「何者だ！」「ドスケベサキュバスです」「よし通れ！」05【ドスケベサキュバス第二の爆弾】
さて、前回ついに税金が発生し、これから毎月請求される事が確定してしまいました。恐らく、いずれは税金に怒った冒険者が税務署にカチ込めるイベントが実装されると予想していますが、今はまだ黙って素直に支払うしかありません。
お金（オレン）が必要ならダンジョンに潜ってお宝を集めたり、依頼をこなして稼ぐのがセオリーです。しかし当方はドスケベサキュバスです。汗水たらして働かなくても、もっと美味いやり方があるのでは……？
別に私が税金を支払わなくても、誰かが代わりに払ってくれたりしないものか……？
いやいや、流石にそんなうまい話が……————あるんだな、これが。
実は国が私に税を課すように、私もホームの住人に税を課す事ができるのです。それがホームのポリシー、『住民税』です。そのままですね。
ちなみに今ホームには『ロイテル』と『少女』が住人として登録されています。アッシュニキ・フィアネキは『謎の助っ人』扱いなので住人とは別扱いです。初期状態でもホームには６人まで人を住まわせられます。つまり後４人どこかから連れて来てそいつらにも税金を支払わせれば良いのです。
住人は依頼掲示板から希望者を採用する事も出来ますが、候補の数が少ない上に結構な金塊を要求されます。運に頼るよりはヘッドハンティングで優秀な人材を引き抜きたい所です。しかしそんな事が可能なのか？
先にElinのシステムを説明すると、NPCの勧誘自体は誰でも可能です。ただし、その過程はかなりの重労働。
手順としては、まずはNPCの興味が続く限り世間話を行います。一回の世間話で友好度がランダムで-4から+4の間で変動します。NPCの興味が尽きると世間話に応じてくれなくなりますが、３日ほど経過すると興味が復活してまた世間話に応じてくれるようになります。これをひたすら繰り返し、友好度が75に届けばその時点でホームに勧誘できるようになります。
世間話のたびにセーブ＆ロードを繰り返せば75まですぐに上がりそうに思えますが、50を超えたあたりから明らかに友好度の上昇に急激なブレーキがかかるなど、実際にやってみるとその労力はかなりのものです。救済措置として世間話の際に相手の好きなモノがわかる事があり、それを『プレゼント』する事で確実に友好度を上昇させる事ができます。が、それでも75に届かせるにはかなりの回数プレゼントする必要があるので、決して楽ではありません。『結婚指輪』や『媚薬』など、プレゼントする事で友好度を一気に跳ね上げるアイテムもありますが、入手できるかは運次第なのでこれも確実とは言えません。
つまりNPCのヘッドハンティングはシステム的には可能だが決して簡単ではない、という事ですね。しかしそれはあくまで正攻法での話。夜這いと並ぶ、ドスケベサキュバスもう一つの能力を使えばNPCの勧誘は極めてイージーになるのです。
『夢蟲』！！
実は最初からスキル画面にあったんですが、ここまでスルーしてきました。というのもこのスキルを使うためのコストがMPではなくスタミナな上に26と極めて重いので、下手に使うとそれだけで命を落としかねなかったのです。
ファストトラベル解放ツアーのおかげで多少スタミナは強化されましたが、それでも今のスタミナ最大値は48です。連続で２回しか使えない筈だが、それで足りるのか？ 正直全然足りませんが、そこで役に立ってくれるのが我らが神《幸運のエヘカトル》様の加護です。
あなたは女神の加護を受けている：魅力+4、運+6、回避+3、魔力の限界+4、釣り+2、隠密+2、魔法とスタミナの消費がランダムになる。
戦う気あんのかテメッコラー！と石を投げられそうなバフ内容ですが、大事なのは最後のやつです。MPとスタミナ消費がランダムになる……つまりスタミナ消費26という『夢蟲』のバカげたコストが運次第で大幅に緩和されるのです。
試しに『夢蟲』を自分に対して起動してみるとアイテムボックスに『夢蟲』が生成されました。スタミナの消費はまさかの０（！）ランダムが上振れするとここまでアドバンテージを得られるのです。そしてセーブ＆ロードを繰り返せば偶然は必然になります。流石に０を狙い続けるのはやり過ぎだとしても、一桁消費を狙うくらいなら数回のリロードで達成できそうです。
それでは頑張って『夢蟲』を低コストで生成し続けましょう。とりあえず目標は10個で。10個生成できたら、それを持ったまま『ダルフィ』の銀行に行きますよ。
さて、ダルフィの銀行員の所まで来たらとりあえず世間話を相手の興味がなくなるまで続けましょう。この際も友好度+4とまでは言わないまでも、＋を引けるようセーブ＆ロードで調整します。
友好度：18
１回の世間話でこれだけ上げられるのなら誰でも簡単に75に届くのでは？と思うでしょうが、友好度が上がるにつれ露骨なブレーキがかかるようになるのでそんな甘い話じゃないんですよ……（遠い目）
それでは大量に生成した『夢蟲』をミドルクリックして料理に混ぜましょう。ちょうど手元に『墓所』で拾ったパイがあるのでこれにしましょうか。遠慮せずに10個全部ブチ込んでやるのです。後はこのパイをプレゼントしてやればそのまま食べ始めるので完食を待ちましょう。
ハイ、まさかの友好度+105です。これもう世間話必要無かったな……
友好度75から『共に暮らさないか？』が表示されるのでそれを選べば勧誘完了です。ね、簡単でしょう？
そのまま連れ帰ろうとしましたが、魅力が足りないよと断られてしまいました。実は友好度75に加え、相手の一番高いステータスをこちらの魅力が上回っていなければ連れ帰る事は出来ないのです。
しかし条件として具体的な数字である魅力（50）を提示してくれたのは有り難い。後はしっかり魅力を鍛えてやれば良い訳ですが、どうやって……？
Elinのスキルはそれぞれ対応する主能力と紐付けられており、スキルを鍛える事でその主能力を鍛える事ができるのです。実は世界旅行中に『重量上げ』スキルを鍛えた結果、対応する『筋力』が３ポイントも上昇していたり。『魅了』を自発的に上げたいのなら『演奏』スキルを鍛えるのが良さそうです。それなら演奏依頼もこなせるようになってスキル＆オレンゲットにも繋がりますしね！
それでは早速道中で拾った『チェロ』を演奏しましょう。『演奏』を行うと周囲の人間からおひねりのオレンが投げられますが、不満に思われると容赦なく石を投げてきます。普通にダメージを受けますし、なんならそのまま死ぬ事もザラです。困ったことに経験値を得るためにはある程度の数の観客が必要なので、どうにか殺されない程度の反応を探しましょう。
１週間ほど頑張れば『演奏』スキルが10に届くと思うので、その辺りで実戦に移ります。演奏の実戦……そう、演奏依頼ですね。『ミシリア』『パルミア』といった都会風の町でよく募集がかかっている気がするので掲示板をチェックしてみましょう。
セレブパーティーは評価が辛い上に即死級の投石が飛んでくるので触れないのが吉
演奏依頼は点数を稼ぐ事は出来ても途中で客の投石に殺されてしまうケースが発生しがちです。ぶっちゃけこれはもう運でしかないので失敗したらロードでやり直しましょう。HPが低い内はどうしても事故が起こりますので。
８月の半ば頃になると初心者期間終了のアナウンスが告げられ、これ以降は死亡時に手持ちの半分ほどのオレンと経験値を失うというペナルティが課せられてしまう。正直かなりキツイのでリスクのある行動に臨む際はしっかりとセーブするようにしよう。
『重量上げ』と『演奏』を鍛えていれば収穫依頼・演奏依頼それぞれ問題無くクリアできる筈。８月９月は各地を回って依頼を受け、『プラチナ硬貨』を稼いでスキルを身に付けるべし。ファストトラベルには『旅糧』が必要なので、いざという時のために町を移動するたびに宿屋で買い集めておきたい所。
10月までガッツリ依頼をこなして大量のスキルをゲット出来ました。演奏依頼のおかげで『演奏』スキルは15まで上がっていますが、やはり魅力を50まで伸ばすのはまだ時間がかかりそうです。しかし実は『ダルフィ』の銀行員にこだわる必要はないのです。金を持ってる銀行員でさえあれば別の町の銀行員でも同じことなので。という訳で、『パルミア』の銀行員にも唾をつけておきましょう。
今度は最初から『夢蟲』10個盛りメシを御馳走してあげます
友好度は一発クリアですが、やはり魅力が足りない。さて、どうせなら『ミシリア』の銀行員も試しておきましょうか。
『夢蟲』マシマシ飯を召し上がれ💕
なんかどんどん要求水準が上がってるんですけど！？
この段階で銀行員をスカウトできなかったのは残念ですが、後は魅力を上げてやればいくらでも連れて帰れます。どうにかして魅力を鍛える選択肢もありますが、問題が一つ。既に季節は秋になっており、もうすぐ冬が到来してしまうのです。
Elinのゲームシステム的に寒さで人が死ぬ事は無いのですが、自宅すら建てられてないホームで冬を越すのは流石に辛いものがあります。ここは冬が来る前にマイホームの建設を済ませておきたい所。
ちなみに必要な各種スキルはこの２カ月の間に習得済みです。次回はElinのクラフトゲーとしての側面をじっくり堪能するとしましょう。