バーチャルジャニーズの革命 - 勃興するVRライブ市場とエンタメの未来

こんにちは!KMNZなどのVTuberをプロデュースしている会社「Ficty」共同創業者・プロデューサーのninoといいます。

今週デビューを果たして話題となっている「バーチャルジャニーズ」。この「バーチャルアイドル」が今後どのような展開を見せるのか、VTuber業界側にいる人間として考察してみたいと思います。

VR/VTuberファンのみならず、あまりそういう方面に馴染みがなかったジャニーズファンの方にも、今回の「バーチャルアイドル」の大きな可能性を知っていただけたら幸いです。
(少し長文なのでお時間ある時にゆっくり読んでいただけたら幸いです。)

バーチャルジャニーズとは

2019/02/19に初お披露目となったバーチャルジャニーズプロジェクト。人気グループ「なにわ男子」の藤原丈一郎さんと大橋和也さんがジャニーズ事務所初のバーチャルアイドル「海堂飛鳥(かいどうあすか)」、「苺谷星空(いちごやかなた)」となり、SHOWROOM等で配信を行うことが発表されました。

発表当日、Twitterを中心にネットは一日中この話題で持ち切り。様々な関連ワードがトレンド入りするというお祭り騒ぎに。

ただ、わざわざリアルで十分素敵なジャニーズのメンバーをバーチャル化する必要はあるのか?と疑問に思うファンが多く、この取組に対して賛否両論のコメントが寄せられました。

大成功となったバーチャルアイドル初配信

しかし、発表直後からプロジェクトは大きな話題となったため、公式Twitterは初日で40,000以上のフォロワーを獲得。

そして、21:30から開始となった海堂飛鳥のSHOWROOM初配信。あまりの人気からコメントが読み込めなくなるなどのサーバートラブルもありつつ、大きな事故はなく、最後には95,000人以上の視聴数を叩き出し、大盛況のうちに終了となりました。


配信中も配信終了後も、

「かわいい!」
「声そのまんまやん!」
「でもやっぱり好き!」
「結局自担がやる限り推さざるを得ない!」
「思ったよりも楽しいかも。毎日きます!」

等、多くの好意的な感想がツイッターに溢れました。

心配や懸念される声も多かったですが、配信後のファンの方々の感想を見ると大成功のスタートを切ったと言えるでしょう。

バーチャルアイドルによる「VRライブ」の可能性

さて、わざわざリアルで実績があるアイドルをバーチャル化する理由は何でしょうか。それは、バーチャル化することにより、VRライブ、VRイベント、VRドラマなど様々なことができるようになるからです。

そして、その中で最も大きな可能性を秘めてるのが「VRライブ」です。

VRライブとはVR上でつくられたステージ/ライブハウスで実施されるライブのこと。チケットを購入し、部屋のVR機材からアクセスすれば、自分の部屋からそのVRステージへすぐに行けちゃうわけです。

これまで話題となったVRライブは人気バーチャルYouTuberの輝夜月の「ルナライブ」や、KMNZ(ケモノズ)の「KMNZ VR LIVE」があります。

ここで先日行われたばかりのKMNZ VR LIVEの感想を見てみましょう。



KMNZのVRライブで寄せられた感想をまとめると以下になるでしょうか。

1. 実在感: VRなのにアーティストがたしかにそこにいる強い感覚
2. 密着感: バーチャルならでは。アーティストとの限りなく近い距離感
3. エモ感: リアルのライブと同じように心揺さぶられるエモさ

一度でもVRライブを見た人ならわかるのですが、その感動・クオリティは本当にリアルのライブと同じだということ。

そして何よりもこの密着感。もしあなたの推しのアイドルを上の写真と同じような近い距離感で見ることができたらどうでしょうか。

これに加えてVRライブのメリットはまだあります。

1. 場所を問わない
ライブのために遠征しなくても良い。家からライブに行ける。

2. 安全なライブ体験
怪我や盗難などライブ中の事故がない。

もちろん遠征するのが楽しいんだよ!という声もあるでしょうし、怪我しても他のお客さんの熱狂が感じられるからいい(?)という声もあるかもしれません。

自分は何も、世の中全部バーチャルだけにすればいい!とは思ってません。リアルもバーチャルも併存すればいいじゃないかと。シンプルに、リアルライブだけでなくて、VRライブもある、そう考えるともっと楽しくなるんじゃないかと思うんです。

いろんな方法で、推しと一緒に過ごせる時間が増えるのであれば、そのほうが幸せじゃないでしょうか。そう考えるとバーチャル化も悪くないんじゃないかなと。

「VRライブ」はライブ業界の課題を解決する

VRライブについて、ファン目線だけでなく、アイドル目線、つまり、ビジネスサイドの目線でも考えてみましょう。昨今の音楽市場規模をみるとライブエンタメ市場が占める売上の大きさは業界としても全く無視できないものとなっています。

しかし、現在このライブエンタテイメント市場において、大きな課題となってきているのが「会場不足問題」そして「設営アルバイト不足問題」です。

 特に2020年は東京オリンピックの開催が重なることでライブステージ収益の大半を占めるホール・アリーナの使用が難しくなってきます。そこで大きな期待をかけられているのがVRライブです。

輝夜月、KMNZのVRライブを実施したVRライブプラットフォーム「cluster」では、VRライブ空間に5,000人ものオーディエンスを収容できるとのことです。この規模のVRライブを開催できるのであれば、先の会場不足問題解決の大きな助けとなることでしょう。

また、5,000人のリアルライブを行うためには設営に大変なスタッフが必要となりますが、VRライブであれば設営(?)に関わる人間はライブステージの3Dモデリングに関わる人達となるので、大幅に減らすことが可能。設営アルバイト不足問題を解消してくれます。

バーチャル化を取り入れVRライブをどんどん実施することで、ライブエンタメ市場をより拡げていくことが可能となるでしょう。

まとめ 

このnoteを読んで、VR/VTuberに馴染みのない、純粋なジャニーズファンの方々にこそバーチャルアイドルやVRライブの魅力を感じてもらえたら嬉しいです。

「なるほど、推しがやるVRライブなら見に行きたいかも」
「VRなら推しを近くで見れるのか!最高!」
「推しのライブにもっと参加できるならVRについて調べてみようかな。」

今回バーチャルジャニーズプロジェクトを推進していると噂されてるタッキーさん。これは個人的な憶測ですが、彼が今回の取り組みで目指しているのは、

リアルでも、バーチャルでも
ファンとアイドルがよりつながっていく世界

をつくろうとしてるのかなと。もしそうなのであれば、それはすごく魅力的な世界だなーって、自分は思います!

長文となってしまいましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

今回のnote、面白く感じていただけたら、バーチャルアイドルやVRライブのことについてよくつぶやいているので!ぜひTwitterフォローいただけると嬉しいです。

これからも海堂飛鳥くん、苺谷星空くん、そしてなにより、なにわ男子の成功と発展を願って!

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