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補助金の功罪 EV編

愛知県のリサイクルカンパニー
豊アルケミー株式会社 代表の桐山です。
地方で子育て・教育・地域に携わって生活している企業経営者です。


自社で設備を導入するにあたり、補助金申請に時間がかかり、機会損失というデメリットが発生するという話をしました。

これは一企業が補助金をどう捉えるか?という話で補助金を活用するかどうかの良し悪しは個別企業の判断となります。
しかし原資が税金ですので、国はきちんと審査する体制を取っており、申請が全て通ることはありません。

当然ですが、補助金は国が何かしら意図をもって設定されています。しかしそれが思惑通り、ことが進むかというと非常に怪しいものがあります。
また補助金はもらえるときはうれしいものですが、永遠というわけにも行かずどこかで終わりがきますが、止め時の見極めが難しいものです。

フォルクスワーゲンが国内工場を閉鎖するというニュースが流れてきました。

VWの苦境は欧州メーカーに共通する課題だ。新車販売の停滞と競争激化、性急なEV化でのつまずきだ。
2015年に発覚したVWによるディーゼル車の排出ガス不正(ディーゼルゲート事件)以降、欧州メーカーは当時注力していたクリーンディーゼル技術からシフトし、EV化を一足飛びに進めた。VWは30年に世界販売の5割をEVにし、特に欧州で7割以上をEVとする戦略を掲げ巨額の投資を充てた。
ここにEV需要の変調が影響した。きっかけは欧州でのEV購入補助金の停止・縮小だ。ドイツは23年12月に補助金を停止。同国でEV販売は停滞し、欧州全体でのEV販売も低迷している。
(中略)
各地で攻勢をかける中国メーカーに世界の目も厳しくなっている。安価なEVの背景にある過剰生産や補助金などを問題視し、米国が中国に追加関税を課したのと同様に欧州も措置に乗り出した。

日刊工業新聞 2024年10月17日

簡単な流れはこのような感じです。

EVは環境に良い
 ↓
EV普及のため補助金(中国製にも)を出す
 ↓
ドイツ製EVは補助金があっても高い
 ↓
安価な中国製EVにも、補助金を出す
 ↓
国内メーカーのEVが売れない
 ↓
工場閉鎖

ドイツは自滅したとしか思えません。
一体何を補助したかったのでしょうか?
補助金が国の産業を荒廃させた恐ろしい実例です。
本当に気を付けなければなりません。

日本は欧州ほどEV化を急ぎませんでした。
出遅れているという批判もありましたが、トヨタのEVに対する環境評価に対する疑問視する姿勢(全方位戦略)やインフラの遅れ、また日本市場での中国車の人気のなさがあいまって、フォルクスワーゲンのような急激な衰退を逃れています。

しかし補助金のために、日本でもとんでもないことになっている分野があります。
太陽光発電(メガソーラー)です。
環境に良いどころか、国土破壊装置となって、日本の豊かな自然を破壊しています。これも補助金が大きな役割を果たしています。
この件についてはまた改めて考察したいと思います。

それでは!

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