102機関投資家の投資方針と特徴・年金性資金の不動産投資
国内の機関投資家としては、生命保険会社が412兆円、地銀を含む銀行が870兆円、企業年金が374兆円の運用資産を有しています。また、世界最大の年金基金で177兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人GPIF、SWF(Sovereign Wealth Fund、政府系ファンド)などについても問われます。
クイズ的な出題が多いので、以下の問題の知識だけは入れておきましょう。
一問一答
1.生命保険会社の方が損害保険会社より国債への資産配分割合が高い
2.私募REITの投資家分布においては、年金が占める割合が最も高い
3.国内企業年金の予定利率は2%を大きく下回っている。
4.米国の公務員年金の予定利率は7%程度の水準であることが多い。
5.米国年金の投資不動産のアセットタイプは、オフィス、住宅、商業、産業施設等の伝統的なアセットタイプの比率が近年では80%程度に下がってきている。
6.米国の年金基金は、資産規模が大きい年金基金ほどノンコア不動産投資(バリューアデッドやオポチュニスティック投資)に比べてコア不動産投資の比率が高い傾向にある
7.米国の年金基金は、資産規模が大きい年金基金ほど直接投資が減少してオープンエンドファンドへの投資割合が高くなっている
8.GPIFは、不動産を含むオルタナティブ資産を5%以内にするという枠が設定されているが、不動産は0.5%以下しか保有されていない
9.SWF(Sovereign Wealth Fund、政府系ファンド)は石油等の資源収入を運用している中東の投資家なので、ヨーロッパの投資家はいない。
10.SWF(Sovereign Wealth Fund、政府系ファンド)は日本での投資実績はまだない
11.日本株の投資部門別株式保有比率は外国法人のシェアが約30%となっているのに対して、個人投資家は約15%を占める
12.日本株の投資部門別売買代金シェアは外国法人が約40%となっているのに対して、個人投資家は約20%を占める
13.個人投資家は機関投資家と比べてイベント重視で取引をする傾向にある
答え
1.O 国債への資産配分割合は生命保険38%、損害保険12%。
2.× 地銀が最も高い
3.× 国内の企業年金の予定利率は平均2%台
4.O 米国の公務員年金の予定利率は7%程度の水準
5.O
6.O
7.× 規模が大きい年金基金ほど直接投資割合が高くなり、オープンエンドファンドへの投資割合は低くなる
8.O
9.× SWFは資源収入を運営しているとは限らず、資源国以外でも例えばKIC(韓国投資公社)等のSWFがある。また、ヨーロッパの産油国であるノルウェーの政府年金基金は石油収入を運用している。
10.× SWF(Sovereign Wealth Fund、政府系ファンド)のGICシンガポール政府投資公社はウェスティンホテル東京など日本国内で積極的に投資を行っている
11.O
12.× 外国法人の日本株の取引シェアは約70%。個人投資家が20%を占めるのは正しい
13.O
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