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食卓

※結婚してた頃の詩です


何故いけないのか分からないのに 

 
してはいけないことが ある


暗い部屋の片隅でうずくまり  
じっと耐えていると


胸の内に  冷たく傷みが駆け抜けて

哀しい不安が来るのだ




してはいけないことが たくさんあって

でも

してしまいそうな  冷たい不安




それでも あたしの前には在る  
やさしい物たち


太かったり細かったり  
少しも同じでない

楽しいアスパラガスやら


小さな虫の飛び込んでくる  台所の窓や


みんな  貴方を待っている

食卓の上




もう

ひとりきりではないというのに



そのことが  ときどき 哀しい


夕暮れになると




そのことが



哀しく 重いのだ