見出し画像

いいでしょ?俺たちも。

幸せだったあの日々。

本気で愛してたあの人。

全てが順風満帆だったあの頃。

そんな日々はもうこないのかな?


俺には愛しの彼女がいた。

名前は田村真佑。




初めて見た時に衝撃を受けた。所謂一目惚れというものだ。


可憐さもあれば大人っぽさのある容姿が自分の胸を撃ち抜いた。


更に、少しずつ話せるようになってから気づいた事は、声の可愛さ、そしてとても社交的で誰にでも明るく接する人の良さ。

まるで声優さんのような可愛い声。

もともと抱いていた好意に更に拍車をかける。


だんだんと仲は深まっていき、俺は告白を決意した。


〇〇:真佑さん!!

〇〇:俺...真佑さんの事が...


〇〇:好きなんです!!

〇〇:付き合ってください!!


真佑:私も好きだったの。

真佑:よろしくね〇〇君!

〇〇:うん!よろしく!


自分はまさか付き合えると思っていなかったため、俺は天にも昇る心地だった。

毎週絶対にデートは行っていたし、大学でもいつも一緒にいたし、同棲する事だって互いに考えてた。

自分の運命の人は絶対にこの人だって...思ってた...。


〇〇:最近真佑とあんまりデート行けてないだよね...。

□□:なんか喧嘩でもしたの?

〇〇:いや...全く心当たりがなくてさ...。

〇〇:一緒に大学で授業受けたりとかもしてたんだけどさ...

〇〇:それもすっかり無くなっちゃってさ。

〇〇:電話したり、ラインしたりしても前まではすぐ返信が来てたのに全然来ないしさ...。

〇〇:俺もしかしてさ...


〇〇:浮気されてるのかな...?

□□:考えすぎなんじゃね?

〇〇そうなのか?

〇〇:急に今までとは全く違う人になっちゃったんだぜ...?

〇〇:そりゃ疑いたくなるだろ...。

□□:少し話してみたらもう一回。

〇〇:まあやってみるよ。


==============================

〇〇:真佑?

真佑:何?どうしたの...?

〇〇:いや...その...最近あまり話せてなかったりさ、デートに行けてなかったりでさ...。

〇〇:もしかしたら真佑に対して悪いことしちゃってたのかなって思ってさ...。

真佑:いや...別にそんなことないけど...

〇〇:じゃあ何で最近の真佑は俺に冷たいの...?


真佑:別に冷たくしているつもりは無い!!

〇〇:いや、どう考えても冷たいだろ...。

〇〇:俺は真佑のことが好きなんだよ...。

〇〇:確かに、連絡とか少し、しつこい所もあったかもしれない...。

〇〇:それはごめん...。

〇〇:真佑はさ...

〇〇:俺と別れたい?

〇〇やっぱり最近真佑は俺のこと好きじゃないのかなって...。

真佑:そんなことないもん...。


真佑:真佑も「好き」だよ...?

〇〇:そうだったんだ...!

〇〇:ごめんね...。疑って...。

真佑:気にしないで...!


真佑:(ふふっ笑もう〇〇君には見向きもしてないのに...笑


=============================

〇〇:って事があったんだよ。

□□:話聞いている感じ大丈夫そうじゃね?

〇〇:まだ完全には疑いというか...怪訝に思っているけど...

□□:まあ、大丈夫だろ...。

〇〇:じゃあお前が大丈夫だって思う理由は何だよ...?

□□:だって本人の口から好きって言葉が出てるんだぞ...?

□□:過度に心配する事ねえって...!

〇〇:そうなのか...?

〇〇:うん...まあそうなのかもな...。

〇〇:少し感情的になりすぎた...。

〇〇:ごめん。

□□:まあ気にする気持ちもわかるぜ...。

□□:でも、もう少し心に余裕持ったほうがいいぜ?

□□:じゃないと、お前が壊れちまうからな...。

〇〇:そうだよな...。考えすぎてたかもな。

〇〇:ありがとう。相談乗ってくれて。

□□:またいつでも相談してこいよ...!

〇〇:うん。


□□:(ふっ笑 俺と真佑ちゃんが浮気してるとも知らずに...笑


=============================


1週間後...

あの日から何の変化もなく、話もしていない。


〇〇はぁ...寂しいな...。最近会ってすらないな...。


そんな事を考えながら歩いていると....

〇〇:あそこのカップルすんげえイチャイチャしてるな...

〇〇:って...あれは真佑と、□□じゃねえか...!?


〇〇の目に入ってきた光景は真佑と□□が大胆に街中で口付けを交わす姿だった...。

〇〇:やっぱりそうだったか...。

意外とショックという感情はなく、多少の喪失感を感じると同時に、途轍もない憤りを覚えた。


家に帰ってすぐ、真佑には別れたいというメッセージを入れ、□□には、「俺のことを裏切ったお前を許さない...。」とメッセージを入れ、その日は寝る事にした...。

===============================

次の日...

俺は1人で大学にいる。

昨日の事を思い出し少し泣きそうになっているところに...

?:今日は元気なさそうだけど。

〇〇:まあ、色々あったんだよ...。


今話しかけてきたのは俺、真佑、□□といつも一緒にいる一ノ瀬美空。そんな美空は□□の彼女。

美空:何があったの...?

〇〇:本当に聞く?

〇〇:真佑が浮気してたんだよ...。

美空:えっ!?誰となの...?

〇〇:□□とだよ...。

美空:えっ...?嘘でしょ...。

〇〇:ほら...


美空に証拠となる写真を見せる。

美空はひどく動揺し言葉が出なかった。

美空:□□君は全くそんな素振り見せなかったのに...。


そこから暫く沈黙が続いた。

そんな雰囲気を変えたのは〇〇の一言だった。


〇〇:美空?

美空:どうしたの?


〇〇:俺たち付き合わない?

美空:えっ...!?

〇〇:いいでしょ?俺たちも。






============================

真佑:〇〇っ?どうしたの?


〇〇:はっ...!ゆ...夢か...

真佑:夢?

〇〇:変な夢みてたんだよ...。

真佑:えっ?どんな夢?


〇〇:秘密。




Fin.



読んでいただきありがとうございました。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?