もう私はギターを持って旅に出ない

卒業後の研修先を決めるための病院見学に向けて、福井を出発した。

ギターは置いてきた。


最近、ここ数ヶ月、もっと詳しく言えば、気付き始めたのは6月4日の福井人BBQの帰り道。

もう思えばなにかと4年もお世話になってるCraft Bridgeで、毎年開催してるイベントで、今年はめちゃくちゃに暑かった。

えちてつに乗って帰って、月明かりがきれいな日で、今年初のホタルがいた。


福井人BBQ、参加できるのもあと1回か


正直、福井にそこまでの愛着は無かった。
この時、否応がなしにそんなわけは無いかと認めざるをえなかった。

復学後つくった家、このまん間。
ここはこういう感じにしたいなって思っても、

あと1年半しかいないのに

が脳裏をよぎる。

秋に企画してる「此間ノ芸術祭」「すみかの芸術祭」も、ここまで大きくいろんな人を巻き込んでやるのはもう、当分無い、
福井にいる間で考えたら最後だな、
研修医になったらやらないだろうな、

諦めか、選択か。

さみしくて。

でもどこか、この状況から解放される、逃げにも近い将来の期待もある。


そして、先日行った韓国のDMZで感じた震え。
中学時代の広島派遣、医師を志した日、椎葉村の朝、
私の人生の要所要所で感じてる震え。

世界を舞台に医療がしたい。
いや、私がしたいのはもはや医療じゃないのかもしれない。

恐怖や不安に震えてる人を抱きしめたい。
大丈夫だよ、とそばにいたい。


今こうして、文字にしてみると、涙が出る。
ああ、これだ、と。

そして恐らくそこに、自分に知識や技術、再現性のある力を備えていたい。
ただ励ますとか、信じる力、だけじゃなく。


でも、どこへ行けばいい。
誰に会って話を聞いたらいい。

なんでもできる
なんにでもなれる

それを信じてないわけじゃない。

自分の心に耳をすませて。
いま、一番心が進みたい方へ進む。

それだけだと、分かっているけど、
先人が見つからない。
聞こえない。
どうしたらいいか分からない。


明日は初めての病院見学。
終わったら来週、次は愛媛の病院へ。



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