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発とう

壊れた目覚まし時計の様に
もう  長い事
私の中で
発車のベルが
鳴りやまなかった



発とう
蒼い海辺へ

囚われない ひとりの空へ



尾根尾根の夕暮れの
人々の夕暮れの
私にまといつく
全ての寂しさ
全ての風景を
捨てて



発とう

このベルが
鳴りやんだら



車掌の君が
ボタンを    押したら