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「J1王者絶対許さないマン」~20' J1#1 横浜FM-G大阪
僕らのJリーグが帰ってきた!
今年Jリーグもいよいよ開幕しました!今年はすでにルヴァンやACLで公式戦を経験しているので初公式戦という感慨はありませんが、週末のルーティーンが復活するのは嬉しいですね(とか言ってたらコロナウイルスの影響で3/15までの公式戦は延期てすが…)。スタメンはこちら。ガンバの注目ポイントはスタメンのオジェソクとベンチの奥野です。
オジェソクは昨夏の戦力整理の際にFC東京へレンタルされました。シーズン終了と共に契約満了、完全移籍となるのでは…とまで噂されましたが怪我人の影響もあってか開幕スタメンを勝ち取っています。この選手の立ち位置によって3バックか4バックかが変わることも重要です。
奥野に関してはユース上がりで昨年までU23が主戦場でしたが、いきなりメンバー入りを果たしました。今日に限らず出場があればどのようなプレーをするのか期待したいです。
そしてわれらがヤットが21年連続開幕スタメン、J1出場最多タイ記録(631試合)を達成しました🎉🎉
試合内容はこちらの観戦メモで雰囲気を見てくれると嬉しいです。
今回はガンバの守備にフォーカスしようと思います。ざっくりとした内容はこんな感じです。
・5バック⇔4バック可変のスイッチは?
・ハイプレスのスイッチは?
・押し込まれたら人海戦術
5バック⇔4バック可変のスイッチは?
開始直後の様子ではガンバは宇佐美1トップの541、ボランチに遠藤と井手口が入るような形になりましたが、右WBにはいった小野瀬は頻繁に右SHの位置まで出ていきます。小野瀬の位置で541↔4141の可変が行われますが、そのスイッチはこの記事で選手が教えてくれました。
右SBのオ・ジェソクは「かなり変則的。マリノス戦限定です」と話す。元韓国代表によると、右サイドハーフの小野瀬康介がスイッチャーだったという。彼がどのエリアでプレスを仕掛けるかで、オ・ジェソクの位置取りが変わり、右CBか右SBかが決まった。「で、相手がハーフウェイラインを越えてきたら割り切って5バックで対応しようと話してましたね」と振り返る。
また、この判断で重要になるのがマリノスの左SB、ティーラトンの位置。彼にボールが入りそうな状況では常に小野瀬か矢島が監視していました。
このあと矢島のポジショニングにより全体が541(4141)→4411→442と変化していくと、ガンバは右サイドから攻め立てられます。
矢島が541の右SH、4141の右IHに入っていた時は距離が近く受け渡しも上手くいっていましたが、システムが変わり中央、左寄りへと移動するなかでティーラトン監視のタスクが小野瀬に寄っていき、そこをマルコスに利用される場面が目立ちました。
541で守っているときは5バックで幅を埋め、中盤4枚で中央のスペースを埋め攻撃を停滞させることに成功していました。この間にマリノスがビルドアップで隙を見せるとすかさずプレッシャーをかけるなど、守りながらも攻める意識が見られました。
4141、4411で守るときも前半は矢島がヘルプにこれる状況が多く、しっかりと守れていました。4バックにすることで逆サイドの大外はフリーになってしまうので、そのときは小野瀬が下がって5バックにしていました。また、左サイドは仲川が大外に張るシーンが少なかったため藤春がそのままついていくことが対応していました。
後半に入ると4411が442に近づいていき、ティーラトンの監視は小野瀬が一人で担当することになります。後述しますが攻守でガンバがターゲットにしていたのがティーラトンであるため、小野瀬は彼に対してマンマーク気味についていきます。そこで小野瀬が空けたスペースに入るのがマルコスです。
前半であれば3センター気味、もしくはティーラトンに矢島がつくことができたため対応できましたが、後半は中盤に遠藤と井手口しかいないためフリーでボールを受けられてしまいます。対応が後手を踏み右サイドを攻略されたシーンが50分台だけで4回ほどありました。
マリノスのWGの特性を考えても541で引き込むか4411で矢島に右よりのポジションをとらせるべきだったのかな...と思いました。
ハイプレスのスイッチは?
続いてハイプレスのスイッチです。マリノスのGKからの再開など後方でのビルドアップに対しては比較的プレッシャーをかけていましたが、引いたところから前に出ていく、さらにボールを奪いに行くところのスイッチについて考えます。
得点シーンに見られるように、ゴールキックから足元で繋いでくることが予測されたためリスタートの時点でいつでもプレスをかけられる準備が見られました。そこでビルドアップに甘さがあれば伊藤や朴のところで奪いきる狙いは序盤戦で何度も見られました。
流れの中からハイプレスに移行する際のスイッチはティーラトンの動きです。12分、ティーラトンが降りるのに合わせて小野瀬が1列上がり、チアゴにボールが入った段階で倉田が距離を詰めます。そのとき中央まで移動してきたティーラトンの近くに2人の選手がいることで、ティーラトンがもたついたボールを一気に刈りました。
ちなみに、直前に扇原が左SBの位置に入った同様のシーンがありましたが、ティーラトンが上がっていたためプレスにはいきませんでした。
18分に同様のシーンがあります。ティーラトンへのボールが少し弱いと見ると小野瀬が奪いにいきます。バックパスに対して矢島が追いかけながら特に伊藤、朴がボールを持つときには2度追いもして時間を奪いにいきます。出し手に時間がなく、受け手が後ろ向きだったり難しいボールになったところでさらにプレッシャーをかけていき最終的にはサイドへのパスをインターセプトしました。
このとき宇佐美、倉田は逆サイドのパスコースを消すことで中央や同サイドでの展開を強いていました。
このようにガンバのハイプレスはティーラトンがビルドアップに関与(しようと)するのを1つ目のスイッチとしてコースを限定し、処理にもたついたりパスミスが出たタイミングで一気に奪いに行く、という2段構えのものでした。
この2段階のスイッチによって前半はハイプレスで引っかけられないが崩れずに撤退まで持っていくシーンもありました。
しかし、後半になるとハイプレスは機能しなくなっていましたが、その理由は疲労よりも442への変更が大きいと考えています。4141(451)では宇佐美がチアゴを見たりとサイドチェンジの防止&伊藤、朴への誘導ができていました。しかし2トップになり矢島が左にいることで中盤4枚で網を作らなければいけず、マリノスがポジションチェンジを混ぜることでガンバの対応の穴に開けていきました。
51分のシーンでは松原が最終ラインで幅をとりチアゴが一列上がりました。このとき矢島が松原にプレスをかけ喜田のところで奪いかけますが、こぼれ球をチアゴに拾われてしまいます。
53分のシーンでは可変スイッチのところでも書いたように小野瀬がティーラトン番であることを利用され、ティーラトンに食いついた裏をマルコスに突破されてしまいました。前半であればティーラトンを矢島に受け渡し小野瀬がマルコスを見る等の対応ができたと思います。
特に後半疲れが溜まってくる状況ではハイプレスを仕掛けるのかや、相手をハメた時にボールをとりきれないことも視野に入れた対応が必要です。この試合は前半丸々マリノスが引っ掛かってくれたことや最終ラインの身体を張った守備に助けられた部分は多いです。まだ開幕戦(しかも中断期間つき)というところでポジティブに捉えましょう。
押し込まれたら人海戦術
ここは最後のおまけです。
特にティーラトン→高野の交代後、高野がティーラトンに比べて広範囲かつテンポよく動くこともあり右サイドでの対応が後手後手になっていきました。高野が大外に張れば遠藤がハーフスペースへ、遠藤が大外に張れば高野が内側のレーンへと移ったりと配置と人の変化についていけませんでした。
去年の開幕を思い返すとサイドを広く使われてハーフスペースを使われて崩されるシーンが多かったのですが、この試合では中央を最後まで締め、大外を使われてもハーフスペースや中央に人を置くことでシュートブロックができるような状況を作り出していました。
それでも紙一重で失点を免れたシーンや相手のミスに助けられた部分はあるのでもう少しボール保持の時間を作れれば良かったのですが、さすがに90分飛ばしすぎた印象はあります。それに加えてミスからカウンターを受ける可能性を減らしたかったのかなと。
ここのあたりは今後改善されることを期待します。
おわりに
去年はシーズンダブルを食らったマリノス相手に勝利ということでツネさまJ1王者絶対許さないマン説がさらに信憑性を増しました。これで18年の就任から前年王者に対する戦績は3勝1分と無敗です。ここまで全て川崎横浜とボール保持型のチームに非保持で対抗するゲームなので、非保持型のチームが相手になったときでもまだ許さないのか、注目です!
前年度王者と試合開始前に首位だったチームとの対戦成績
— かずよ (@alejonius_no19) February 24, 2020
4勝2敗2分
2018
H川崎 ○2-0
H広島 ○1-0
2019
H名古屋 ●2-3
A川崎 ○0-1
A東京 △0-0
H東京 ●1-3
H川崎 △2-2
2020
A横浜FM ○1-2
多分FC東京が優勝したら普通に負ける
最後に。非常に個人的なことですが、僕の精神衛生のためにもできるだけ早くリーグ戦が再開してほしいです。Jリーグは世界を救う。
ふられてずっとふさぎ込んでたのが今日の勝利で吹っ飛びました。ありがとう倉田。ありがとうガンバ。ありがとうJリーグ。
— かずよ (@alejonius_no19) February 23, 2020