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花相の読書紀行№.126『夜の蟬・秋の花』
春桜亭円紫師匠、再び。
【夜の蟬・秋の花】/北村 薫
<あらすじ>
◆夜の蟬
第44回日本推理作家協会賞受賞】
『空飛ぶ馬』につづいて女子大生の〈私〉と噺家の春桜亭円紫師匠が活躍する。鮮やかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線と、主人公の魅力あふれる語りが読後の爽快感を誘う。
第44回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開する契機となった第2作品集。
[目次]
・朧夜の底
・月の花嫁
・夜の蝉
◆秋の花
幼なじみの真理子と利恵を待ち受けていた苛酷な運命――それは文化祭準備中の事故と処理された一女子高生の墜落死だった。真理子は召され、心友を喪った利恵は抜け殻と化したように憔悴していく。ふたりの先輩である〈私〉は、事件の核心に迫ろうとするが……。生と死を見つめ、春桜亭円紫師匠の誘掖を得て、〈私〉はまた一歩成長する。シリーズ初の長編。
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★感想
デビュー作の「空飛ぶ馬」の続編の2冊。
主人公と落語家の円紫師匠が織り成す日常ミステリです。
円紫師匠を想像するに、坂東玉三郎のようなスラリとした涼やかなイメージではないかしら?
この2作、派手さは無いけど優しく丁寧な文章で、登場人物たちが自然体で生き生きと描かれています。
私のミステリー本の師は、横溝正史氏と京極夏彦氏。
その次は、 “北村薫氏” になりそうです。