読書メモ:なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?
予定どおりに終わる人いるの?答え、います。
もし仮に、今日するべきタスクがすべて決まっていて、一つずつのタスクに何分かかるのかが分かっていれば、何時間何分残業しないと今日の仕事が終わらないのかが分かります。え?やっぱり残業するのか。
今日やらないでいいことを明日に延ばせるなら、あるいは他の人に代わりにやってもらうという調整が可能なら、残業なしで帰れます。そうでなくても、予定どおりの残業だけで帰れます。簡単にいうと残業なしで帰れますね。
そういう意味で、仕事が予定どおりに終わるようにするための本です。
この本のポイントは、正確な見積をして完璧な計画を作る、というのとはまったく違うアプローチだということです。
完璧な計画を作る代わりに、予測と記録だけを必ずやる
計画をしない代わりに予測と記録をします。これについては一切妥協をしません。手をつけるタスクには必ず名前をつけて、何分かかるのかを予測してそれらを書き出します。実際に何分かかったのかも記録します。
こんな書き方をすると病的で細かくて不可能なように思えますが、外れない計画を立てることに比べればはるかに簡単です。なぜなら、予測が外れてもいいし、本当に厳密にやるのは「実際に今やっているタスク」と「記録上今やっているタスク」を一致させることだけです。
書いてないタスクに手をつけない。手をつけるなら、今やっているタスクを終了して、新しく手をつけるタスクの名前を書く。タスクの名前を書いたら、見積時間を適当でも良いので必ず書く。これは比較的難易度の低い手順です。
好きな時にタスクを開始して、開始する時にだいたいの見積時間を書いておけばいいのです。そして、常人には一度に一つのタスクしかできないのですから、あるタスクを開始した時刻はその直前のタスクの終了時刻です。何分かかったのかは自動的に計算で決まります。
適当でいいとはいえ、見積を繰り返しているうちに精度は上げられます。
いわゆるカーナビみたいな状態を作れます。
これをやるとどういう状態になるのか。
この本の中でもカーナビの例えで書いています。現在地と目的地を登録すれば、常に目的地に到着する予測時刻が表示されます。それでも束縛されている感じはしない。
カーナビに表示されるのは計画や命令ではなく「予測」です。ずれることはあるだろうけど、そうは言ってもそんなに大きく外れないだろう。そんな感覚で退勤時刻までのタスクの終了予測時間を常に見ることができるようになります。
終了予測時間を常に見られる状態にすることで自由を得られる、自分の時間を自分でコントロールしているという自由がそこにあります。
なぜ時間がなくなるのかについて、いろんな方向から解説している本。
この方法だと「優先順位」というものは考慮されません。この本でも、優先順位はあえて気にしないぐらいの感じで書いています。でも、ここまでできていれば優先順位を取り入れることも可能だと思います。
この本が面白いのは、こんな風に説明すると納得できそうなことがなぜ実行されないのかについて、とにかく細かく説明されているところだと思います。
「なぜか時間がなくなる」という現象についての説明と、その現象にどうやって対処するのかについてひたすら説明してくれる本です。この部分がものすごく興味深くて面白かったので、ここには書けません。
あと、「タスクシュート」という名前でシステム化されていたり、アプリも販売されています。全部試したわけではないので、そこらへんについては特に書きません。
ではまた明日。
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