東欧と赤福と「薄いつながり」
先週のラジオ『安住紳一郎の日曜天国』を聴いていたら、こういうご時世ということもあって、20年来のウクライナ人の友人がいる女性リスナーからのメールが、冒頭から読まれていました。
不穏な情勢になった先々週に、女性はその友人に久しぶりに連絡。安否を確認した後、彼女が日本語をまだ勉強していることがわかり、週に一度ズームで日本語レッスンをすることになったそうです。
何かいい教材はないかということで、女性が紹介したのが『日曜天国』の公式Youtube。そこで「赤福でズルした話(取り分ける時に、隣の餡まで少し取る)」を聞いたその友人に、赤福とは何かを説明するのに苦労したエピソードが紹介されていました。
学生時代には、松尾芭蕉の「奥の細道」を研究したいと思っていたというウクライナ人の彼女。赤福にも興味を持ったようで、来日した際には伊勢に赤福を食べに行こうと語り合ったということでした。
続いても36歳の女性からのお便りが紹介されました。彼女自体はウクライナとの縁があるわけではありませんが、中学時代にいじめられた経験があることから、自由を奪われること、居場所を奪われることが許せないと、憤っている内容でした。
ここで引用されていたのが、番組でも過去に何度か取り上げられていた「薄い繋がり」の重要性。安住さんも「知人の知人」ぐらいの関係性が意外と役に立つ、肉親でなくても心を寄せることができると語っていました。
お便りは「世界中で聴けるラジオなら、もしかしたらウクライナの方も聴いていらっしゃるかも知れません。どうかご無事でいて下さい。stand with ukraine 心は側にいます」と締められていました。
遠い東欧の空の下、「奥の細道」と赤福を待ち望むウクライナ人がいると知るだけで、「薄いつながり」を感じた放送でした(#StandWithUkraine)。余談ながら、昭和の大横綱・大鵬の父親もウクライナ人。意外な日本との繋がりがあるものですね。
全共闘のスローガンともいえる「連帯を求めて、孤立を恐れず」とは、直接的な支援を得られない今のウクライナのよう。「薄いつながり」を、SNSをはじめとしたネットがつなげることが可能となった時代。世界の心ある人々が「連帯」できることは救いではあります。
蛇足:3月4日の『あさイチ』に、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』に出演中で、五十嵐役の本郷奏多さんが登場。今日の放送で「寂しいだろ…バカ」と、ひなた(川栄李奈さん)にデレた五十嵐だけに、絶妙なタイミング。無事放送がありますように(災害やミサイル関連で放送が飛ぶことあり)。