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郷愁

1つ老いる毎に、感性の衰えを感じる今日この頃であるけれど、どうにか取り繕って生きている。

いいなって思ったバンドは大抵歳下になってきたし、ライブハウスで泥臭く煌びやかに音を掻き鳴らす奴等を見た時どうしようもない気持ちになる。
後輩と酒を飲んでは滔々と講釈を垂らすこともあるが、多分、あいつらの方が音楽が好きで、真っ当に音楽に向き合っているんだろうと思う。

昨日、久しぶりに日々ロックを観た。
王道な展開で、王道な曲で、全てがベタベタの話ではあるが日々沼拓郎の愚直すぎる姿を観ているといつの間にか涙がこぼれていた。あんな人間になりたかった。あんなに音楽を好きでいたかった。
後輩の卒業ライブで「ふわふわ時間」を流して楽しんでいる俺には眩しすぎた。きっとあそこで「雨あがりの夜空に」を流すことができていれば、俺の人生も少しは変わったものになっていたのだろうと思う。

好きな音楽を好きなままでいることに安心するのではなく、嫌いな音楽が嫌いなままなことに安心するのはきっとどこかに後悔があるからなんだろう。
30までにはきっと…と思い続けながら数年が経つ。
どこかで思い立ってやるべきではあるのだが、いかんせんチャランポランに生きている俺では難しい。
とりあえず俺は曲をしっかり作るところからはじめなければならない。
だから歳下のバンドマンよ、これ以上いい曲を書かないでください。お願いです。キンミヤ一本あげるから。
全員俺が名曲を作るまで放課後ティータイムのコピーしててください。

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