パイナップルおじさんの憂鬱
パイナップルおじさんの憂鬱
私はふと旅行先で、パイナップル畑を通り過ぎた。
すると、草むらの奥からん〜ん〜とうなり声が聴こえた。
声の主はパイナップル農家のおじさんだった。
頭は中心だけ残して、剃り上げ、パイナップルの頭の
ように真ん中だけ残して、髪を逆立てている。
おじさんは言った、、この何日間 何も食べてないよぅ、、、、、私は不憫に思い、腰に巻いた袋から、銀シャリの白いおむすびを渡した。
おじさんはむさぼるように食べ始めた。。
ありがてえ!貴方は命の恩人です!
15時からパチ屋の、新台入荷があるんです!
御一緒しませんか!!?
私は、あ〜、とため息を付いた、アカンヤツだ!
こないだは平和島のボートレースで全レース外しちまって、舟券に頼ってたら、新台のこの日を逃しちまうでやんす。
あ、あ〜、そうっすね。どういう対応を取るか私は
少し、パニックに陥った。
最近ついてなくて、残高0なもんだから、何も食えねえっすよ、ドリンクバーのコーラの炭酸で腹を膨らまして、果物の収穫とパチ屋の収穫を狙うでやんす。
ただね! おじさんの目がキラリと光った!
凡人程、競馬に走るんでね!選ばれしオトコは舟券ボートレースなんだぜ!継続こそがチャンスの証!
まー娯楽だからご自由にと思ったが、言葉を飲み込んだ。
ただね、誰も構ってくれないのよ、とつぶやき、おじさんは夕日を見ながら、黄昏れていた。
ただの残念なオトコの憂鬱だろうか......