銀と金(神威編)とカラマーゾフの兄弟の関係

漫画、エンタメ好きの独り言なので気軽に読んでください。
子供の時に読んだ『銀と金』の衝撃は未だに私のなかに残り続けている。平井銀次のカリスマ性、森田鉄雄の人情味、何よりネジの飛んだ敵役の数々。 とりわけ好きなのは神威編だ。章を重ねるごとに勝負額と面白さが積み重なっていき、西京麻雀編によりピークとなった。神威編は他の話と比べてかなり異質である。金をかけた勝負ではなく神威家の家長権争いである。読み終えた読後感はなんとも苦しいが、福本先生の熱が伝わる。ぜひともネタバレなしで読んでほしい。

ドストエフスキーによる『カラマーゾフの兄弟』。名前の響きが中2心をくすぐりかっこいい。文学は得意ではないがいつか読んでみたいと思っていた今日この頃、中田のYouTube大学にようやくの動画を見つけ早速観てみた。面白い。サスペンス、ロマンス、宗教、さまざまな要素があり僕の語彙力では限界があるのでこれまたぜひみてほしい。と、同時に何か既視感があった。

(ネタバレあり)
ここから本題。福本先生の作品はギャンブルの面白さ、熱くて狂っている人物描写が非常に面白い。個人的にはあともう1つ、先生自身の教養が見え隠れするオマージュにあると考える。私も動画で見るまでは気が付かなかったがアカギの最期は毒杯を仰いだソクラテスの最期のオマージュだ。では銀と金、とりわけ神威編はなんだろうか?私はカマーゾフの兄弟だと考える。正確に言えばカラマーゾフでいうゾシマ長老とフョードルが亡くならなかったアナザーストーリーを描いていると考える。具体的にはこんな感じである。
森田哲雄=ゾシマ長老
神威秀峰=フョードル・カラマーゾフ勝輝(長男)=ドミートリー(長男)
勝信(次男)=イワン(次男)
勝幸(三男)=アレクセイ(三男)
吉住邦夫(隠し子)=スメルジャコフ(隠し子)

カラマーゾフでは長老は亡くなってしまい中立の存在が消えることがきっかけに問題が激化する。それに対して、銀と金では森田は最後まで生き残り続ける。一体誰が本当の悪だったのか、森田は秀峰だと考え裁きを与え本章は幕を閉じる。



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