教育研修レポート【Most Likely To Succeed】上映会&日本初イエナプランスクール見学
2019年7月14日~15日にかけて、長野県の池田町と佐久穂町に行ってきました。
目的は、今年度中に当財団で開催予定の映画「Most Likely To Succeed」を鑑賞すること、そして、日本初のイエナプラン小学校である大日向小学校の見学でした。
1日目は、「Most Likely To Succeed」上映会&座談会に参加してきました。
第1部:「Most Likely To Succeed」上映会
この映画は、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマについて、米国のカリフォルニア州にある High Tech High というチャータースクールに通う二人の高校1年生の成長を追いかけながら、教育を取り囲む様々な視点について考えさせられる作品です。映画の中では、日本と同様な受験偏重型教育と、生きる力を身につける実践的な教育のバランスをどう考えるかなど、国は違えど教育現場では似た状況も多いことが描かれています。親や教育者の不安や悩みに触れ、有識者の意見や子供の変容を受け止めて、我々の置かれた環境を今後どのように変革していくべきかという事を、我々一人一人が自分ごととして考え、その場に集まる仲間と意見交換するという目的で開催する自主上映会にはとても適した映画だと感じました。
第2部:座談会【 こども一人ひとりの”主体的で対話的な深い学び”が見える学校教育とは】登壇されたのは、中川綾氏(学校法人茂来学園大日向小学校代表理事)と池田町教育長竹内氏
以下、中川綾氏より
「~イエナプランに関して~
・宿題がないのは、学校でできることは学校で。家でしかできないことを家でしてほしいという考え。
・自分で自分の学びを深める「ワールドオリエンテーション」が特徴。
・イエナプランは方法ではなく、コンセプト。立ち戻れるもの。方法ではないので解釈が人によって違う。保護者と学校との対話が必要である。
・インクルーシブ・・・子供は本当に多様で、それを大切にするというのは本当に難しい。
・文科省や教育委員会の方が大日向小学校へ視察にきて皆さんおっしゃることは、「これが子どもの本来の姿ですね」「表情が豊かだ」と。」
池田町教育長竹内氏より
「素晴らしい公立学校もある。素晴らしい先生も沢山いる。この会は決して従来の学校教育を全否定する会ではないし、短絡的に、「では全く新しいモデルの学校をつくろう」という会でもない。自分たちの足元の自分たちの学校をどうしていくか。より良い教育環境を目指していきたい。」
2日目は、友人に案内してもらい大日向小学校を校外から見学させてもらいました。
・廃校舎をリノベーションして利用している。
・職員室にも扉や窓はない。フラットに入室可能。隣に6畳ほどの先生だけの作業部屋があった。
・「大日向食堂」が敷地内に併設されており、毎日地域の誰でも給食を食べに来てよい。生徒も一緒に食堂で食べる。自分が食べたいものを食べたいだけよそう形式。
参考記事1、 2019年9月8日付け中日新聞【<学びの未来>イエナプラン研修の現場から(上)】より
https://www.chunichi.co.jp/article/feature/kyouiku/list/CK2019090802000002.html
参考記事2、 2019年7月12日付毎日新聞【 [名古屋市 小中学校授業、学年の枠や時間割廃止研究 来年度予算に1億円] 】より
https://mainichi.jp/articles/20190213/ddq/041/010/007000c
参考記事3、 2019年9月4日付け朝日新聞「GLOBE」 [変われ!学校 オランダで注目「イエナプラン教育」日本にも出てきた導入校] より
https://globe.asahi.com/article/12678318
参考記事4、 Future Edu Tokyo【オランダで普及している「イエナプラン」教育から学ぶ、21世紀にふさわしい全人教育の形】より
http://www.futureedu.tokyo/education-news-blog/2017/7/18/21/jenaplan-seminar-report
上映会&座談会を企画されたのは、池田町のママさんたち。自分のまちの教育を良くしたい!と行動されてる方々でした。私たちも少しずつできることから始めようと思います。(飯貝真美子)