ドラマ日記『どうする家康』(25話)&『日曜の夜ぐらいは…』(最終回)
今川家の人質としてひっそり生涯を終えると思っていた元康(後の徳川家康=松本潤さん)が、個性派だらけの家臣団の助けを借りながら、乱世に飛び込んでいく、スピード感あふれる波乱万丈のエンターテイメント『どうする家康』の第25話「はるかに遠い夢」。
武田四郎勝頼(眞栄田郷敦さん)の手で暴かれた瀬名(有村架純さん)と松平信康(細田佳央太さん)の“慈愛の国”計画。それはやがて、織田信長(岡田准一さん)の知るところとなる。
信長から、自分で処分を決めるよう言われた家康。欺いて二人を逃がす計画を実行しますが、すべての罪を被って国を守る覚悟を決めていた瀬名と信康は自害。なかなか感傷的に描かれていました。
これまで悪女とされてきた築山殿(瀬名)を有村架純さんが演じると発表された時は、ずいぶんイメージが違うなと思いましたが、通説とは逆張りの新解釈だったというわけですね。まあ、賛否があるのは仕方なし。
母と二人暮らしの岸田サチ(清野菜名さん)、タクシー運転手の野田翔子(岸井ゆきのさん)、祖母と二人暮らしの孫娘・樋口若葉(生見愛瑠さん)の3人が運命的に出会い、友情を育むことから始まる、笑いあり、恋愛要素ありの、セリフ量多めの会話劇『日曜の夜ぐらいは…』の最終回。
「サンデイズ」のオープンが迫った夜。サチたちの胸には、さまざまな思いが去来する。サチは翔子、若葉とコンビニの高級アイスを食べながら、今の自分に高いアイスを食べる資格があるのだろうか?と、ふと考える。
ドラマ批評で時々使われる「ご都合主義」。朝ドラ『ちむどんどん』では頻繁に見ましたが(笑)。主人公がトントン拍子にいい方向に向かったり、トラブルが起こっても速攻で解決したり、「いくらなんでも都合がよすぎる」展開、という一般的にはマイナスイメージですね。
本作も序盤から宝くじ3000万円が当たり、3人で山分けというありえなさから、「ご都合主義」という言葉も散見しましたが、恐らくこれは「ファンタジー」と言い換えられる、いい意味での「ご都合主義」作品となりました。
所詮フィクションなんですから、「日曜の夜ぐらい」は多幸感溢れるドラマがあってもいいじゃないですか。最終回、店は大成功、毒親たちも少し改心。スタンガンの伏線も回収し、めでたしめでたし。
余談:昨日のTBSラジオ『こねくと』では、ドラマ評論家の成馬零一さんを招いて、「フジテレビの月9」の歴史について語っていました。「フジテレビヤングシナリオ大賞」が果たした役割についての指摘はさすが(放送開始1時間あたりから)。