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我が家から紙が消えたなら
①キッチンペーパー
コロナという名の死神が地上に舞い降りたことをきっかけに、どうしたものか、我が家からキッチンペーパーがなくなった。
夕食の準備、片付けにはキッチンペーパーは必須だ。まな板、包丁を洗った後はすべてキッチンペーパーで拭いていた。それが今はできない。
私は仕方なく、水にぬれた包丁を手拭きのタオルで拭いた。いわずもがな、何も問題はない。
まな板は、食器の水切台に置いた。10分後に確認すると完璧に乾ききっていた。
いつもはサっとキッチンペーパーでふき取るそこら中に飛び散った水も放置。これはさすがに乾ききらないが、普段リビングでゴロゴロしてる分には目につかないので問題なし。
キッチンペーパーを失って、キッチンペーパーは不要だと気づいた。
②ティッシュ
花粉症の私は、ここのところ1日平均20回は鼻をかんでいる。鼻水の量と比例してティッシュの消費にも加速がかかっていた。
次に死神が消し去ったのはこのティッシュ。
さすがに、まな板や食器のように乾くまで待つ、というわけにはいかない。が、トイレットペーパー2ロールがある。
仕方なく、トイレットペーパーで鼻水を吸い取る。すこし固い気がするがちゃんと鼻水を吸い取ってくれるし、おまけにバラの香り付きだ。問題ない感じがする。
また、本来の用途でのトイレットペーパーの使用量も減った。今まで4回転くらいグルングルンさせていたのが、最近は1回転で抑えられている。
ティッシュを失って、これまでの無駄遣いに気づいた。
③トイレットペーパー
ついに死神は、トイレットペーパーも消し去った。
我が家に残った紙製品は棚に並んだ本とノートのみ。トイレットペーパーとは比にならないほど硬くて厚い立派な紙で出来ている。
これでデリケートゾーンがふけるのか?
逡巡をしていても尿意は待ってくれない。
とりあえず古本をトイレに持ち込み用を足す。
幸い、日本にはウォシュレットという素晴らしい発明品があるため、汚れはそれできれいに洗い流せる。あとは、紙でささっと拭けばいっちょ上がりのはず。
持ち込んだ古本を手に取り1ページをビリっと破りとる。デリケートゾーンに恐る恐るあてがう。さすがにトイレットペーパのときのようにゴシゴシとはいかないが、このように当てがうだけでも水分が若干取り除ける。多少の水分は気にせずパンツをはけば、結局はパンツの布が吸収してくれる。
使い終わったページは、もちろん流さずゴミ箱へ。
家にある本の量を考えたら、あと何年かは続けられそうだ。
トイレットペーパーを失って、パンツのありがたみを知った。
我が家から紙が消えたなら
コロナウイルスという未知の脅威にさらされた人類は、安心を求めて爆買いに走ってる。今日もTwitter上で、ティッシュやトイレットペーパーを何箱もカートに乗せた姿を自撮りし「俺はコロナなんか怖くないぜ」というようなシニカルなコメントを付けた投稿を見た。それに面白おかしいコメントが寄せられていることも。面白くもなんともないと思う。ただただ残念。
早朝のドラッグストアに並ぶ人、店員に問いただす人、気持ちがわからないとは言わない。でもとりあえず今思うことは、キッチンペーパーとティッシュとトイレットペーパーがなくても、実は新聞紙とか古本とかタオルとかハンカチでも代替効くんじゃないかってこと。ほんと、人間いざとなったら何だって使えるような気がする。
だからさぁ、買いだめやめようよ。
早朝のドラッグストアに列をなして我先にと買い求めるより、店員に怒鳴り散らすより、少ない資源でどうやって今の生活をキープしようか、創意工夫しようかって考えるほうが大事。この機会に、本当に自分の生活に必要なものは何か考えて、譲り合える人が増えれば良いなって思う。