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詩|「若い人を入れるべき」について

「詩人とインターネット」の続きです、が、インターネットのことは出てきません。前の記事の「気をつけてほしいこと」について書きますね。あらかた余計なお世話ですが、つい「あなたがやってみたら」なんて言ってしまったので、お伝えしておきたくて。

「若い人が入ってくれてよかったね」

これは、わたしがあるところへ入ったとき、そこの代表が事あるごとにかけられていた言葉です。

そりゃ、そうです。「若い人を入れるべき」と思っている人は多いですから。だいたい歓迎されました。でも、それはなぜでしょう。若い感性(なにそれ)を持っているから? 仕事が速いから? 新しいツールに詳しそうだから? 組織が先細りするから? 人手が足りないから? 他に「若い人」がいないから?

「若い人」って、誰でしょう。

あなたは「若い人」ですか? わたしは亜久津歩という名の詩人です。こういうところが気にならない人もいると思います。奉仕の精神が豊かだとか、まず人脈を広げて作品を読んでもらおうとか、下積みは必要だ! とかね。でも、気にしてもよいと思う。それはあなたが引き受けるべき仕事ですか? それはあなたのやりたいことですか?

「一つ気をつけてほしいこと」。それは「若い人」の少ないところで「仕事を引き受けてくれる若い人」という立ち位置になってしまうリスクです。これは詩の界隈に限った話ではないですね、本当に。

わかる人にはわかりが過ぎる話だと思いますが、事務作業にせよ雑用にせよ、引き受けてくれる人のところにどんどん集まってしまう、しかもだんだん当たり前のようになっていく、というのはよくあることです。それが「若い人」なら、なおさら。若い人は元気だから、私たちが若い頃も大変だったから……。そうですね、そうでしょう、でもね、大きく違うことがあるんです。

ざっくり言うと今の若い人はね、おかねがないんですよ。たくさん働いていて時間や体力もぎりぎり、という人も少なくありません。タダ働きしている余裕がないんです。いや、ある人もいるのかな。もし、いっぱいいらっしゃるならごめんなさいね。ほぼ会ったこと、ないんですけど。

若い人を入れよう、若い人に何か頼もう。そう本気で考えるなら。少なくとも、できるだけしっかりと報酬を出してあげてほしい。それから本来もっとも大切な「作品をつくる」時間や体力の、じゃまにならないようにしてほしいです。

そして、「若い人」には気をつけてほしい。このへん悪人だらけだよ〜! なんて言いたいのではありません(変わってるなぁ…という人は多い)(悪意さえない)。ただ、あまりにも文化が、常識が、おかねの感覚が、違うこともあるので。それっておかしいんじゃないの、と感じたら、ムリをしないでほしいし、声をあげていきましょう。

先日、個人情報の取り扱いについて話題になりましたが、こうして「おかしいんじゃないの」と問題提起されるのはよいことだと思います。いきなりケンカ腰になるのではなく、前向きに建設的に、変えていけるならいいですよね(変わらないなら、代謝を待つしかないのかなぁ)。

わたしは今あらふぉーなので「若い人」ってほど若くないんですが、たとえば日本現代詩人会で考えるとすごく若手ですね。ピヨピヨです(しかも幽霊会員)。タダ働きは極力避けつつ、できることをしていきたいと思っています。みんな詩が好き、それはたぶん、間違いないから。

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#詩 #詩人

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〔追記〕
ちょっと気になるご感想を読んだので、追記しますね。「報酬がないとやらない/やるな」と言いたいわけではありませんよ。それと、必ずしも報酬は現金じゃないとダメだ!とも言っていません。有志で続けている作業はわたしにもありますし。

自分なりの意味や価値を見出せるなら、よいですよね。それ自体が報酬という捉え方もあるでしょうし、楽しんでいるならやめなときよ〜なんて言う筋合いもありません。いい経験だ、やり甲斐を感じる、勉強になるなあ、確かに。でもそれは自分で判断することであって、他人に決められることではないですよね。「若くない人」が「若い人」に言うのは、さらによくない。

好意を頼りに、無償を前提に運営するのは不健全です。会費を集めている組織や法人なら特に。「若い人を入れるべき」「入ってくれない」「やめてしまう」などは、ここを整理してから言ってほしいなと、わたしは思っています。


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亜久津歩|詩-短歌-俳句-&.
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