塗香という新しい習慣
塗香(ずこう)というものをご存知の方は少ないかもしれない。
名前の通り、肌に直接塗るお香のことである。粉末状になっていて、手のひらに少量乗せてからすりこむようにして使うと、ほんのり香りが広がる。
筆者は塗香というものを薫玉堂さんで知った。薫玉堂さんは京都のお香屋さんだが、東京にも店舗があり、たまたま行ってたまたま知った。
しかし、使いづらいかもなーと思ってしばらく買わないでいたのだ。
筆者はもともとお香が好きで、朝起きた時に窓を開けて香を焚く。もちろん薫玉堂さんで買ったもの。とても香りがよくて、焚いたあともしばらく部屋がほんのり香るのが気に入っている。
で、塗香の話。
ずっと気になっていたのだが、先日思い切って購入した。老山白檀の塗香と、木の塗香入れ。トップの写真がそれだ。丸いのが塗香入れ。
使ってみてどうだったかと言うと、もっと早くに買えばよかった……と思えるものだった。とても香りがいい。一言で言うとお寺の香り。白檀なので当然なのだが。
ちなみに薫玉堂さんでは普通の白檀と老山白檀の二種類の塗香を取り扱っており、店舗では香りを試すことができた。白檀のほうは値段もお手頃なのだが、ちょっとスパイシー過ぎて自分には好みではなかった。老山白檀はちょっと高いが、白檀らしさが強くてこちらにした。とはいえ香水などと比べるととてもお手頃である。
塗香単品だと、ジップ付きの袋に入っているだけなので少量を取り出すのは難しい(こぼしそう……)。なので、塗香入れも買って正解だったと思う。
塗香入れは、なんか昔の七味入れみたいな作りになっていて、少量ずつ塗香が出てくる。飛び散ったりしないので使いやすいし、持ち歩くのにもちょうどいい大きさ。手のひらにしっくり収まる丸い形状が可愛らしくて気に入った。
塗香は香水ほど強く香らず、持続時間も短いのでちょっとした気分転換に香りを纏いたい時にピッタリだと思う。
というか……これ、筆者が長年求めていた、「白檀の香りを身にまとう」のに理想のものだったのです。香水とかアロマとか遠回りしたけど、結局白檀の粉を塗るというものがあるのを知るまで結構時間がかかってしまっただけだった。
とはいえこれから大好きな白檀の香りをいつでも身にまとう事ができるのである。嬉しい。ウキウキでこの記事を書いている。もちろん塗香を纏って。
塗香には魔除けとか浄化の意味もあるらしいけれど、霊感ゼロの筆者にはあまり関係なく、ただ香りを纏いたいがためだけに使用している。でも、たしかに塗ると気分がスッキリするかもしれない。が、それは香水でも同じ。要は好きな香りを纏うという行動が好きなのだ。
もちろんこれからも香水も使うけれど、持ち歩きが大変で外出中に香りがとんでも付け直しができなかったりしていたのだが、今度からは塗香を持ち歩くようにしようと思った。