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「非常識」こそ最善の相談対応術
仕事をしていると、お客様からさまざまな相談を受けるものです。
町の身近な法律家として、的確に対応することが求められますが——
実は、お客様はすでに「答え」を持っていることがほとんど。
相談とは、答え合わせのようなもの。
お客様は自分なりに考え抜いた末にやってくるので、こちらよりも問題に詳しい場合もあります。
だからこそ、まず理解すべきは 「なぜ、このお客様は私のところに相談に来たのか?」 ということ。
悩みを聞いてもらってスッキリするだけでは、相談にはなりません。
多くの人は、すでに誰かと相談しているものです。
「正解のない相談」にどう向き合うか?
相談対応には、いくつかのパターンがあります。
冷静に事実を整理し、法的に説明する。
とにかく話を聞き、相手が落ち着くまで待ち、親身に意見を伝える。
時間の無駄と割り切り、事務的に対応する。
もちろん、相談内容によります。
しかし、正直なところ 「答えの出ない相談」 が圧倒的に多いのです。
だからこそ、私は 「非常識な対応」 を実践しています。
私の「非常識な対応」とは?
それは——
「相手よりも、自分の調子を整えることに全力を尽くす」 ということ。
なぜなら、 自分が最高の状態であれば、最良の結果が生まれる から。
逆に、自分の調子が悪ければ、どんなに理論的に対応しても、結果は悪くなる。
相談を受けるとき、自分の感情や状況がどうであるかは予測できません。
でも、プロとして相手に向き合うなら、まず 自分を最高の状態にすることが最優先 なのです。
ニュートラルな自分を作る方法
想像してみてください。
体調が悪いときに相談を受けたら、冷静に対応はできるかもしれませんが、前向きな思考が湧く余裕はないでしょう。
逆に、気分が良すぎると、調子に乗って地に足のつかない回答をしてしまうかもしれません。
大切なのは、常にニュートラルな状態を保つこと。
つまり、「余裕」を生み出すこと です。
そのために私が実践しているのは、次の 3つの方法 です。
体を動かす(状態を変える)
視点を変える(違う角度から見る)
言葉にする(認識する)
このうちどれか1つでも変えれば、自分の状態をリセットできる。
だから私は、 「まず自分の状態を整えること」 を何よりも優先するのです。
「非常識」こそが、最善の相談対応である。
そう確信しています。
ニュートラルな自分」をつくる訓練
実際に自分をニュートラルにするには、訓練が必要です。
これは単なる考え方ではなく、日々の習慣や意識の積み重ねによって身につくものです。
では、どのようにして「ニュートラルな自分」を作るのか?
私が実践している方法をいくつか紹介します。
1. 体を動かして「状態」をリセットする
人の気持ちは、体の状態に大きく左右されます。
たとえば、肩に力が入りすぎていると、知らず知らずのうちに気持ちも緊張し、相手の言葉を冷静に受け止められなくなります。
そんなとき、私は 「まず体を動かす」 ことを意識します。
深呼吸をする(特に、吐く息を長くするとリラックスしやすい)
軽くストレッチをする(肩を回したり、首をほぐしたりするだけでも効果的)
少し歩く(座ったまま考え込むより、一度立ち上がって動いたほうが思考がクリアになる)
体を動かすことで、自分の気持ちをリセットし、フラットな状態に戻すことができます。
2. 「視点を変える」ことでバランスを取る
人は、自分の立場や感情に引っ張られすぎると、視野が狭くなります。
しかし、相談を受ける側として大切なのは、一つの視点に固執しないこと。
だからこそ 「視点を変える」 ことを意識しています。
相談者の立場に立ってみる(相手の気持ちや背景を想像する)
あえて第三者の視点で考える(「もし自分がまったく関係のない人だったら、どう見るか?」と考えてみる)
過去の経験と比較する(「以前の似たケースではどうだったか?」を思い出してみる)
視点を変えることで、自分の中の偏りをなくし、冷静で公平な対応ができるようになります。
3. 言葉にして「認識」する
感情というのは、漠然としたままだとコントロールしにくいものです。
しかし、言葉にすることで 「自分の今の状態」 を客観的に認識できます。
たとえば、相談を受ける前に、次のように自問自答してみます。
✅「今、自分はどんな気持ちだろう?」
✅「疲れていないか?」
✅「焦っていないか?」
✅「何かにイライラしていないか?」
こうやって言葉にすると、もしネガティブな感情があったとしても、それに気づくだけで心が落ち着いてきます。
感情は否定するのではなく、「ああ、今こういう気持ちなんだな」と 認めること が大切なのです。
また、相談の場面でも 「言葉にする」 ことで自分の状態を整えられます。
例えば、話を聞きながら 「これはどういうことか?」 と口に出して整理するだけで、思考がクリアになります。
「ニュートラルな自分」は鍛えられる
最初は意識してやらないと難しいかもしれません。
でも、続けていくうちに、 自然と「ニュートラルな状態」を作ることができるようになります。
相談に乗る仕事は、時に感情的になったり、相手の感情に引っ張られたりするものです。
だからこそ、自分の調子を整え、最高の状態で向き合うことが大切なのです。
「非常識」なようで、実は 「最も合理的」 なこの方法——
私はこれからも、このやり方を貫いていきます。
さらに具体的な手法や失敗事例、そこに行き着いた道のりなどは別に有料で配信させていただきます。
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