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初めて引退馬の埋葬に立ち会ってから1年が経ちました(ナイスネイチャ号)

 本日5月30日は、ナイスネイチャ号の命日です。昨年2023年5月31日、急遽日帰りで北海道に飛んだ日から、もう1年が経ってしまいました。先週末には1周忌の墓参りにも行けたので、当時のことを少し書き残しておこうかと思います。

 私はナイスネイチャのフォスターペアレント(FP)会員でした。21年5月からなので2年ちょっと、わずかながら引退馬の支援を続けてきたことになります。といっても23年7月でナイスネイチャが対象フォスターホースから外れてしまうため、同8月からは特定引退馬の支援のない一般会員に変更となりました。

突然の訃報と、葬儀の案内

 そのメールが届いたのは、2023年5月30日13時20分のことでした。件名に「訃報」とだけ記されたメール通知、最初はあまり気にしていませんでしたが、メーラーで送信元が引退馬協会なことを見て、心がざわついたのを覚えています。5月に入ってからナイスネイチャの体調が芳しくない、会えるうちに会いに来てほしいと、何度も状況報告のメールを貰っていたからです。少しずつ快復に向かっているような様子も聞けたので、ちょっと安心していた矢先のお知らせでした。夕方にはホームページ上でも訃報が公開されて、大きなニュースになりましたね。

 その日の夜19時前に引退馬協会からFP会員宛に届いたのが、葬儀の案内でした。開催日時は翌日5月31日の昼、場所はもちろん北海道浦河町にある渡辺牧場さんです。さすがに急すぎたので行くかどうか迷いましたが、「こんな機会は2度と無いだろう!」と思い、始発で家を出て朝7時発の飛行機で新千歳に向かうことにしました。

 レンタカーで浦河町に行くのも慣れてきた今日この頃、新千歳空港でレンタカーを借りて2時間ちょっとで浦河町へ。道沿いの花屋でお供え用の花を買い、途中でウイニングチケット号の祭壇にも供花をしながら渡辺牧場に到着すると、既に他の会員さんや引退馬協会の方々が多数いらっしゃいました。駐車場ではニャイスネイチャこと(?)もーちゃんがひなたぼっこしていて初遭遇でした。

渡辺牧場にいた猫の「もーちゃん」(別名:ニャイスネイチャ)。2023/5/31撮影

ナイスネイチャの埋葬

 埋葬前のナイスネイチャと対面して、お花を供えたり身体をなでたりしながら参加者が揃うのを待ちます。全員が到着したら、牧場側のクルマ数台でお墓のある山の中まで連れて行ってもらいました。お墓の場所に到着すると、深さ2mはあるんじゃないかという大穴が。ここにナイスネイチャを埋葬するようです。

 大穴には寝藁を敷き詰め、ナイスネイチャを寝かせた土台をユンボでゆっくりと下ろしていきます。そして最後のお別れの時間。梯子をかけて順番に穴の中に降りると、持ち寄った花束やアイドルホースのぬいぐるみ、ニンジンなどを身体の隣に置いて、横になったナイスネイチャに言葉を掛けます。最後に掛け布団のように全体に牧草をかけていくと、ナイスネイチャの姿は徐々に見えなくなっていきました。

 最後に木でできた大きな墓標を立てると、お墓の完成です。並行してクルマで牧場からお墓まで花を運んできたのですが、何往復もしないといけないほど、大量の供花が全国各地から送られてきたといいます。それらをバケツリレーのように皆で墓標の周りに並べて、お線香をあげて一連の埋葬は終了となりました。

 ちなみに、このお墓のあるエリアはヒグマの生息域だそうで、埋葬の際はクルマのオーディオから大音量で般若心経を流していました。お墓参りでも同様だそうで、場の雰囲気にはぴったりでした。(なお、お墓のところ以外は写真動画掲載NGでしたので、最後のお別れの様子などは、カメラフォルダにそっとしまってあります。)

沢山の花が供えられたナイスネイチャのお墓。2023/5/31撮影

1周忌、お墓参り

 葬儀から1年。命日当日はちょっと都合が付かなかったので、直前の日曜日にナイスネイチャのお墓参りに行ってきました。

 今回は朝10時には牧場に着いていないといけなかったので、日帰りではどうしても間に合わず。せっかくならと札幌に前泊することにしました。土曜日は日中に川下公園のライラックを観光し、夕方にレンタカーを借りてお花を買いつつホテルへ。お墓参り当日は朝7時過ぎにホテルをチェックアウトしてレンタカーでそのまま浦河町まで一直線でした。

 お墓参り自体に改めて特筆することもないのですが、なんと今回のお墓参りで同席された方々は、昨年ナイスネイチャが亡くなる2日前に見学されていたということで、なんとか元気そうにニンジンを食べてくれた話など、興味深い話を聞くことができました。

 まだ命日まで4日もあるのというのにお墓にはお供えされたお花が多く、これからもっと増えるだろうとのこと。24年5月に実施された「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション(旧:ナイスネイチャ・バースデードネーション)」は昨年を上回る支援総額で最高記録を更新しましたし、今もなおナイスネイチャは多くの方々に愛されているのだと感じた1日でした。

 ちなみに、お墓参りの後は札幌経由で函館まで移動し、1泊してコナンやミリアニの聖地巡礼&観光をして東京に帰りました。さすが函館、夜景がきれいですね!!以前も同じような感じで洞爺湖に移動して1泊&観光したのですが、いつもいつも移動時間が非常に長くて、いつ来ても北海道は広いと感じます……

函館の八幡坂。イルミネーションが無い時期でも十分にきれいな夜景でした。2024/5/26撮影

おわりに

 ウマ娘からリアルの競走馬、そして引退馬に興味を持った私ですが、直接会いに行こうという動機になった2頭、ウイニングチケット号とナイスネイチャ号が立て続けにこの世を去ってしまい、自分の中で2023年は悲しい1年になってしまいました。

 それでも、ここ数年は毎年北海道に旅行して、浦河町に通うのが恒例行事になっていました。引退馬協会の支援は今後も続けていくでしょうし、この縁を大切にしつつ、来年もまた足を運べたらなと思う次第です。北海道でのドライブは楽しいですし!!

おまけ:会員更新時に頂いたナイスネイチャの遺髪。一生大切にします。

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