題をアプローチする一つの手法として、「市民と来訪者の交流と賑わいを創出できる拠点を作りたい」という思いで、2022年9月1日、施設全体がオープンしました。

出典:公式HP

Q:「Otta」はどんな施設?
A:「市民と来訪者の交流や賑わいの創出の拠点」という位置付けで、ホテル、飲食店、物販店、子育て支援施設、知育・啓発施設が整備されています。
また、市民の憩いと交流の「公園・広場」というコンセプトのもと、施設中心には芝生が広がる「駅西広場公園」が整備され、各施設をキャノピー(ひさし)で繋ぐことにより回遊性の高いコミュニティスポットを目指しています。

出典:公式HP

Q:具体的にはどんなテナントが入ってる?
A:豊富な部屋タイプ(16.8㎡~51.9㎡)の展開でビジネス客からインバウンドまで幅広いニーズを対応できるホテルの入居に加え、公共機能部分(知育・啓発施設)を担う新世代書店「ちえなみき」をキーテナントとし、嶺南地方初出店のスタバから地元食材を生かした飲食店の入居など、飲食から物販、サービスまで、計15のテナントが入居しています。

出典:公式HP


基本情報:
所在地:福井県敦賀市(敦賀駅前)
正式名称:敦賀駅西地区土地活用事業『TSURUGA POLT SQUARE「otta(オッタ)」』
事業者:合同会社敦賀駅西口PJ(事業提案代表企業:株式会社青山財産ネットワークス)
事業コンセプト:敦賀の玄関口にふさわしい交流と賑わいを創出(キーワード:泊、食、知、憩)
事業費:約30億円
敷地/延床面積:約7,900㎡ / 約6,600㎡

官民連携の具体的なイメージ

当日はお披露目式の直前であり、一部のテナントが営業準備中・調整中とのことで、内部見学が難しいのではと思いましたが、敦賀市観光協会の池田会長と運営側のご好意で、なんとキーテナントである「ちえなみき」を見学させていただきました!

気になるキーテナントの様子は?

今回の見学は施設運営側である、丸善グループの依田さんからご説明を頂きました。ちえなみきは2階構造で、専用通路を使えば、雨の日にも駅・駐車場から濡れたことなくアクセスできます。


1F

1Fは「共読知、世界知、日常知」という3つのキーワードのもと、茶舗・読書スペース・コワーキングスペース・地場工芸品の販売スペース・テーマごとの本棚が整備されています。特にテーマごとの分類方法は、一般的な書店と違い、独特な説明で店内の温もりを実感できると思います。
その他にも地元のアクセサリーと昆布などの販売を通じて、敦賀のアイデンティティを強調する商品が多数揃えています。
(写真と合わせてご覧ください。)

案内人の依田さん
MADE IN 敦賀が集まる!
共読というテーマで、モノ・ヒト・コトと「本」でつながります。
昆布の販売も行っています
読書スペース
コワーキングスペースとしても使えます!


木の成長をイメージした棚設計
棚の陳列ガイド

2F

2Fは交流スペースとして、地域住民向けのイベント・セミナー会場、読書スペース、キッズエリアと絵本ワンダーランドなど、多世代が同時に本の魅力を楽しめるフロアなっています。
一般的な書店では、ゾーン分けをはっきりしていたことに対し、ちえなみきでは、キッズエリア・絵本ランドのすぐ隣に読書スペースがあることに加え、ベビーカー専用スペースもあるため、子育て世帯にも配慮した店づくりになってます。

読書スペースのすぐ隣にキッズエリアがあります
右側の壁は必要に応じて図形・文字を入れることができます(今はちえなみき)

ここがポイント(Otta、ちえなみき)


1.ちえなみきでは、近年よくあるカフェ併設型書店とは違い、書店・カフェという業態にとらわれず、地域住民向けのイベントを数多く開催し、行政が認定する交流拠点というポテンシャルにはほかの書店にない特徴だと思います
2.FTKによる公的不動産を活用した官民複合施設の整備の例として、関係者の中にも注目が集まっています
3.「子どもを育てる学習の場」というコンセプトが審査時高く評価されました

まとめ


9月24日時点で、ちえなみきの来場者数が3万人に達し、敦賀市6万人の人口規模を考えると、この施設はいかに人気があるとお分かりいただけると思いますし、今後も多様なイベント開催を通じて、OTTAと一緒に敦賀市全体の新しいランドマークになってほしいと思います。また、「駅から始まるまちづくり」の例としても注目が集まり、北陸新幹線の敦賀開業を機に、ぜひ皆様に敦賀、そしてOttaを訪れて頂きたいと思います!

その他参考資料
1.敦賀市広報資料(敦賀駅西地区土地活用事業全体レイアウト)2022/10/12

2.国土交通省広報資料(FTKによる公的不動産を活用した 官民複合施設の整備) 2022/10/12

https://www.mlit.go.jp/common/001344734.pdf

3.内閣府広報資料【内閣府支援により案件化した事例 (敦賀駅西地区土地活用に係る官民連携事業)】

https://www.mlit.go.jp/common/001298743.pdf


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