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私たちはただ乗り合わせただけ

昨日の終わりと今日の始まりが交差する朝5時半の最寄駅。
泥酔湘南ボーイの群れにホームの椅子を全て取られドアマークに並ぶ。

構内アナウンスのテンションが上がり、ようやく到着した電車はすでに満席。

仕方なくドアからできるだけ遠いところに自分の立ちエリアを陣取り、
虎視眈々と次の駅で空きそうなイスを予想する。

車内は圧倒的スーツ率、だったと思う。
電車を降りればほぼ100%顔も忘れてしまう人たち。

出発地も目的地も違うけど、それぞれの目的のためだけにこの電車に乗り合わせ、そしてそれぞれのタイミングで去っていく。

ふと職場が頭をよぎる。違う出身、ルーツと目的をもち、それぞれのタイミングで入り抜けていく。

職場って電車みたい。
そう思ったら、悩んでいたことが少し楽になった。
だって、電車で一緒になった人に嫉妬することってないじゃん。

元々違うルーツで目的地も違うんだし。
考えるべきはひとつ。自分の目的地ただそれだけ。

自分討論会を繰り返していると、ちょうど目的地に着いた。
大量に放出される人の群れに身を任せ、乗り換えホームに急ぐ。



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