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オーバーブッキングと「魔性の館内放送」

オリラジの中田敦彦さんが、自身のYouTubeチャンネルでTBSの安住紳一郎アナの凄さを語っていました。「テレビでも完璧なプレーが出来るんですけど、力の20%も出してない。逆にラジオの『安住紳一郎の日曜天国』という、自分の表現というフィールドでは“暴君”」と。上手いこといいますね。

『日曜天国』は2005年スタートした関東ローカルの2時間トークバラエティ番組。今年の1月には番組Youtubeも開設されたので、radiko有料会員以外の非関東の方も楽しめるようになりました。

メインは安住さんで、アシスタントは中澤有美子アナ。ゲストコーナーも、安住さんの「聞き出し力」が発揮され毎回楽しいですし、リスナーの手紙に安住さんや中澤さんが泣いてしまう感動回も。

そしてなんと言っても、安住さんが興味を持つ分野への博識やエピソードを面白おかしく話す時は独壇場。Youtubeでは「傑作選」として過去の放送を聴くことも可能です。

そのひとつが「魔性の館内放送」。これは航空会社がオーバーブッキングをした際の解決方法の一つとしての賠償金(協力金)を巡る、乗客たちの狂騒曲に関するものです。

航空会社は日本に限らず世界中で、基本キャンセル客を見込んでオーバーブックするのが普通だそうで、限りなく100%に近づけるのが腕の見せ所。オーバーブックを処理する方法もいくつかあるようですが、その最終手段ともいえるのが賠償金。

搭乗口付近で「どなたかご協力していただけるお客様はいらっしゃいませんか?」とその便の飛行機を降りる人を募る。それだけだと、みな我関せずの態度らしいのですが、「協力していただいた方には〇〇マイルか、現金1万円を差し上げます」と言った途端、みな目の色が変わるそうです。

当日の振替便があるかないかなど、いくつかのパターンがあるようですが、案外応じる人がいるようで、5名募集に対して、25名ほど集まるとか。このパターンごとに、ライバルを出し抜いて募集枠に入る方法を、安住さんがしゃべるしゃべる(笑)。見事に練られた構成と、巧みな話術。

何より、そんなオーバーブックを巡る乗客たちの姿を、柱の陰から観察してほくそ笑んでいる安住さんが最高。テレビの安住さんはビジネス用の仮の姿。本当の安住氏はたぶんラジオの方。





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