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「推し事」の話

私は、好きなアイドルや歌手、俳優はあまりいない人生を送ってきた。
多少いても、いわゆる「推し」のレベルまでの好きではなく、
Myojoをクラスの誰かが買ってきて、キャーキャー言っているのを一緒にのぞき込んだり、(当時の友人は高橋直気くんと、川野直輝くんが好きだった)SMAPの中で誰が一番好きかという話で盛り上がったりする程度だった。

社会人になってから同僚がガチのファンで、当然ファンクラブには入り、コンサートがあろうものなら何公演もチケットをとって追いかけて、アイドルが出るテレビは当然見るし雑誌も買いまくるし、手に取るものは応援しているアイドルのCMのもので、アイドルがMacを使っていると言えば使ったこともないMacを買うほどに追っかけまくってた。
そんな姿を見て
「え?アイドルがCMしてるからってその商品買うの?そのアイドル、それを実際使ってないかもしれないのに?」
と聞いたことがある。
彼女の返答は
「だって、この売れ行きがよかったらまたCM使おう!ってなるかもしれないじゃない。」
との返事だった。
好きな人と同じものを持ちたいというわけじゃないのか、とその時は考えが理解できなかったけども、だ。

「推し」にはまってしまった今ならわかる。
私も、できる範囲でだけど「推し」のCMしてる商品買ったよ。
少しでも「推し」の仕事の幅が広がってほしいし、起用してよかった!と言われたいし、起用してくださった企業さんにお礼の気持ちを伝えたいと思ってしまうのだ、と。
そして、同時に当時の彼女はきっと私たちが思う以上に買いまくってたんだろうなぁ、、、とわかってしまった。なんせ、ぽーん!とパソコンを買う女だ。

自分の人生に「推し事」(「推し活」)なんてものがあるとは思わなかったけど、推しが来ている私服を探して買ってしまったりもしたわ。
えぇ、当時の彼女のことをなーんも言えない、私です。

きっかけは海外の番組で、そもそも私はその番組が好きでYoutubeで過去の映像とかを見ていた。
そしたら、日本からの出演者のまとめがあって、そのコメント欄で「このグループがこの中に入ってることがすごい」と書かれているコメントがあって、それがいっちばん最初。
もともとアイドルグループに疎くて、King&Princeがデビューしたというニュースを見たのが最後の記憶。いきなり出てきたなぁ、と当時の私は思ったけど、今ならわかる。応援してきた人たちにとってはいきなりではなくてずっとずっと待ち焦がれていたデビューなんだと。

なので、推しのグループを見た時も、わっかいなぁーという感想だった。審査員とのやり取りも、ジュニアで鍛えられてるのかなと思ったくらい。
でも、パフォーマンスが始まると本当にすごくって、鳥肌が立って見入ってしまって何度も何度も再生した。はい、沼落ち。

私が彼らを知ったのは、3rdシングルが出た後くらいで遅すぎてすんません、という感じだが。
彼らを知れば知るほど、あの番組で話をしていた男の子(と言ってしまう年齢の私)が、最初の印象ではABC-Zの塚田君みたいな明るく元気な感じだと思っていたけどすごく緻密に計算をする頭脳明晰な人なんだな、とわかったし、あの場に臨む気持ちや、あの日会場を彼らに惹きつけるために楽しませるために、きっと色々話し合って練習して臨んだんだろうなということだったりとかを想像してしまうと、ますます胸があつくなってしまう映像。
あのパフォーマンスのすごいところは、コメント欄にもあったのだけど(今は私がみた動画自体が消えている)「日本のアイドルをそのまま持ってきて勝負した」ところだとおもうのだ。前後のやり取りも含めて。
キラキラの衣装で、元気いっぱい、ユーモアも交えてアピールして、そしてうまいパフォーマンス。
「有名になったら色んな人が楽曲提供してくれる。(私はこの)曲はさほど好きじゃなかったけど、色んな人が話題にするだろう。」←超意訳
と評されていたけど、それがまさに、彼らがそして日本の文化が培ってきたアイドル文化のそのものじゃない?
歌が下手でも国民的アイドルなグループ。歌以上の、人柄や、全体的なパフォーマンスや、それ以外の惹きつける”何か”をもったグループ。まさに日本のアイドルって感じがするなぁ、と初めて彼らのパフォーマンスをみて感じたのだよ。

色んな情報に触れてこの人応援したい!と思ったのが今の私の「推し」。
今まで遠巻きにみていた推し活を知ってみると、ファンの子たちは自称「オタク」というのも知って、〇〇担当という言葉も知った。
可愛い表現だなぁ、と今でも思う。
CDが発売されたら何枚も買ったりする文化があるらしいというのもうっすら知っていたけど、前述のアイドルを応援するために本当にみんなお金を積むということも知ったし、現代はYoutubeやTikTokの再生回数も推し活の一つということも知った。
まさに「推し」をみんなに知ってもらうために「推す」活動。
「ファンの人に育ててもらった」という言い方をするアイドルもいるけど、本当にそういう気持ちになるのも理解できる一面があるんだな、と感じた。今は特にSNSでコメントが直接すぐに届くので、色んな事が伝わりやすいんだろうなぁ。

私の推し活は、お金が許せる範囲なので本当に緩いのだけど、Youtubeを楽しく見たりSNSを見たり、出演番組を見たり、コンサートには行けないけど(地方の子持ちには遠すぎた)CD買ったり、CMしてた商品買ったり、できる範囲でしている。私にしてはありえないくらい課金してる。

歌や踊りを見て、「かっこいいわぁ」と何度も見たりするけど、「〇〇君、超ビジュいい!」みたいなことはあまり思わないのですが、そうやってファンの方がSNSで発言しているのを見て、「こう言ってもらってよかったねぇ、推し。」と思って喜んでいる。母の心境。
推しが元気でニコニコ笑って、美味しいもの食べてあったかいお布団の中でぐっすり眠れる毎日を過ごせてたらそれでいいの。

ただ、推しが頑張っているから私も頑張ろうと思うことは増えたし。
今日推しがTVに出る!と思うとわくわくしたりしているし。
間違いなくQOLは上がったなぁ。

彼らの夢がかなうように応援したいけど、無理のないように。
実力と活躍に反して知名度というか、話題になる率が低いよなぁ、と思う私の推しグループだけど、そんなところも愛おしいと思ってる。
これからも、応援します。

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