チームビルドからフロービルドへ ~タックマンモデルで大切な事
突然ですが、肩がこる原理、知ってますか?
1)特定の姿勢を続ける
2)筋肉が緊張し続ける
3)血管が収縮して、血流が悪化する
4)老廃物がたまり、痛みが出る
この結果が、肩こりが生じます。放置すると、痛みにすら慣れ、
こっていることを忘れてしまいます。
チームや組織が硬直化する原理も同じようなもの
1)特定の仕事を、同じやり方で続ける
2)期待が膨張し続ける
3)視野が収縮して、情報の流れが悪化する
4)個別最適化が始まり、歪が出る
成果が出た。という成功体験をベースに、特定の仕事に生産性を求めすぎると、周囲からの期待に答えるために、人は更にそのやり方にブラッシュアップを続けます。
結果、情報共有をサボり、「分かる人だけわかってくれれば良い」に、思考が向きます。このことで、視野が狭まり、情報の流れが悪化。個別最適化という最悪の流れが生み出され、キャッシュフローに歪が生み出される事になります。
そのうち、自分の求められる結果が出ているので、流れないのは隣の責任という責任転嫁が行われます。やがて、ボトルネックという言葉は悪口になり、改善の機会を失うのでした。
最後に残るのは、凝り固まった文化に慣れた人たち。
所謂、大企業病です。
企業にとっての血管
業務フローやキャッシュフローは、企業にとっての「血」とも呼べる、お金や情報を流す、血管の役割をしています。
大企業病は、あちこちに動脈硬化を起こしながらも、大量の「血」を流す事で、無理やり生命維持活動をしているのと等しく、投入する血が無くなると、突然活動停止に追い込まれるやっかいなものです。
パフォーミングのその後
チームや組織の成長段階を会話するとき、タックマンモデルを引き合いに出ます。
1.forming(形成・結成)
2.storming(混乱・激動)
3.norming(統一・規範形成)
4.performing(機能・成就)
だいたい、この4つまでしか語られない事が有るのですが、本来は5つ目があるの、ご存知でした?
5.adjourning(解散・散会)
この省略されやすいチームの解散。これこそ、肩こりを治す、一番重要なシーンです。
パフォーミング。でも、実はフォーミング
同じチーム、同じ人、同じ仕事で成果を出し続けると、先程の肩こりと同じ症状をチームに引き起こしやすくなります。
そのチームでは「パフォーミング」状態ですが、フロー上ではフォーミング状態で有ることが、個別最適化というものです。
リーダーの質に大きく依存しますが、チームの目標やビジョンが、フロー上もパフォーミング状態となるようなものであれば、免れます。
ただ、組織が大きくなるほど、この「フロー」というものは見えづらくなり、本当にフローが良くなる目標なのかどうか、リーダーでは判断しかねてしまうのです。
散らばる事で、全体最適化が進む
リーダー層が判断しかね、マネージメント層も細かく見きれない。
組織階層が深くなればなるほど、この傾向は顕著に現れます。
こうなると、いかに横の相互理解を多くするのが。か大切になるので、メンバーをある程度散開させ、色々な成功体験を持つ人同士を集め、多方面の業務を理解して仕事をしてもらうことで、フロー全体の最適解をメンバーに見つけていってもらう努力が必要になります。
上手く行っているチームや組織のメンバーをバラけさせる事は、非常に不安です。しかし、チームや組織の成果に囚われすぎず、企業の血を余すこと無く行き渡らす為に何をするか。それが本来チームや組織に課せられているミッションで有ることに気づければ、自ずと成果は出てくるものです。
何事も、止め時が肝心
個人的には、チームや組織からのExit Managementを考えているリーダーが、最高のリーダーだと思います。このチームで何を得て、何を持って旅立っていけるのか。それを明らかにすることで、
このチームに居ることの価値
を真剣に考えているからですね。メンバーが何をしたいか。によっては、ずっといて貰う人がいても良いでしょう。ただ、自分のチームが持つ価値に自信が持てるのであれば、メンバーのキャリアと照らし、他部署や他の会社にいつでも送り出せるように、チームや組織として、準備を進めていく必要があります。
他所から欲しがられる人材が育つ組織
最高だと思います。
あなたのチームや組織の肩はこっていませんか?
メンバーの入れ替えをいかにスムーズにするかは、あなたのチームを本当の意味でパフォーミング状態で保つ、一番の肝です。
時に、あなた自身の異動も視野に入れる必要があるでしょう。
必要なのは、血管をいかに太くするのか。以下にスムーズに血が流れるのか。を考える事。
組織全体のインプットもアウトプットも大切ですが、インプットを最大限活用し、アウトプットを最大量にできる状態を作りだすために、あなたができることは何か。を考える人たちだらけになったら、揉み返しも無く、スムーズにこりは解消するはずです。
急激な変化ではなく、地道に一歩一歩進む必要があるものですが、肩こりがなくなった爽快感を味わうために、がんばりましょう。
※TOP画は、フリー素材ぱくたそさんです。いい写真沢山ある。。。