【辛い麺メント】ツッパリ風酸菜魚に夜辣死苦
酸菜魚、ここ数年流行ってるよね。売ってる店がどんどん増えている。
数年前に台中で一回食べたことがある。好印象だったのでまた食べたいと思って、最近話題のになっているかいないかの個性強めの店にやってきた。
フロアにあがって、まず目にしたのはネオサイタマに居そうな魚を模したフードを被った与太者めいたキャラクターとステンシル書体で書かれた「唯我独尊」「辛辣」「激辛主張」「喧嘩上等」などの威圧的文字。なるほどそういうスタイルか。きわめてモラル意識が高い私はまず悪印象だ。
こちらが入口。マゼンタの縁に紺やピンクのLEDをちらつかせてサイバーパンクじみた演出。店の名前は築間酸菜魚といい、みなみの国の築間餐飲集團に属するブランドのひとつだ。
入店して入口に一番近い席に案内され、説明を受けて欠品のメニューが欠品していることがわかった。ますます悪印象だ。とりあえずQRコードをスキャンしてランチセットを注文した。にしてもBGMがうるさい。店に入ってから「俺は口を動かすだけで月収1000万。お前は社畜で最低賃金で残業しまくる」「俺はベイブとベンツに乗ってブンブンブーン、お前はメトロでおじさんと詰まってぎゅうぎゅうぎゅう」「俺はキャングスター、俺は超クール、お前の彼女が俺とファックする」的なラップソングが流れている。ずっと疑問に思ったけど、こんな音楽が好きな奴ってNTR願望のクソマゾなの?いやがラッパーこういった挑発なリリックで自己表現したり他人をDisたりしてもとして別に個人の主張として問題はないと思うけどね。しかし商品化して大衆に売るとすると話が変わってくるじゃん?「このラッパーかっけぇ!僕は彼女を彼に寝取ってもらいてぇ!」と思うクソマゾがいるだろうか?それともこういった歌は歌手の心情と同調して楽しむのが正解だろうか?だったら尚更楽しめる気がしない。私は遵法精神がメチャクチャに高いからよぉ。キャングスター気取りのなよなよ野郎を見るとよぉ、正義の鉄拳、振り下ろしたくなっちゃうんじゃんよお〜〜〜
話がそれた。ではクソ挑発ソングを耐えながら、店の内装を見ていこう。
向こうには例のネオサイタマの与太者が描かれている。
上にも、
茶碗にもいる!おい右のコマがきたねえなおい!食べ物が入っている状態に口を開くなって!テーブルマナーはどうなってんだ!?
絵だけのキャラクターにキレ散らかす私は過剰反応だと思うか?でもこれは店も悪いよ。マンガちっくなキャラクターとツッパリ系の強い言葉、そしてモラルの低いBGMで若さをアピールするコンセプトはさながら政治家のおっさんが若い層を籠絡したくてキャップとパーカーを被ってこれまで一度も関心を持たなかったブレイクダンス大会に出席するような浅はかで無理やり感があった。
はーっ腹が立つぜ。果たして公正な食レポができるか心配になってきたところで前菜がやってきた。
軟骨の唐揚げ。塩胡椒とニンニクをたっぷり効かせた味付け。油をよく切っており口触りが意外と軽い。これには素直に高評価。
メインディッシュ来た。やはり皿にも与太者のウザ顔が描かれている。スープは他の店より黄緑っぽく見える。
オプションでオーダーした豚バラ肉は一緒に入っている。
ランチセットはどうやら2人用だと想定されてるのでライスが2杯来るのが想定外だった。がんばる。
酸菜魚の発祥の地である重慶では主に草魚を使うが、みなみの国では雷魚がメイジャー。身が締まっていて鯛にも遜色ない歯応え。調味のおかげで相当集中して味わわないと淡水魚によくある芝っぽい臭いはほとんど感じない。スープは酸、辣、麻、塩味が備わって強烈かつ濃厚。辛さも相当ある。いつの間にか私は挑発BGMのことも気にしなくなり、汗を流しながらただひたすらスープから魚肉よ豚肉をサルベージして米と共に掻きこんでいた。しかしここの酸菜は好きなタイプではないので積極的食べない。
春雨も入っているのでこの記事は辛い麺メントとして成立する。
不本意ながら食事はここまでのようだ。今の私には重すぎるんだ、ご飯2杯は。最近は本当に食べられる量が減ってしまった。ビールだって1リットルで満腹になることが多々あった。内臓がどんどん雑魚になっていく。
築間酸菜魚、インテリアとBGMのセンスが悪趣味に極まりないがそれと相殺できるほど料理の質が出来ている。皆さんも機会があれば実際に訪ねてみてはいかがでしょうか。