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過小評価されている食べ物
世の中には「もっと人気が出るべきだ!!」と叫びたくなるような食べ物が数多く存在している。しかし食べ物というものは人によって好き嫌いがかなり分かれるので、よくよく考えると「まあ妥当か」と冷静になることも多々ある。そんな中で僕が「これは絶対に過小評価だ」と胸を張って言えるモノがいくつかあるので紹介したい
それが「スタバのスチームミルク」と「マックのプチパンケーキ」
「スタバのスチームミルク」と出会ったのは小学校高学年の時、ある日の買い物帰りに家族に連れられスタバに行くことになった。小学生からみたスタバのイメージは「オシャレで大人なお店」。
小学生からでも一目でオシャレだと思わせるスタバは、何か不思議な魔法がかかっているに違いない。そんな大人なお店に向かっているという状況がたまらなく怖かった。
数分後、心の準備ができぬままドライブスルーのマイクの前に車は止まってしまった。”スターバックスコーヒー”という名前だからコーヒーしか頼めない、という先入観に囚われて「おとうさんとおかあさんだけ頼んでずるい!」といかにも子供らしい小言をこぼしたのを覚えている。
そうこうしていたら母親がいつの間にかスチームミルクを2つ頼んでいた
僕と妹の分らしい
ミルク!?やめてくれ!なんでそんなもの注文したんだ!
心の中で嘆いた。僕は牛乳が嫌いだった
願いは届かず。無慈悲にも北風でかじかんだ手を優しく温めるホットなスチームミルクが僕に手渡された。しかしせっかく注文してくれたモノを飲まないのもそれはそれで申し訳なかったので渋々口に運んだ
うま。なにこれ
めちゃめちゃおいしかった。ものすごくおいしかった。砂糖の甘みと牛乳の豊かな風味が体に染み渡る。ホットなので気持ちもリラックスする。
勝手に牛乳を頼まれた事に対する怒りは、ミルクを口に運んだときにはもう消えていた。
ホットミルクが大好きになった瞬間だった。
この日からスタバに訪れた時はスチームミルクを頼むようになる。他のドリンクの飲んでみたりしたが、スチームミルクに勝つことは一度もなかった。大学生になった今でもこの飲み物に舌鼓を打っている
「マックのプチパンケーキ」。これは誰しもが一度は食べたのではないだろうか。
ハッピーセットについてくる小さな小さな、それでいて大きな満足感をくれるパンケーキ。小さい頃、おもちゃで遊ぶことが少なかった僕は、ハッピーセットのおもちゃよりもプチパンケーキが目的で注文していた。
だっておもちゃすぐ壊れちゃうし。
しかし中学生にもなるとハッピーセットを頼むことが恥ずかしいと感じるようになる。けどプチパンケーキに対する思いが消えたわけではなかった。
プチパンケーキを食べたい。けどハッピーセットを注文するのは恥ずかしい。
ジレンマ。このモヤモヤをマックに行く度に感じなければならないのか。しかし中学生にもなってハッピーセットを買っているのが店員さんに知られてしまったら、きっと僕はスタッフルームで笑い者にされるに違いない。きっとバイトの高校生に学校で馬鹿にされるに違いない。
ため息を吐きながら、僕はチキンフィレオセットを注文しようとした
「単品でプチパンケーキ頼んだら?」
鶴の一声。プチパンケーキが大好きなのを知っていた妹は、兄の悩みが透けて見えていたらしい。その手があったか。
すぐプチパンケーキを頼んだ。それはもう、すぐプチパンケーキを頼んだ。
注文するときの声がうわずった。
帰って家で食べた久しぶりのプチパンケーキはほっぺが落ちるほどおいしかった。我慢の反動だろうか。この時食べたプチパンケーキが1番美味しかった気がする
以後、僕は大学生になった今でも毎回プチパンケーキを注文している
過小評価されていると感じたのは僕以外に食べている(飲んでいる)人がまったくいなかったから。そして決まってお子様だなぁ、と馬鹿にしたような目で僕を見てくる。まあ仕方ないね
でも昔と変わらず楽しめてるのが嬉しいし、これが1番好きなのよ
ちなみにスチームミルクはトールだと量が多いのでショートがおすすめ。プチパンケーキのクリームソースは絶妙に足りない