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声劇というカルチャーがあるんじゃよ。

新世紀の音楽たちへ 第7回「インターネットが拡張する声の劇空間」 #kai_you http://kai-you.net/article/34372

超必死に書いたのだけれど、もう少し広告をかねてちょっとだけ「声劇」について書いてみようかなと思った次第。もしよかったらTwitterとかFBとかブクマとかで拡散してね(ダイレクトマーケティング)

声劇(こえげき・せいげき)というのは音声のみを使った劇のことで、ラジオドラマとかドラマCDとかオーディオドラマとかサウンドドラマとかいうのと基本的には同じ物だ。ただラジオドラマなんかとは違う二つの特徴がある。

①インターネットで即興的に配信されること。

②アマチュアが楽しみで(あるいはセミプロが訓練で)やること。

僕が声劇を知ったのはニコニコ生放送の「声劇」タグで、その頃僕はニコ生の出会い系放送をにやにや為ながら見るのが趣味のゴミ人間だった(いまであまり変ってない気がするけど)。その時にいろんなタグや放送名が流れていくなかで、立て続けに「声劇」のタグが流れてきて見た次第。

それまでも同人ドラマCDなんかは好きでよく買っていたから、普通に楽しみで聞いたら、そのクオリティの低さ・・・・・・というよりも、演じている人の楽しそうさにちょっと驚いた記憶がある。僕はそのころよく演劇を見ていて、その演劇公演では「自分たちが楽しむこと」よりも「観客を楽しませること」が当然のように重視されていた。それはまあお金とかも払ってるしそうだろうけれど、じゃあ何が「自分たちよりも観客を」重視する切っ掛けになるんだろうってことはずっと考えていたこともある。

それで、声劇というのが友達同士でふらっとやるものだとか、Twitterで募集をかけて知り合いとやるものだ、とか、声劇の脚本が沢山置いてあるサイトがあることだとかを知っていった。面白いのはラジオドラマやドラマCDなんかではかなりの力量を見せてくれる声優さんでも、即興となるとかなり微妙な出来になってしまうことがあることだ。それはつまりドラマCDなりラジオドラマなりアニメーションなりのスタティックな完成品になる前の段階では、こうしたいろんな試行錯誤があるんだなっていうことを伺わせてくれる。ちょっと楽屋裏をのぞくような面白さが声劇にはある。

ところで、こうした声劇カルチャー、あるいは同人音楽もある意味そうなのだけれど、すさまじく巨大なパイがある。毎年声優学校を何千人も卒業するのだけれど、その卒業生たちがパン焼いたり料理作ったり日々のたつきを得ながら芝居をするのに声劇というプラットフォームはかなり有用なものらしくて、八時ぐらいから「声劇やりませんか?」とTwitterなんかでいろんあ人たちがぼそぼそと言い始める。で、脚本をどれや廊下って相談して、放送開始。だいたい10分から20分ぐらいショートストーリーが多いみたい。

こういう声劇の系譜に繋がるものは結構多い。舞台演劇にも即興劇があるし、ゲームには「しばいみち」という声劇のソフトがあった。いまは少なくなったけれど、一時期はスマホゲーのプロモーションでボイスドラマを作ることは珍しくなかった。

僕はこうした「声劇」はラジオドラマとは異なる系譜をもつものだと考えている。なぜかというと・・・・・・。これは連載の続きで書こうかな。

で、この声劇の歴史を掘り出そうと思うとこれがもう信じられないぐらい難しい。というか、ほとんど分からない。結局分かるのは断片的な情報をつなぎ合わせることで、どうやらyahoo!チャットとか、Skypeとか、ネットボイスサービスの興隆と軌をいつにしているらしいぞ、ということだけだった。

具体的にどんな芝居や会話が交わされ、どんな祈りや喜びがそこにあったのか。それは結局分からずじまいでした。

インタビューとかもしたりしたんですけどね。

で、その中でも特にkoebuの閉鎖はかなりの影響がありました。koebuには2007、8年に遡るボイスドラマ企画などが残っていたのですが、閉鎖されてしまったんでもうどうしようもありません。

なのですが、いまでもツイキャス、ニコ生、youtube live!等いろいろなボイスサービスで声劇が繰り広げられているわけです。で、こういうのを見る度にしみじみ「インターネットの歴史」を描くことの難しさを痛感するわけです。

(次回に続く)



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