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考察「リモートワークにおけるよい報告とは」

企業においてリモートワークが推奨される中、生産性維持に対する懸念や、特にコミュニケーションに対する懸念がよく話題にあがります。中でも「報告」のあり方が生産性に大きな影響を及ぼすと考えられ、リモートワーク環境での「よい報告」には3つの要素があることがわかりました。

リモートワークで「報告」に使う時間が増えた

二度目の緊急事態宣言をうけて、私が働く会社でも、改めて可能な限りの在宅勤務が推奨されています。私が所属する部門はメディア開発を担っているということもあり、2020年4月の緊急事態宣言のころからほぼ全員が完全リモートでやっています。

感染リスクの低減はもちろん、通勤時間の削減、勤務時間の自由度の高まりなど、リモートワークの良い点もある一方、雑談の減少によって連帯感が薄れたり、業務上のささやかな確認にもいちいちオンラインmtgの設定が必要だったり、いまだにストレスは絶えません。

特に、中間管理職である私は、現場の状況を把握して次の手を考える、もしくはそれを更に経営レイヤに伝えて判断を仰ぐ、など、いわゆる「報告」を受ける側にもなればする側にもなり、「報告」のために使っている時間が格段に増えたと感じています。管理職だけならまだしも、現場スタッフが「報告」に時間を使うのは生産性の観点からは極力避けたいところです。

以下では、報告の生産性を上げる要諦について考察します。基本的には部下が上司に業務報告をする、というシーンを想定して書いています。

「報告」を有意義にする

報告の中身次第で、その時間を生産的にすることも非生産的にすることもできます。結論からいうとファクトだけを報告するのは時間の無駄だと考えます。

たとえば週次で報告のための会議があるとして、
A 前週のKPI進捗
B KPI計画との乖離があるかどうか
C 乖離がある場合、その要因はなにか
D その要因仮説に至るためにどんな分析を行ったか
E 乖離を解消するため方法はなにか
F 次週何をする予定か
くらいのことが話されるんじゃないでしょうか。
これらの内、A, B, Dあたりはファクトです。だれが報告しようが変わらないものです。C, E, F は仮説もしくはアイディアです。いわばヒラメキです。
ファクトの報告に時間を使うのは無駄です。定められたフォーマットに記載して事前に見ておくのが望ましいですし、もっというと機械に代替させるのが理想です。いわゆるダッシュボードです。ファクトの報告に終始している人は、仕事が消滅しかねません。

どういう仮説に至ったのか、どんなアイディアがひらめいたのか、そちらに時間を使うことで報告の時間は生産的になるのではないでしょうか。ファクトの報告はやめてヒラメキの報告をするべきと考えます。

「報告」の作業を効率化する

ファクトの報告は徹底したフォーマット化が求められます。これは報告を求める側が決めるべきです。どの数字、項目、頻度、書く場所。それらを握らずに報告させたくせに、あれはどうなってる?これはどうなってる?と追加で聞くのは非生産的です。準備が無限に膨らみます。フォーマットが十分に練られていれば、日々の業務と同時並行で報告内容が出来上がっていく状態をつくれるはずです。決まったフォーマットにメモをしながら会議に参加してたら、終わる頃には議事録がほぼ完成していた、というのと同じです。フォーマット化による効率化。まぁなんでもそうっちゃそうです。

一方で、これまたなんでもそうっちゃそうですが、フォーマット化して効率化を突き詰めると思考停止につながります。あっちの数字をこっちの表に転記して、あー終わった、というやつです。思考を促すためには一定の自由度が必要になります。たとえば、施策進捗を報告せよ、課題を報告せよ、という粒度で求めると、なにを報告すべきか考えるきっかけにはなります。またその過程で、報告する側の視座をあげるという観点でも有効だと思います。

まとめ

結局は、報告をきっかけにしつ、議論が生まれ、アイディアが生まれるのが望ましい状態だと言えます。報告内容の理解にミーティングの時間が食われてれてしまわないように。自己アピールに使われないように。フォーマットをくふうしたり、報告内容を事前に握っておいたり、それらはすべてヒラメキのためだということを、報告する側も報告される側も忘れずに報告の場に臨むのがよさそうです。(おわり)

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