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詩|「ポエトリー花電車」備忘録※画像多め

おはようございます、アクツです。雨の月曜日、皆さんおつかれさまです。今回は3月2日にあった「ポエトリー花電車」についてです。

主催は宮尾節子さん。〝pw連詩組〟のご縁でお世話になっています、通称「組長(蝶)」。連詩組のことも、いつか改めて書きたいな(記しておきたいのは、「組」とは言っていますが、何らかの思想や信条を共有している組織や団体ではないということ。出入り自由、上下関係もありませんし一枚岩ではありません。Twitterで知り合った詩の好きな友人たち。ただその「詩」の定義もそれぞれです)。

さて今回は、都電荒川線の車両をまるごと貸し切り(借り切り)にして、詩の朗読ライヴをしよう!という企画でした。楽しそうでしょう?細けえことはいいんだよ、とても楽しかったです。ゲストは文月悠光さん、村田活彦さん、吉原幸子さんのご子息・吉原純さん(あっ三木悠莉さんもゲストかと思ってた)。そのほかオープンマイクとして20名+飛び入り、という、量も密度も座席もみっちりな2時間でした。三ノ輪橋駅を出発、早稲田駅で折り返して三ノ輪橋へと戻る小さな旅でしたが、くるくる変わる詩と声と景色に、あっという間のようにも、ゆったりとした時のようにも感じました。

トップの村田さん、さすがでしたねー。沸かせつつ和ませつつ響かせつつ。畳みかけられる言葉たちが、水を掻く音のようでした。リフレインのたびに進んでいく感じ。……しかし、お一人ずつ紹介するのはちょっとむずかしいので、すごい主観で、印象に残ったことや考えたことを書いていきますね。

あっその前に、近年、個人的に気づいたことを。

わたしは詩の朗読もポエトリーリーディングも、聴くのがうまくありません。圧倒的に目から処理するタイプで、耳から入った情報をイメージに結ぶ回路が、ちょっとポンコツなんですね。遅いし、回りくどいんです。

耳から声が入りますよね。まず聞き取りがうまくない。何と言っているか、ちょっとがんばって聞きます。それが頭の中で一旦、文字になるんです。文字が見える。それを読むようにして景色や像が結ばれる。

hana、と聞こえる→「ハナ」を変換する→「花」の字が浮かぶ→植物の花をイメージする‥‥という感じです。だから聴いているんですけど、読んでいるんですね(こういう方、いらっしゃいますかね?)。

したがって、だいたいスピードが追いつかなくて「わからない」んです。だから「わからない」まま愉しめるリーディングが好きなんだと思います。何度も言ってるんですけど、田中庸介さんとか。

(きわめて「わかり」やすく書かれた詩をゆっくりはっきり読まれる場合、「わかる」のですが、わかるので、好きかどうかとかは、内容によります。)

そんなわたしでも今回、鼓膜にふれた詩行がダイレクトにイメージになってくれるケースがあって。驚きましたし、すごいなぁ!と思いました。それが文月悠光さんです。そんなに大きな声で読まれているわけでもないのに、とてもよく聴こえて。不思議な体験でした。

文月さんの朗読を聴きながら、つい目をつむっていました。普段目をつむるのは情報を減らして集中するためなんですが、このときは直にイメージが起きてくるので、ちゃんと見たかったんですね。ショートムービーを観ているようでした(詩<映画と言いたいのではないですよ、念のため)。

それと、もう一つ新鮮な体験がありました。三木悠莉さん。三木さんのリーディングは、目をつむれませんね。視線や指の動きや、少しだけ上がる口角や。細部の精度がすごく高くて繊細で、唸らされました。激しい表現ではないのにびりびりきた。パフォーマンスが先行しているというわけでも決してなくて、読まれた(より「語られた」と言うほうが合う)詩も、すごくよかったです。テキストでも読んでみたい。

宮尾さんのブルースもかっこよくてシブくて、おもしろかったです。ああ、詩人だぁといつも思う。もっと聴いていたかったな。西原真奈美さんもすてきでした。(上から目線みたいな言い方になってしまっていたらド不本意なんですが、)以前聴いたときよりレベルアップされているなぁと刺激を受けました。まーさんの芯の強さが読み方に出ていたし、詩もつよくなっていると思います。横山さんも強烈でしたね〜彼が読み始めると、どこでも舞台というか、劇場になりますね。新井さんはビジュアルの盛りがすご過ぎて、もはや詩が頭に入ってきませんでした笑。吉原純さんの朗読と吉原幸子の朗読の録音はふるえました、すごいもの聴いちゃった。

あとね、否定したり茶化したりしたいわけじゃ全然ないし、自分もそういうとこ、あるんですけど。春ですね〜「ポエトリー花電車」ですよ、都電で楽しみましょうねハッピー🎵みたいな企画でもね、喪失とか死とか介護とか、ズンとくる作品をぶっ込んでくるの、イカしてるなと思います。作品として未熟?だって、流暢に読めなくたって空気読んでなくたって、自作読みながら泣いちゃったっていいんだって思う。オープンマイクだしね。そうそう。詩はオープンマイクなんだ。

わたし個人のしゅみとしては、ダジャレとか漫談みたいな朗読って全然好きじゃないです。ディスりも、上手くてもだいたい好きじゃない。「詩に政治を持ち込むな」は違うけど、スローガンみたいな言葉遣いには抵抗がある。でも書くな、なくなれとは全く思わない(ヘイトやセクハラはNOだよ、ほろべ)。ただ、それぞれやっていこうなという感じ。 おのおの生きていこうな!っていう。

そんなばらばらの「詩人」たちが一両ぽっちの電車に缶詰めになって、同じ方向へ運ばれながら、2時間互いに読みまくるという今回の企画。なんかほんと、いいなと思いましたよ。

詩作には孤独がいる。そうですね、どんな作品づくりにもいると思いますよ。でも孤独じゃない人間なんかいないでしょ。束の間、酔っぱらってもいいじゃないですか。

また乗りたいです。宮尾さん、皆さん、本当にありがとうございました!

それでは、また次回。

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(おまけ)

☟朗読した詩のノーカット版です

☟朗読用に短縮した原稿です

☟高飛車な角度のわたしと、笑ってくれているまーさんです(写真は宮尾さんからいただきました、感謝!)


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亜久津歩|詩-短歌-俳句-&.
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