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昨日えなちがヒストリエ好きだと聞いて。
ヒストリエはアレクサンダー大王のマケドニア王国の物語。アレクサンダー大王はエジプトから今のインドの辺りまで征服した大王。イランやイラクのあった古代ペルシャは余裕で版図だったから今もあっちの言葉でイスカンダルと言えばアレクサンダー大王のこと。もっともそのイスカンダルとは牛の角みたいなのが生えた半獣人王なんだけどね。アレクサンダー大王がいなきゃ宇宙戦艦ヤマトの行き先はイスカンダルじゃなかったという感じ。
マケドニアの連中はギリシャ語を使っていて、彼らの征服によって繋がった東と西は彼らのギリシャ語、今の僕らはコイネーと呼んでいるけど、コイネーで繋がったわけ。ちなみにこのコイネーの他に地中海の南にはアラム語があり、ずっと時代が降ってローマの頃のユダヤ人であるナザレのイエスはアラム語の話者。アレクサンダーにより崩壊したペルシャからゾロアスター教が東へ西へ流れ、西への流れはアラム語話者のナザレのイエスに恐らく影響を与え、彼はラビとして東にも広く伝えることのできる新しいユダヤ教、つまりキリスト教を産み出した。そのキリスト教が旧約聖書とともにバイリンガルであったパウロのような初期教父たちによりコイネーに翻訳されてローマ帝国に広まったのは・・・って要するにアレクサンダー大王が引き金になってそういう大きなガラガラポンが起きたわけ。
ちなみにプトレマイオス朝エジプトはアレクサンダー大王のマケドニアがディアドゴイ(後継者)戦争で分裂してできた国。マケドニアの将軍プトレマイオスが作った国だから実態はギリシャなんですよ。だからロゼッタストーンにはギリシャ語の注釈があった。コイネーのギリシャ語ね。プトレマイオス朝滅亡の時の女王クレオパトラはプトレマイオスの子孫なの。
古代ってのはなんやかやと神秘のベールに包まれているけれど、実はそこにも人の営みがあったわけさ。聖書が書かれたコイネーというギリシャ語が話されていた時代の物語ヒストリエ。物語の中ではまだ少年のようなエウメネスがディアゴドイ戦争で死んで物語は完結するんだろうけど、完結すると良いなぁ。感動のフィナーレなんだろうな。