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映画館で妖怪に出会う話


ここ最近頻繁に映画館に通っている。
というのも、生きる支えと化している刀剣乱舞、そのメディアミックス作品の中の一つ、刀剣乱舞花丸が三部作として映画化をし、
そのそれぞれが3週間限定公開されたからだ。
一周ごとに変わるミニアニメや、入場特典(しかもブラインド形式)目当てに
大体週1、時間を見つけて週2の割合で映画館に通い詰める事となった。

本編は登場する刀剣男士の扱いで賛否はあれど、
私的には「この時間(通常の映画作品よりも上映時間が短い)でよくまとめたもんだ…」と感激していた。
特に3作目の華の巻では、花丸本丸の審神者(ゲームのプレイヤーはこう呼ばれている)が倒れるというショッキングなシーンや
実力はあるはずだがわりとトンチキな本丸の長である審神者が
最も恐れるものは何なのかが判明したシーンで思わず共感し涙した。
内容は素晴らしかったんです。内容は。

じゃあ何がよろしくなかったのかというと、観劇する者のマナーがとてもよろしくなかった。
上映中におしゃべりをする、スタッフロール中にスマホをいじる。
上映後退場する際にここが駄目だおもんなかったわととても響き渡る声で喚き散らす。小声でやれ。
こんな極端な例は1~2回遭遇した程度で運が悪かったなぁ…と諦めたのだが、
毎回毎回ペットボトルを持ち込んで真上までボトルを持ち上げ飲み干す輩に出くわすのは正直我慢ならんかった。

そもそも映画館という場所は基本的に他店で購入した飲食物は持ち込みが禁止されている。
そして映画館内ではペットボトル飲料は販売されていない筈だ。
食べる時に音が出やすい食べ物は売っていないし、
飲み物だってストローで静かに飲むものしか売っていない。
だからペットボトルを煽って飲んでいた若い女性、年配の男性、年配の女性、若い男性、子供は確実に他所のコンビニや自販機で購入した飲食物を持ち込んでいたのだ。

刀剣乱舞花丸、華の巻のクライマックスのバトルシーンで右斜め前からにょきっとピンクのラベルのペットボトルが伸びた時は椅子でも蹴っ飛ばしてやろうかと思った。
映画館で前の椅子を蹴るなんてわけわからん。そんな人おるん?と思っていたが
そんなマナー違反者がそういう行動に出る理由が分かってしまった。
私も同じマナー違反の土俵に立つわけにはいかないのでぐっと我慢した。
なおこういう場合客である私がその女に注意をするのは映画館側からすれば恐らく迷惑な事だと思う。客同士のいざこざほど面倒な物はない(店員側で経験済)
だからスタッフさんが来ないか、スタッフさんから注意してもらえないかと目線だけで探ったが、スタッフさんは当然の如くこの場にいなかった。
悲しい事にその後も度々にょきっと伸びるピンクのペットボトルに気を散らされながら2000円弱のチケットを無駄にし、2時間ない位の時間も浪費した。金返せ。TOHOシネマズさんじゃなく、その女の財布から返してくれ。

あまりに毎週遭遇するものだから、もしや私がおかしいの?
知らない間に世間では映画館にペットボトルもちこんでいいよ!って事になってるの?と不安になり帰りのバスを待つ間スマホで調べてみた。
一部映画館では持ち込み可の場合があるらしい。と知り
やだなぁ、じゃあこれからはクライマックスでペットボトルに邪魔されても受け入れなきゃいかんのか。とげんなりしつつ、最近ずっと通っているTOHOシネマズではどうなのか更に調べてみた。

駄目じゃん!!!!!!!!!???????????????
普通に駄目じゃん???
そうですよね、私が世間の常識の更新についていけてないのかってない芯めちゃくちゃ不安でしたけど
よかった更新されてなかった。これからも更新しなくていいです。

TOHOシネマズさんだけではなく、世の中の他店購入や持参した飲食物持ち込み不可の映画館さんはもっと周知してほしい。
TOHOシネマズさんの上映前の注意事項の映像では
コンビニ袋に入ったおにぎりが登場する。
私的にはこれだけでも「持ち込み駄目だな」と分かるが、
世間的には「コンビニ袋に入ったおにぎりが駄目なのであってペットボトルの飲料とかその他の物はおっけ!」と思われるのかもしれない。

悲しいかな、この世の中には「オキャクサマ」というデバフが存在していて、このデバフがついてしまうと、目の前に貼ってある「駐車禁止」や「立入禁止」「本日定休日」等の文言が読めなくなったり、
お金はここにおいてくださいと置いてあるトレイをガン無視して店員に手渡ししようとしたり、わざわざ机の上に直置きしたり
タメ口でウザ絡みしても許されると思ってしまうのだ。
多分映画館のペットボトル持ち込みも「オキャクサマ」デバフに蝕まれているのだろう。きっと3くらいスタックしてるんだと思う。

映画館の飲食物って高いよね。
ペットボトルならいっぱい容量はあって200円もしないし、蓋もしめられるから便利だよね。
でもね、ここではそれはやめてね。って言われることはやっちゃいけないんだよ。
蓋を開ける音や、炭酸がぷしゅッと鳴る音は案外耳触りだし
飲み干す時に上げたボトルが
あなたの後ろの席から丸見えなんだよ。
なんならボトルが反射してスマホのバックライトみたいに光るんだよ。
あなたも2000円弱お金を払って映画を見ているんだろうけど、
後ろで貴方に邪魔をされた観客も同じ金額を支払って、同じ時間じっと座って映画を見ているんだよ。
そんなにお金かけたくないなら自宅でアマプラやネトフリを見ていてくれ。
サービスによっては初月無料だし、一時停止もし放題だしスマホいじってもペットボトル煽っても酒飲んでも誰にも迷惑かけないし、誰も文句言わないから。

暫くは映画観賞する予定がないので妖怪ペットボトル持ち込みオキャクサマ(スタック3)に出会うことも無いだろうが、
次に映画観賞する時はこんな妖怪に出会いませんように、
ゆっくり作品の世界に没頭できますように。と今から願をかけている。

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