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病気の一枚 65
2024年10月の私です。
本編に入る前に・・・ここ最近、私のnoteへ来てくださっている皆さま&いつも読んでくださっている皆さまへ。いつもの皆さまにはいつもの記事ですが、最近来てくださっている皆さまには、ちょっとびっくりかも、と思うので、この前置きを書くようにしました。
私、この病気の事を、今は月1回で書いています。最初の頃は、まあ、自分の人生で、こんな経験することって、2度とないしな、と思って書いていました。でも時がたつにつれて、記事を読んでくださっている皆さまにコメントをいただくようになり、この病気に対して、病気を経験した人にも、現在進行形で治療をしている人にも、経験していない人にも、何か伝えられる、伝わる事があれば、と、少しずつ思うようになってきました。
特に大きな事は何も考えてなく、どなたかが言われた「ろうそくの灯」のように小さな小さな明かりを灯し続けていければ、と思っております。
私の定時連絡のようなモノだと思っていただければ、いいかなと思っております。
2019年夏、右胸のしこりに激痛がはしり、検査の結果、乳がん、悪性腫瘍と診断されて、11月に右胸全摘とガンが転移していた右脇下のリンパ節切除手術を受けた。そして12月から抗がん剤治療が始まり、翌年2020年5月にやっと抗がん剤治療が終わり、7月にポート抜去手術後、ホルモン療法(タモキシフェン)が始まった。
2020年9月から仕事復帰。ただし、右腕はリンパ節切除の影響で軽いリンパ浮腫を起こしていたが、腕を休ませながら、仕事は本格的に復帰していた。しかし再発治療による副作用のため、現在再び休職している。でも諸事情により、そろそろ動こうかと動きはじめたところ。
2023年1月に再発。右肺の胸膜に遠隔転移判明。診断は『右肺の胸膜播種』。現時点でガンに対する自覚症状はない。べージニオ&フェソロデックスを用いて再発治療中。
最初のがん告知から、5年。
再告知&再発治療が始まって、1年9ヶ月。
あ、今月は長めです。
薬が慣れたらしい
と、その前に先月のCT検査の結果だが、大きなしこりは見当たらず、引き続き現状の治療で進めていきましょうという結論が出された。現状の治療というのは、1日2回飲む分子標的薬ベージニオ、そして4週間に1度のホルモン剤、フェソロデックスを左右の臀部に1本ずつ筋肉注射の2つのことである。
ここ数ヶ月、再発だから薬が合うなら飲まないといけないというのは、頭の中で理解しているつもりだが、主治医の先生に「いつまで飲んだらいいっていうのはないんですよね・・・」と、まるで居酒屋で愚痴るがごとく言っているのだ。個人差と言われればそれまでだが、比較的新しい薬で、まだデータがないので、先生も返答に困るのである。でも先生いわく。
「この薬は永遠ではないからね」
そう、そこなんですよ。
今月の血液検査の結果、好中球値は、1710だった。
・・・ん?あれ?薬を飲んだから、骨髄抑制の副作用によって、てっきり先月の1140を下回ってベージニオが休薬になるのかと思っていたが(1000を下回ると休薬になる)、下がるどころか上がっている。
頭の中が「?」でたくさん埋まる中、先生が薬が身体に慣れてきたのでは?という見解を出した。
「いや、先生、慣れって怖いよ?」
思わずふふっと笑った先生だったが、いやあ、ついに慣れがやってきてしまったか。
このまま慣れたまま、ベージニオがずっとがん細胞の増殖を抑えてくれることを願うばかりである。
撮った。
デルモゾールとロコイドである。何それ?呪文?それとも何か美味しいモノなの?という声が聞こえてきそうだが、この2つは、皮膚の薬で、主に虫さされに使っている。
右腕が軽いリンパ浮腫を発症しているため、虫刺されなどの小さな刺激も気をつけなければならない。でも、刺される時もあるので、それが分かったら速攻でデルモゾールを塗ることにしている。
が、事件は今月起きた。
実家で庭の草取りをしていて、伸びに伸びたレモングラスを収穫していた。長袖長ズボン、帽子にマスク、眼鏡もかけて万全の体制だった。が、すべての作業が終わってしばらくして、左目の瞼のすぐ横にぽつんと赤くなっているモノを見つけた。虫刺されだ。しかもよりによって、なんでそんなところを・・・やりやがったな。
この場合、顔の虫刺され用のロコイドを塗る。以前、顔にデルモゾールを塗ったと言ったら、「顔はロコイドよ」と言って慌ててロコイドを処方された。とにかく顔はこれを塗りなさいと。デルモゾールは強すぎるからと。
それを思い出して、ロコイドを塗ろうと思ったが、普段デルモゾールは持ち歩いているが、ロコイドは持ち歩いていない。バッグを隅々までさがしてみたけど、やっぱり持ってきていない。
でも、刺されとるけど、かゆくないなぁ・・・。大丈夫じゃね?
この私の素人判断が、翌日とんでもないことになるのである。
翌朝。
「おはよう!」
「おはよう!うわっ!左の目がめっちゃ腫れとーっ!」
甥っ子姪っ子たちにそう言われて、鏡を見た。うわっ!腫れとるやん!赤くぼっこり腫れている。ハロウィンの時期ならこのまま魔女orゾンビの格好をすればノーメイクでいけるやん!・・・いや、そういうことじゃない。
後から起きてきた母もびっくり。
「薬はなんか持ってきとーとね!?」
「持って来とらんよ」
このあと皮膚科に連行されたのは言うまでもない。
これからは、ロコイドも持ち歩こう、うん。
泣きっ面に蜂の蜂はもう一匹いた。
ロコイド不携帯が発覚した頃、実はもうひとつ、身体に困ったことが生じていた。おしっこをすると、尿が出終わる時に膀胱に違和感を感じていたのだ。しかも、出る尿の量がいつもより少ない気がする。
実はこれに関しては、数日前から、トイレットペーパーに薄っすら血がついてくるのに気づいていた。膀胱の違和感はまだあまり感じてなかった。もしかして不正出血?そう思ってかかりつけの婦人科に電話で聞いてみたものの、先生が手術で不在。けれど、電話に出た看護師さんいわく、その症状は婦人科ではなく、泌尿器科のような気がすると。何はともあれ、今日は先生に確認できないので、明日かけ直してくださいと。
しかし、翌日かけ直すのをすっかり忘れてしまった。でもそれぐらいから、膀胱に違和感を感じ始めていた。しかもそれもまた帰省のタイミング。いや、もう四の五の言ってる場合じゃない。一番近所であろう泌尿器科へ車を飛ばした。
病院に着くと、速攻で尿検査をされた。30cc摂れたら大丈夫ですから、と看護師さんに言われたが、もうこの時点で最大尿量が30ccしか出てこない。ああ、なんでもっと早く行かなかったんだ、ガンで学習したんじゃなかったのか、私。・・・ったく。
検査結果が出たら、先生がすぐ診察室に呼んでくださった。膀胱が傷だらけたい。とにかくもう今日から治療せんと、腎盂炎で入院して点滴打たないかんくなるよ。薬を出すからすぐ飲みなさい、と。診断は急性膀胱炎。
やっぱり怒られるやつだった・・・と大反省会を自分の中で開いていたら、
「でも、今日来てくれて本当によかったよ」
この先生の一言に救われた。ありがとうございます!いや、反省もします。
さらに先生は培養検査もするから、と言って追加検査も入れた。この結果、大腸菌が出てきたことが判明。
これが今飲んでいるベージニオの副作用の下痢と何か関係があるかと聞いたが、はっきりは分からないとの答え。副作用の下痢は、いつ何時出てくるか分からないので、ナプキンタイプのおむつを着用している。膀胱炎になる数日前、ちょうど薄っすら出血する前に、下痢がゆるゆるでトイレに間に合わなかったことがあった。それかな?と思ったけど、やっぱりはっきりは分からんよと。でも、大事にならんでよかったねと。
泣きっ面に2匹の蜂に刺された月でした。
そして、ひとり大反省大会を盛大に開きました。
追伸:病気の一枚は連載モノです。よかったら64もご覧ください。
いちおう今までの分は私の病気マガジンにまとめています。
1から読むと、かなり長くなりますが、興味がある方はどうぞ(^^;)
えっと、13までは病気治療に専念しており、14あたりから徐々に社会復帰して、毎月の定時連絡になり、44から再発治療が始まります。