”教える”ってとっても高度な技術なのよ
はろはろ-。あるです。
ちょっと前まで、【研修担当の研修】をする仕事をしていたんですが、その時に痛感したんですよ。
”教える”ってめっちゃ難しい。
今日は人に教えるということについて考えてみます。
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”教えるのがうまい”の定義
まず最初に、あるが言う”教えるのがうまい”というのはどういう状態を指すのかを定義しておきますね。
教えるのがうまい、というのは「1回教えたら、相手がそれを”できる(使える)ようになる”」状態のことです。
何が大事かというと、ゴールが【相手ができるようになること】であるということ。
その点についてなんとなーく意識しつつ、教えることについて考えていきましょう。
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教えるのが上手い人の特徴
教えるのがうまい人たちにはいくつか共通した特徴があります。
ざっくり分けると大きく3つ。
・考え方
・伝え方
・知識と思考力
それぞれ見ていきますね。
考え方
ベースの考え方。これが一番重要かもしれません。
教えるのがうまい人たちは教えることのゴールを”相手”に置いています。
理解ができて、使えるようになること。それを”相手が”できること。
なので、自分が言った、伝えた、話した、そういった行動に実はあんまり重きを置いていません。
大事なのは”相手に何が伝わったか”、そして”自分と相手の理解していることは同じか”。この2つです。
正直、このベースがしっかり腑に落ちるだけであなたの教え方もぐんと変わるはずです。
ただ、あまりに言い方が大きすぎる(抽象的すぎる)ので、もうちょっと詳しく見ていきますね。
この考え方があると、伝え方に違いが出てきます。
では実際、どんな伝え方になるのでしょう?
伝え方
教えるのが上手い人の伝え方は、やはり”相手”がベースです。
・”相手が”何を分かっているのか
・”相手が”何を分かっていないのか
・”相手が”わかるためにはどうすればいいのか
そういったことを考えながら、伝える努力をしています。
そうすると、教え方にこんな特徴が出てきます。
○1文が短い
⇒文章が長いと、何が言いたいか伝わりにくい。1文は短く、簡潔に。
○主語と述語が明確で、一致している。
⇒文章のはじめとおわりがきちんと一致していること。これって、実際に話してみると意外と難しいことなんです。
特に「なんて話そうかな…?」と考えながら話したり、話している最中に「これも追加して言おう」と内容を変えたりすると、主語と述語の不一致が起こりがち。
しかし聞いている側にとって、主語と述語の不一致ってかなり混乱する要素なんですよね。特にプリントなどがなく、聞いているだけの講義のような場合、何度か不一致が起こるだけで一気に理解度が下がることは想像に難くないと思います。
○こまめに”わかっているか”の確認を取る
⇒シンプルなことなんですが、これができている人って意外と少ないんです。
「ここまでで何か質問は?」「わからないことがあれば、このタイミングで手を挙げてください。」そんな一言があるだけで、一気に理解度は深まります。
さて、上にあげたことは意識すればすぐにでもできる伝え方です。
これに加えて、”知識と思考力”があれば、さらに教え上手に近づけるんです。
では、その”知識と思考力”とは一体?
知識と思考力
先にお話した”伝え方”は、いわば表面的なお話、やり方・ノウハウのように何にでも簡単に当てはめられる方法論のことでした。
そこからもう少しだけ深いところにあるのが”知識と思考力”です。
知識
知識というのは、主に”言い換え”と”比喩”に活きてくる部分です。
わかりにくいことを、相手の知っているものに当てはめて伝えたり、誰もが「ああ、それね」とピンとくるようなものを引き合いに出して話したり。
そういった工夫をするためには、今話していることと別のものの共通点を見つける能力が重要です。
この能力を支えるのが知識量。共通するものを見つけるためには、いろいろな事を知っていたほうがいいですよね。
教え上手な人は知識が多く、その中から特に「あなたがピンとくるのはこれだよね」という情報を引っ張り出して提示する能力が高いんです。
これってすごい才能ですよね。
思考力
こちらは、”どうすれば誰もがストンと理解できるような教え方になるか”を考えられる能力です。
これがどのように現れてくるかというと、例えばこんな感じ。
○話の流れの組み立てがうまく、1つの流れになっている。
⇒話が順序だっている。1から順に最後まで、戻ることがなく1回で基本を網羅している。
例えるなら川の流れが逆流することがないように、一度船に乗って進み始めたらそのままなんの問題もなく海までたどり着けるようなスムーズな”流れ”を考える力がある。
○補足や情報追加のタイミング選びが上手く、また”どこへの追加か”がわかりやすい。
⇒追加情報がある場合や話が脱線するときは、”どこから脱線したのか”がちゃんとわかって戻ってこられる流れになっている。
木の枝が伸びるように、話はいろいろな方向へ膨らんでいくもの。でも教え上手な人は、誰が聞いても「話の幹はこれ」がすぐわかっていつでもそこに戻れるような心がけができている。
○自分の教え方の中でどんな疑問が生まれるかを理解しており、それを適切な箇所で補足している。
⇒言い換えれば、「今の自分の話だとここが不足していて、それはここで説明するとわかりやすい」を知っている。
例えば「生地を冷蔵庫で30分寝かせます」に対して「なぜそれをするんですか?」という質問が来ることを予測でき、それを考慮して「先ほど30分寝かせたため、発酵が進んで膨らみやすくなった生地を使って、次に~」という次の説明ができる。
おわりに
こうしてみてみると、”人に教える”ってものすごい能力だと思いませんか?
多くの視点と気づき、そして相手への気遣いとそれを表現する思考力があって成り立っているものなんですよね。
「私、人が好きなんです」とか「教えるのは得意です」という人の中で、「私の言ったことは、伝わっている」と勘違いしている人はいませんか?
人に教えるということは、
1.自分の中で話がまとまっている。
2.話を順序建てて組み立てられている。
3.人に自分の頭の中をできるだけ正しく伝えるための力がある+努力をしている。
4.相手の理解度を理解できる+そのための努力をしている
5.相手が実際にそれをするときの状況が想定できる。
6.相手が”正しく理解”する
こんなに複雑な流れを行っているんです。
改めて”教える”ということについて考えてみてどうでしたか?
面白いと感じてもらえたなら嬉しいです。
ではでは、また次の記事で。
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