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【雑日記】第六感のジレンマ

雑記みたいな日記。雑日記。
好きに書くので好きに読んでください。


雑日記第一弾を書くときに、小学生時代を振り返ったのですが、



今回は、そのときに思い出した話です。




第六感を覚えたことが一度だけあります。


小学五年生のとき。
その日、五時間目の体育の授業でスポーツテストのソフトボール投げをすることになっていたのですが、私は腹痛が酷く、見学することにしました。
見学している間にお手洗いに行き、なんとか腹痛が治ったので、そのまま六時間目の授業を受けて家に帰りました。

私が放課後にすることといえば、ゲームかサッカーがほとんどだったのですが、その日はなんとなくサッカーの気分だったので、スパイクやボールを準備し始めました。
そのとき、何かとてつもない"嫌な予感"がしたのです。別にもうお腹の痛みはないし、気分悪いわけでもない。でも、体の内側の、言葉では表現することができないどこかに、痛みでも痒みでもない不思議な違和感が、確かに"嫌な予感"として存在したのです。

しかし、具体的な根拠があったわけでもないので、私は結局その"嫌な予感"を無視して学校に行き、運動場でサッカーをしました。大抵、誰かが先に来ているのに、その日は最後まで一人でした。でも、特に体調が悪くなることもなく、怪我もしませんでした。


翌日、社会の教科書を忘れてしまった私は、担任の先生に忘れたことを報告しに行きました。その時に、みんなの前でものすごく説教をされたのです。

「嫌いなこととか苦手なことはせんで、好きなことばっかりやったらええと思っとるやろが!」

その流れで先生が話したのは前日のソフトボール投げの見学と、放課後のサッカーでした。嫌いなソフトボール投げは腹が痛いとか言って見学しておいて、放課後になったら平気で好きなことしてたの、職員室から見てたぞ、と言われたのです。

初めは「そんなつもりじゃない」「ただお腹が痛くなっただけ、ただ治ったからサッカーしただけ、ただたまたま社会の教科書を忘れただけ」と本心で思いながらモヤモヤしていたのですが、ふと前日の違和感を思い出しました。

あの"嫌な予感"は、この先生の説教を予期していたのかもしれない。サッカーをしに学校に行くと先生に見つかって怒られる、という危機察知だったのかもしれない。

怒られるなんて、夢にも思わなかった。教科書を忘れるのが悪いことなのはまだ分かるけど、ソフトボール投げを休んだのは仮病ではなかったし、嫌いな科目の教科書だけ忘れたのもわざとではなかった。だから、夢にも思わなかった。それなのに、"嫌な予感"がした。これはまさに、第六感なのではないか。




結局、それから約十五年もの間、一度も"嫌な予感"はやってきていません。







もし、何気なく家を出ようとしたときに"嫌な予感"がしたら。

何か大変なことが起きてしまうかもしれない。それは、先生の説教とは比べ物にならないことかもしれない。自分の脳の奥底でしか感じ取れない事故や事件の匂いが"嫌な予感"として警鐘を鳴らしているのかもしれない。自分の身を守らなければならない。家を出てはいけない。




でも、そこで家を出なければ、その"嫌な予感"が第六感なのかどうかを確認することすらできないかもしれない。




あれ……ということは結局……







"嫌な予感"がする。

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