残りかす
写真を 取り出したら
しばらく 思い浮かばなかった
君の しぐさ
久しぶりに 見る顔は
冷たい 他人の様 だった
たかが1日で
何年分も 取り返せるとは
想っては いないけれど
思わず 泣いてしまった
忘れきれない 泪 じゃあない
忘れないのに取り戻せない
長い月日の そら泪
この泪 空に投げ上げて
速達便で 送っても
やっぱり 君
他人の顔で 受け取るのかな
泪が涸れて 尽きた時
のど元に 言葉の塊が こみあげた
君の 名前だ
ぐっと飲み込んだら
初めて
以前の君の 味がした
たったひとつの 残りかす