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第128講 ヴェルサイユ体制


128-1 パリ講和会議と民族運動


パリ講和会議

 1919年1月から1パリ講和会議が開かれた。

 会議には、敗戦国とロシアは招かれず、戦勝国のうち米、英、仏、伊、日の五ヶ国が会議を主導した。

 会議は、米大領領2ウィルソンが前年発表した十四ヶ条を基礎としたが、理想主義的な内容はヨーロッパの伝統的な勢力均衡(Balance of power)の外交原則と相容れず、英首相3ロイド=ジョージや仏首相4クレマンソーとウィルソンは度々対立した。

 イタリア首相オルランドは、1915年のロンドン秘密条約にもとづき未回収のイタリアの割譲を要求した。

 日本はアジアの問題に関心をもち、山東省のドイツ権益の継承を求めた。


諸地域の民族運動

 ウィルソンが十四カ条の中でかかげた5民族自決の理念は、アジアやアフリカの諸民族に自治権獲得や独立の希望を与え、大戦終結後、世界各地で民族運動が高揚した。

 朝鮮半島では1919年、自治・独立を求める6三・一独立運動が起こり全土に広がった。

 中国はパリ講和会議で山東省権益の返還や二十一箇条要求の破棄を求めたが、山東省権益の日本への譲渡が決まると、北京市を中心に反日・反帝国主義・反政府運動が広がった(7五・四運動)。*孫文は大衆運動の活力を見て、秘密結社8中華革命党を、大衆政党9中国国民党に改組(1919)した。

 英領インド帝国では戦後、10インド自治の約束が守られず、高揚する民族運動を抑えるため、令状なしでの逮捕や裁判なしでの投獄を認めた11ローラット法が発布され、激しい反対運動が起こった。 4月16日、パンジャーブ地方のアムリットサル市での抗議集会で、軍が発砲し多くの犠牲者を出した。これを12アムリットサル事件という。

 英国の保護国(期間1880-1919)だったアフガニスタンは、1919年に13第三次アフガン戦争を起こし、ラワルピンディー条約で外交権を回復し独立した(14アフガニスタン独立)。

 英国の保護国(期間1914-1922)とされたエジプト(ムハンマド=アリー朝)では、ザグルールが指導する15ワフド党が独立運動を展開した。1922年英国はエジプトの独立を認めたが、16スエズ運河地帯駐屯権を留保するなど不完全な独立であった。

 1919年1月17シン=フェイン党による独立運動が始まり、1921年英国は18アルスター地方(北アイルランド)を除く自治を認め、1922年自治領19アイルランド自由国が成立した。


128-2 ヴェルサイユ条約と一連の諸条約

ヴェルサイユ条約

 1919年6月、連合国とドイツ共和政政府との間に1ヴェルサイユ条約が調印された。ヴェルサイユ条約と一連の諸条約によって成立したヨーロッパ中心の新しい国際秩序を2ヴェルサイユ体制という。条約の内容は以下の通り。

 ドイツはすべての海外植民地と権益を放棄し、以下の領土を割譲する。

 普仏戦争で奪った3アルザス=ロレーヌをフランスに返還する。

 ポーランドにバルト海に通じる地域(4ポーランド回廊)とシュレジエンの一部を割譲する。

 5ダンツィヒは自由都市となり、国際連盟の管理下におかれる。*ポーランドに港湾管理権。

 6ザール地方を国際連盟の管理下におき、帰属は15年後に住民投票で決定する。

 7軍備制限を課す。徴兵制廃止、陸軍10万、海軍は1万5000人、軍用航空機・潜水艦所有禁止。

 8ラインラントの非武装…ライン川東岸の50kmを非武装、ライン川西岸は連合国が15年間保障占領。

 巨額の9賠償の支払い …1921年に1320億金マルクに決定)。*10金マルクとは、1873~1914年ドイツ帝国で使われた金貨。普仏戦争の賠償金を基礎に金本位制を確立した。

他の敗戦国との条約

 他の敗戦国は連合国と個別に講和条約を結んだ。

 オーストリアは1919年9月11サン=ジェルマン条約を結んだ。条約でベーメン(チェコ)をチェコスロヴァキアに、スロヴェニアをセルブ=クロアト=スロヴェン王国(後のユーゴスラヴィア)に、北東部ガリツィア地方をポーランドに、南チロルとトリエステをイタリアに割譲し、面積・人口は4分の1に激減した。ドイツとの合併は禁じられた。

 ブルガリアとは1919年11月に12ヌイイ条約を結んだ。

 ハンガリーとは1920年6月に13トリアノン条約を結んだ。この条約でスロヴァキアをチェコスロヴァキアに、クロアティア(フィウメ・ダツマツィアを含む)をセルブ=クロアト=スロヴェン王国(後のユーゴスラヴィア)に、トランシルヴァニアをルーマニアに割譲し、面積は3分の1に、人口は5分の2に激減した。300万人のマジャール人(ハンガリー人)が国外に取り残された。ハンガリーでは1919年ベラ=クンによる共産党政権(ソヴィエト政権)が成立したが、ルーマニアの侵攻で崩壊した。その後軍人14ホルティが独裁権力を握り、権威主義体制をととのえ、ナチスに接近した。

 オスマン帝国とは1920年8月に15セーヴル条約を結んだ。アジア・アフリカではイラク・シリア・パレスチナ・アラビア半島などアラブ人地域を放棄し、ヨーロッパではイスタンブル周辺以外をギリシアに割譲し、治外法権は存続し、財政は連合国に共同管理されることとした。ムスタファ=ケマル率いるアンカラ政府は受諾を拒否し、ギリシア=トルコ戦争を起こし、1923年新たに16ローザンヌ条約を結んだ。

東欧の新国家

 ヴェルサイユ条約を含む一連の講和条約で、東欧に7カ国の新国家が生まれた。

 17フィンランド(都ヘルシンキ)はロシア革命後の1917年12月に独立した。

 バルト海沿岸の18エストニア19ラトヴィア20リトアニアは通称21バルト三国と呼ばれ、いずれも1918年ロシアから独立を宣言した。

 22ポーランドは1918年11月に独立を宣言した。ヴェルサイユ条約でドイツからポーランド回廊や自由都市ダンツィヒ(グダニスク)の港湾使用権を得たが、これらはナチス政権による侵略の標的とされた。23ピウスツキの指導で24ポーランド=ソヴィエト戦争(1920~21)を戦い、リガ条約でベラルーシとウクライナの一部を得た(リガ線)が、これはスターリンにより第二次世界大戦で奪回された。政情は不安定で、ピウスツキが政界を引退後26年にクーデタで独裁権力を握った。

 25チェコスロヴァキア(都プラハ)は1918年に独立を宣言し、マサリクが初代大統領となった。

 26セルブ=クロアト=スロヴェン王国(都ベオグラード)は1918年12月に成立したが、1929年マケドニア・モンテネグロを加え、アレクサンデル国王がユーゴスラヴィア王国と改名した。




128-3 国際連盟と委任統治領


国際連盟


 ヴェルサイユ条約に盛り込まれた史上初の国際平和機構1国際連盟は、1920年1月発足した。

 42カ国が加盟し、2連盟事務局はスイスの3ジュネーヴにおかれた。

 ドイツやソヴィエト=ロシアは排除された。*ドイツは1926年、ソヴィエトは1934年加盟。

 合衆国は戦後保守的風潮が高まり、4上院では共和党が優勢で、外交の自由拘束を嫌う5孤立主義の立場からヴェルサイユ条約の批准を拒否し、国際連盟に加盟しなかった。

 全加盟国によって構成される6総会は、全会一致を原則としたため、連盟の議論は麻痺しがちだった。

 主要執行機関である7理事会は、常任理事国と非常任理事国で構成された。常任理事国は英・仏・伊・日(1933年脱退)、1926年独(1933年脱退)を加えた。非常任理事国は総会で選出された。

 8国際労働機関(ILO)や9常設国際司法裁判所 (本部ハーグ)が付属機関とされた。

 連盟は米・露(ソ)・独の主要国が参加せず、平和維持機構としての安定を欠いた。連盟は侵略に対して経済制裁以外の有効な制裁手段を持たなかった。*国際連合の安全保障理事会の機能がなかった。

委任統治領〜植民地分配〜

 旧ドイツの海外植民地はすべて没収され、国際連盟の(10委任統治領)mandateとして、連合国に分配された。オスマン帝国の旧領土も委任統治領とされた。

 アフリカに点在したドイツ領は、次のように分配された。
 
 ドイツ領南西アフリカ→ 南アフリカ連邦の委任統治領。1990年(11ナミビア)共和国として独立。
 
 ドイツ領東アフリカのうちタンガニーカ → ブリテンの委任統治領となった。1961年独立、ザンジバルと合併し(12タンザニア) 共和国となった。

 ドイツ領東アフリカのうちルワンダとブルンジ  → ベルギーの委任統治領。ルワンダではドイツ統治時代から遊牧系の少数民族(13ツチ族) を優遇し、多数を占める農耕民族(14フツ族) を支配させるしくみがとられ、1961年ルワンダ独立後にフツ族によるツチ族の迫害が起き、1990年代に(15ルワンダ内戦) (1990~1994)、94年フツ族がよるツチ族を大量虐殺するルワンダ虐殺がおこった。

 ドイツ領トーゴランド → 東部は仏、西部はブリテンの委任統治領に。現(16トーゴ)  共和国。

 ドイツ領カメルーン → 東部は仏、西部はブリテンの委任統治領に。1960年のアフリカの年に独立し、(17カメルーン)  共和国となった。



重要語句


重要語句

128-1

1パリ講和会議:第一次世界大戦終結後の1919年に開催された会議。連合国の間で戦後処理を協議し、ヴェルサイユ条約などが成立しました。

2ウィルソン:ウッドロウ・ウィルソンはアメリカの大統領で、パリ講和会議に出席し、14の原則を提唱した人物。その中に「民族自決の原則」が含まれていました。

3ロイド=ジョージ:デビッド・ロイド・ジョージはブリテンの首相で、パリ講和会議に出席。ブリテンの戦後利益を確保するために活動しました。

4クレマンソー:ジョルジュ・クレマンソーはフランスの首相で、パリ講和会議に出席。ドイツへの厳しい制裁を主張しました。

5民族自決:各民族が自分たちの運命を自分たちで決める権利。ウィルソンが提唱し、戦後の国際秩序形成に影響を与えました。

6三・一独立運動:1919年3月1日、朝鮮半島で発生した大規模な抗日運動。日本の植民地支配に対する抵抗が表れました。

7五・四運動:1919年5月4日に中国で起きた抗議運動。パリ講和会議での山東省の処理に反発し、中国の民族主義と近代化を推進するきっかけとなりました。

8中華革命党:孫文を指導者とする革命団体。1912年に中国国民党へと改組され、中国の近代化と民主化を目指しました。

9中国国民党:孫文が中華革命党から改組し、後に蒋介石が指導。中国の統一を目指し、後に中国共産党との間で内戦を繰り広げました。

10インド自治の約束:第一次世界大戦後、ブリテンが戦争協力の見返りとしてインドに対し自治を約束しましたが、その実現は遅々として進まなかった。

11ローラット法:1919年、ブリテンがインドに施行した法律。治安維持の名目で民間人の自由を大幅に制約し、抗議運動を引き起こしました。

12アムリットサル事件:1919年にインドで発生した事件。平和的なデモ参加者に対しブリテン軍が無差別発砲し、多数の死傷者を出した。

13第三次アフガン戦争:1919年にアフガニスタンとブリテンの間で発生した戦争。この結果、アフガニスタンは外交における完全な独立を勝ち取りました。

14アフガニスタン独立:1919年の第三次アフガン戦争の後、アフガニスタンは外交における完全な独立を獲得しました。

15ワフド党:エジプトの民族主義政党。エジプトの独立とスエズ運河地帯からのブリテン撤退を目指しました。

16スエズ運河地帯駐屯権:ブリテンがエジプトのスエズ運河地帯に駐屯する権利。エジプトのワフド党などはこれに反発しました。

17シン=フェイン党:アイルランドの政党。アイルランドの完全な独立を目指し、その達成のためにゲリラ戦争を行いました。

18アルスター:アイルランド島の北東部を指す地名。アイルランド自由国の成立時には、主にプロテスタントの住民が多いアルスターはブリテンに留まることを選び、北アイルランドとなりました。

19アイルランド自由国:1922年に成立したアイルランドの自治国家。しかし、北部のアルスター地方(北アイルランド)は分離し、ブリテンの一部として残りました。

128-2

1ヴェルサイユ条約:第一次世界大戦後の1919年に締結された、主としてドイツと連合国との間の講和条約。ドイツの軍備制限、領土の割譲、戦争責任の認定などが定められました。

2ヴェルサイユ体制:ヴェルサイユ条約を基盤とした、第一次世界大戦後の国際秩序。多数の新たな国家が誕生し、民族自決の原則が部分的に適用されました。

3アルザス=ロレーヌ:ドイツがフランスから割譲を受けた地域。ヴェルサイユ条約によりフランスに返還されました。

4ポーランド回廊:ヴェルサイユ条約により新たに創設された地域で、ポーランドとバルト海を結び、ドイツを東西に分断しました。

5ダンツィヒ:ポーランド回廊の北端に位置し、ヴェルサイユ条約により自由市とされた都市。

6ザール地方:ドイツの地域で、ヴェルサイユ条約によりフランスが15年間の管理権を得ました。

7軍備制限:ヴェルサイユ条約によりドイツの陸軍と海軍の大幅な軍備制限が定められました。

8ラインラントの非武装:ヴェルサイユ条約によりドイツのラインラント地域が非武装地帯とされました。

9賠償:戦争による損害の補償。ヴェルサイユ条約により、ドイツに大額の賠償金が課せられました。

10金マルク:1873~1914年ドイツ帝国で使われた金貨。普仏戦争の賠償金を基礎に金本位制を確立した。

11サン=ジェルマン条約:1919年に締結されたオーストリアと連合国との間の講和条約。

12ヌイイ条約:1919年に締結されたブルガリアと連合国との間の講和条約。

13トリアノン条約:1920年に締結されたハンガリーと連合国との間の講和条約。

14ホルティ:トリアノン条約後のハンガリーを長く統治した政治家・軍人。

15セーヴル条約:1920年に締結されたオスマン帝国と連合国との間の講和条約。

16ローザンヌ条約:1923年にトルコと連合国との間で締結された条約で、セーヴル条約を置き換え、トルコの国境が確定しました。

17フィンランド:ロシア革命後の混乱を利用して独立した国家。

18エストニア:ヴェルサイユ体制下で新たに独立したバルト三国の一つ。

19ラトヴィア:ヴェルサイユ体制下で新たに独立したバルト三国の一つ。

20リトアニア:ヴェルサイユ体制下で新たに独立したバルト三国の一つ。

21バルト三国:ヴェルサイユ体制下で新たに独立したエストニア、ラトヴィア、リトアニアの三国を指す。

22ポーランド:ヴェルサイユ体制下で復活した国家。ロシア、ドイツ、オーストリアから領土を回復しました。

23ピウスツキ:ポーランドの政治家・軍人で、ポーランドの独立とその後の建設に大いに貢献しました。

24ポーランド=ソヴィエト戦争:1920-1921年にポーランドとソヴィエト連邦との間で発生した戦争。ポーランドの勝利により、新たに再建されたポーランドの独立が確定した。

25チェコスロヴァキア:第一次世界大戦後のパリ講和会議で成立が認められたスラヴ系の新しい国家。複数の民族が混在していた。

26セルブ=クロアト=スロヴェン王国:後のユーゴスラビアとなる国家。第一次世界大戦後、パリ講和会議でセルビア、クロアチア、スロヴェニアのスラヴ系民族が統一して成立した。

128-3

1国際連盟:1920年に設立された国際機関で、世界平和と国際協調の維持を目指したが、各国の国益や意見の相違などからその機能は限定的であり、第二次世界大戦を防ぐことはできなかった。

2連盟事務局:国際連盟の運営を担当する行政機関。その事務所はスイスのジュネーヴに置かれた。

3ジュネーヴ:スイスの都市で、国際連盟の本部が置かれた。現在も多くの国際機関が存在する。

4上院:一般的に、二院制をとる議会のうちの上院。アメリカの連邦議会上院は、国際連盟の参加に反対した。

5孤立主義:他国との政治的な関与を極力避ける政策や態度。アメリカはこの思想に基づいて、国際連盟への参加を拒んだ。

6総会:国際連盟の最高意思決定機関で、全加盟国が参加する。

7理事会:国際連盟の執行機関で、主要な政策を決定し、特に紛争解決の役割を果たした。

8国際労働機関:国際連盟の専門機関の一つで、労働問題を専門に扱った。

9常設国際司法裁判所:国際連盟の主要な機関で、国際法に関する訴訟を裁いた。

10委任統治領:第一次世界大戦後、旧ドイツ植民地やオスマン帝国の一部が「委任統治」という形で連盟加盟国に管理されることとなった地域。

11ナミビア:アフリカ南西部の国。第一次世界大戦後は南アフリカの委任統治領となった。

12タンザニア:東アフリカの国。第一次世界大戦後、旧ドイツ領であるタンガニーカがブリテンの委任統治領となった。

13ツチ族:主にルワンダとブルンジで多数派を占める民族。

14フツ族:ルワンダとブルンジで少数派を占める民族。

15ルワンダ内戦:フツ族とツチ族間で発生した内戦。ツチ族が勝利し、現在もツチ族が主導権を握っている。

16トーゴ:西アフリカに位置する国。旧ドイツ植民地で、第一次世界大戦後はフランスの委任統治領となった。

17カメルーン:中央アフリカに位置する国。旧ドイツ植民地で、第一次世界大戦後はフランスとブリテンの共同委任統治領となった。

18南洋諸島:太平洋西部の諸島。旧ドイツ植民地で、第一次世界大戦後は日本の委任統治領となった。


練習問題128-1

問題

  1. 1919年に連合国の間で戦後処理を協議するために開催された会議は何か?

  2. 「民族自決の原則」を提唱し、パリ講和会議に出席したアメリカの大統領は誰か?

  3. パリ講和会議に出席し、ブリテンの戦後利益を確保するために活動したブリテンの首相は誰か?

  4. パリ講和会議に出席し、ドイツに対して厳しい制裁を主張したフランスの首相は誰か?

  5. ウィルソンが提唱した、各民族が自分たちの運命を自分たちで決める権利の原則は何と呼ばれるか?

  6. 1919年3月1日に日本の植民地支配に対する抗日運動として朝鮮半島で発生した大規模な運動は?

  7. 1919年5月4日に中国で発生した抗議運動で、中国の民族主義と近代化のきっかけとなった運動は?

  8. 1912年に中国国民党へと改組された、孫文を指導者とする革命団体は?

  9. 孫文から蒋介石が指導し、中国の統一を目指した政党は?

  10. 第一次世界大戦後、ブリテンが戦争協力の見返りとしてインドに約束したものは?

  11. 1919年にブリテンがインドで施行した、治安維持の名目で民間人の自由を制約した法律は?

  12. 1919年、平和的なデモ参加者に対してブリテン軍が無差別発砲したインドの事件は?

  13. 1919年にアフガニスタンとブリテンの間で発生し、アフガニスタンが外交における完全な独立を勝ち取った戦争は?

  14. 第三次アフガン戦争の結果、アフガニスタンが獲得したものは?

  15. エジプトの独立とスエズ運河地帯からのブリテン撤退を目指したエジプトの民族主義政党は?

  16. エジプトのスエズ運河地帯にブリテンが駐屯する権利は?

  17. アイルランドの独立を目指し、ゲリラ戦争を行った政党は?

  18. アイルランド自由国の成立時、主にプロテスタントの住民が多く、ブリテンに留まった地域は?

  19. 1922年に成立したが、北部の地域を除外してブリテンの一部として残ったアイルランドの自治国家は?

問題2:

 1919年、終戦直後の混乱を解決し、新たな国際秩序を築くための会議が開催されました。この会議は(1)_____として知られ、多くの国々が参加しました。アメリカ大統領(2)_____は「民族自決の原則」を含む14の原則を提唱しました。一方、ブリテンの首相(3)_____とフランスの首相(4)_____は、それぞれの国の利益を最大化することを目指しました。特に(4)_____は、ドイツに対する厳しい制裁を主張しました。

 (5)_____の原則は、戦後の国境の変更や新しい国家の成立に大きな影響を与えました。しかし、この原則が実際に適用された場面は限られていました。

 アジアでは、日本の植民地統治に対する反発として(6)_____が発生しました。また、(7)_____は中国の民族主義運動として知られ、(8)_____や(9)_____の活動のきっかけとなりました。

 インドでは、ブリテンが(10)_____にもかかわらず、実際の自治の進展は遅れていました。このため、(11)_____の施行や(12)_____のような事件が発生しました。

 アフガニスタンでは、(13)_____を経て、(14)_____を実現しました。

 エジプトの(15)_____は、(16)_____を撤廃することを求めて活動していました。

 一方、ヨーロッパでは、(17)_____がアイルランドの完全独立を目指して活動していました。しかし、アイルランドの独立運動は複雑で、特に(18)_____の問題が大きな障害となりました。最終的に、(19)_____が成立しましたが、アルスター地方はブリテンの一部として残ることとなりました。

解答:

  1. パリ講和会議

  2. ウィルソン

  3. ロイド=ジョージ

  4. クレマンソー

  5. 民族自決

  6. 三・一独立運動

  7. 五・四運動

  8. 中華革命党

  9. 中国国民党

  10. インド自治の約束

  11. ローラット法

  12. アムリットサル事件

  13. 第三次アフガン戦争

  14. アフガニスタン独立

  15. ワフド党

  16. スエズ運河地帯駐屯権

  17. シン=フェイン党

  18. アルスター

  19. アイルランド自由国

練習問題128-2


問題:

  1. 1919年に主としてドイツと連合国との間で締結された講和条約は何か?

  2. ヴェルサイユ条約を基盤とした、第一次世界大戦後の国際秩序を何というか?

  3. ヴェルサイユ条約により、ドイツがフランスに返還した地域はどこか?

  4. ポーランドとバルト海を結び、ドイツを東西に分断する地域を何というか?

  5. ポーランド回廊の北端に位置し、ヴェルサイユ条約により自由市とされた都市は?

  6. ヴェルサイユ条約により、フランスが15年間の管理権を得たドイツの地域は?

  7. ヴェルサイユ条約により、どの国に大幅な軍備制限が定められたか?

  8. ヴェルサイユ条約により、どの地域が非武装地帯とされたか?

  9. ドイツに課せられた、戦争による損害の補償を何というか?

  10. 1873~1914年にドイツ帝国で使われた金貨は?

  11. 1919年にオーストリアと連合国との間で締結された講和条約は?

  12. 1919年にブルガリアと連合国との間で締結された講和条約は?

  13. 1920年にハンガリーと連合国との間で締結された講和条約は?

  14. トリアノン条約後のハンガリーを統治した政治家・軍人は誰か?

  15. 1920年にオスマン帝国と連合国との間で締結された講和条約は?

  16. セーヴル条約を置き換え、1923年にトルコと連合国との間で締結された条約は?

  17. ロシア革命後の混乱を利用して独立した国家は?

  18. ヴェルサイユ体制下で新たに独立したバルト三国の一つは?

  19. ヴェルサイユ体制下で新たに独立したバルト三国のもう一つは?

  20. ヴェルサイユ体制下で新たに独立したバルト三国の最後の一つは?

  21. エストニア、ラトヴィア、リトアニアの三国をまとめて何というか?

  22. ヴェルサイユ体制下で復活し、ロシア、ドイツ、オーストリアから領土を回復した国は?

  23. ポーランドの独立とその後の建設に大いに貢献した政治家・軍人は誰か?

  24. 1920-1921年に発生したポーランドとソヴィエト連邦との間の戦争を何というか?

  25. 第一次世界大戦後のパリ講和会議で成立が認められたスラヴ系の新しい国家は?

  26. 第一次世界大戦後、セルビア、クロアチア、スロヴェニアのスラヴ系民族が統一して成立した国家は?

問題2

 第一次世界大戦の終結後、1919年に連合国と中央同盟国との間で複数の講和条約が締結されました。ドイツとの間で結ばれたもっとも有名な条約は__(1)____であり、この条約を元にした国際秩序が(2)____として知られています。この条約によって、フランスは以前ドイツに割譲されていた(3)____を取り戻しました。また、(4)____が新設され、ドイツを東西に分断する形となり、その北端には(5)____という自由市が設立されました。ドイツの一部であった(6)____は、15年間フランスの管理下に置かれました。ドイツは(7)____を受け入れるとともに、(8)____が定められました。また、巨額の(9)______がドイツに課されることとなりました。
 オーストリアとの講和条約は__(11)、ブルガリアとの間では(12)____、そしてハンガリーとの間では(13)____という名前で締結されました。(14)____はハンガリーを統治した著名な軍人・政治家である。オスマン帝国との初の講和条約は(15)____であったが、これは後に(16)______によって置き換えられました。
 ヴェルサイユ体制下で、(17)は独立を達成しました。また、バルト地域では(18)____、(19)____、そして__(20)____の3国が独立を果たし、これらは(21)____として知られるようになりました。(22)____も独立を達成し、そのリーダー(23)____は国家の建設に尽力しました。1920-1921年には、この新生ポーランドとソヴィエト連邦との間で(24)____が発生しました。さらに、スラヴ系の新しい国家として(25)____(26)______が成立しました。

解答:

  1. ヴェルサイユ条約

  2. ヴェルサイユ体制

  3. アルザス=ロレーヌ

  4. ポーランド回廊

  5. ダンツィヒ

  6. ザール地方

  7. ドイツ

  8. ラインラント

  9. 賠償

  10. 金マルク

  11. サン=ジェルマン条約

  12. ヌイイ条約

  13. トリアノン条約

  14. ホルティ

  15. セーヴル条約

  16. ローザンヌ条約

  17. フィンランド

  18. エストニア

  19. ラトヴィア

  20. リトアニア

  21. バルト三国

  22. ポーランド

  23. ピウスツキ

  24. ポーランド=ソヴィエト戦争

  25. チェコスロヴァキア

  26. セルブ=クロアト=スロヴェン王国

練習問題128-3

問題:

  1. 世界平和と国際協調の維持を目的として1920年に設立されたが、第二次世界大戦を防ぐことはできなかった国際機関は何か?

  2. 国際連盟の行政を担当する機関の名前は何か?

  3. 国際連盟の本部が置かれたスイスの都市はどこか?

  4. アメリカの議会で国際連盟への参加に反対したのは、下院か上院か?

  5. 他国との政治的な関与を避ける思想を何というか?

  6. 国際連盟で全加盟国が参加する最高意思決定機関は何か?

  7. 国際連盟の紛争解決を含めた執行機関は何か?

  8. 労働問題を専門に扱った国際連盟の専門機関は?

  9. 国際連盟の機関で国際法に関する訴訟を裁く役割を果たしたのは?

  10. 第一次世界大戦後、一部の旧ドイツ植民地やオスマン帝国の領土がどのような形で連盟加盟国に管理されたか?

  11. 南アフリカの委任統治領となったアフリカ南西部の国は?

  12. 第一次世界大戦後、ブリテンの委任統治領となった東アフリカの国は?

  13. ルワンダとブルンジで多数派を占める民族は?

  14. ルワンダとブルンジで少数派を占める民族は?

  15. ルワンダでツチ族とフツ族の間で発生した戦争は?

  16. 第一次世界大戦後、フランスの委任統治領となった西アフリカの国は?

  17. 第一次世界大戦後、フランスとブリテンの共同委任統治領となった中央アフリカの国は?

  18. 第一次世界大戦後、日本の委任統治領となった太平洋西部の諸島は?

解答:

  1. 国際連盟

  2. 連盟事務局

  3. ジュネーヴ

  4. 上院

  5. 孤立主義

  6. 総会

  7. 理事会

  8. 国際労働機関

  9. 常設国際司法裁判所

  10. 委任統治領

  11. ナミビア

  12. タンザニア

  13. ツチ族

  14. フツ族

  15. ルワンダ内戦

  16. トーゴ

  17. カメルーン

  18. 南洋諸島


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