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第9回 おとんぼの滝、それは悲しい言い伝え

こんにちは、阿久根市地域おこし協力隊のチャーリーこと濱田です。
今回は阿久根のむかし話として言い伝えのある弓木野の【おとんぼの滝】をご紹介します。おとんぼ、気になるネーミングですよね。とりあえずトンボは関係ありません。

弓木野の農道から山道に入っていくとおとんぼの滝があります。
川の流れる音が聞こえ、木々に囲まれ自然を感じられる場所。
そこには一つの石像が立っています。

幼な子を背負う老婆の石像
おとんぼの滝の由来

おとんぼの滝
近くに住むおばあさんが、かわいい孫の手を引いて近くまでやって来た時、滝の上にあるムベを孫にせがまれ採ろうとして足を落として死んでしまった。
村人達は深く哀れみ、この滝を「おとんぼの滝」(「んぼ」とは、ばあさんのこと)と呼ぶようになったと言う。
                           阿久根市教育委員会


滝の上流部分
細く流れ落ちるおとんぼの滝

なんと悲しい由来。
おと婆さんのことをおとんぼと呼んで名付けられたんですね。
最近の私の愛読書になりつつある「阿久根むかしばなし」にもより詳しく書いてあったので一部省略&要約してご紹介します。

「晩秋の雲一つない晴れた日、おとばあさんと可愛い盛りの孫が弓木野川のほとりで遊んでいたそうな。好奇心旺盛な孫は「あれ取って」とせがむもので、おとばあさんも孫をおんぶしながらどんどん川の上流へ歩いてしまっていた。すると山奥から「どぼん、どぼん」と音がする。
なんの音かと草を分け、倒木をふみこえて歩みを進めるとそこには美しい滝が。
青々とよどんで誰かを呼んでいるかのような滝壺に見とれていると背中の孫が「ああ、ああ」と指をさした先に見事に熟れたうべ(ムベ)の一房。それは滝の上に垂れかかった枝先についています。無理やりせがむ孫のためおんぶしていた孫を降ろし、うべを採ろうと手をのばしあと一息というところで足をすべらし真っ逆さまに滝壺の底深くへ沈んでしまった…
このことからおとんぼの滝と呼ばれ、どぼんどぼんという音を聞くとおとんぼが呼んでいるような気がすると土地の人は話している。」

割と詳しく書いてあるのは昔話として脚色されているということでしょうか。それとも第三者がいたのか?おとばあさんがいなくなって孫は一人で家に帰れたのか?色々気になる部分はあれど悲しいお話しのおとんぼの滝ですが、訪れたこの日は天気も良く滝の音と山の自然で爽やかな気分で癒されました。

☝️詳細地図はこちら
訪れる際は、滝付近は岩がゴツゴツして足場は悪く危険ですのでご注意ください。かわいい孫のおねだりなど無視して身の安全を第一にどうぞ🦺
次回は【鍋石】をフシギ発見🕵️

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