新ドラマ『結婚できないにはワケがある。』&ドラマ日記『エアガール』
“おたく評論家”として一世を風靡した宅八郎さんが昨年亡くなりました。長髪に銀縁眼鏡、マジックハンドと「森高千里フィギュア」を持った独特のキャラクターで、当時の世間が考えるオタク像を演じていたのでしょう。
男女年齢を問わず、人形やフィギュアが好きな人はいますが、一口に人形好きといっても、その世界は多種多様で、愛好者の嗜好もさまざま。一部には、心のない人形を、異性のそれに対するように愛する人たちもいます。
有名なところでは、江戸川乱歩の小説『人でなしの恋』(1926年)。夫の浮気を疑った妻が、密会場所と思って蔵に入ると、そこには人形だけが…というお話。1995年には羽田美智子さんと阿部寛さんの共演で映画化。2018年には、満島ひかりさん&高良健吾さん版のドラマも制作されました。
そんな人形愛ドラマ『結婚できないにはワケがある。』が、2021年4月18日からスタート。原作は邑咲奇さんの同名マンガで、『西荻窪 三ツ星洋酒堂』のモラルさんと『ボーダレス』の桑島憲司さんが脚本を担当。主演は速水もこみちさんで、ヒロインに若月佑美さん。
30歳までに結婚を夢見る後藤まりこ(若月さん)は、理想の男性・富澤課長(速水さん)と恋に落ちる。しかし、富澤には、「みちゅこ」(人形)を愛しているという秘密があった…不思議な三角関係によるラブストーリー。
続いては、先日放送されたSPドラマ『エアガール』。うっかり見逃していたのですが、信頼するドラマ評論家の一人・碓井広義さんが結構褒めていたので、Tverで遅ればせながら見ました(まだ視聴可能)。
戦争で家族を失った小鞠(広瀬すずさん)は、料亭を営む叔母(松雪泰子さん)の手伝いに明け暮れていた。ある日、料亭で出会った三島(坂口健太郎さん)から、戦後初の日本航空会社“日本民間航空”でエアガールを募集していると聞き、応募を決める。
『スチュワーデス物語』や『アテンションプリーズ』的なお仕事要素だけでなく、『負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~』的なGHQとの交渉と『LEADERS リーダーズ』的な企業創業の悪戦苦闘も描かれるなど、意外にも重厚。2時間で上手くまとまってるものの、連ドラにして欲しかった。
広瀬さんのドラマはリモートワーク制作の『Living』(2020年)以来。一人二役で、坂口さんとの淡い恋模様含めて、なかなかのはまり役を好演。櫻井翔さんとW主演の春ドラマ『ネメシス』も控えますが、その前に『桶狭間』(26日放送)も。『俺の家の話』最終回と被ってますけどね…。