ゲーム「呪われたデジカメ」に関する考察メモ
はじめに
この記事は、2025年1月10日にSteamで販売が開始された「呪われたデジカメ」(制作:チラズアート)に関する考察です。ただし、ゲームプレイ中に確認可能な情報に曖昧なものが多いため、基本的には検討項目を書き連ねた素材置き場的な感じになります。
※今後のアップデートや新情報の解明次第で、追加・改訂されるかもしれません。
なお、この記事は既プレイ・既クリアを前提としているため、ネタバレ全開となります。ネタバレを避けたい場合はページを移動してください。また同様の理由で、一見での「事故によるネタバレ」を避けるため、あえてすべてテキストで記載します。閲覧は、テキストから画面を想像・確認できる方を対象とします。
※以下、視認性の関係で「まいきー」は「マイキー」表記とします。
自身の結論的な解釈
・主人公(操作キャラクター)はみつかの父
・みつかはマイキーが好きだった
・みつかは愛美と公園で遊んだ際に頭を打った
・愛美と一緒に公衆電話から仕事中の父に電話した
・家でパジャマに着替え安静にしていたが、耐えられなくなり再度自宅電話をかけようとしたところで力尽きた
(ここで13日以上経過)
・父はマイキーの姿で、公園にいた愛美を女子トイレまで追い詰め誘拐
(ここで数年経過)
・愛美をみつか部屋で長期にわたって監禁(少なくとも大人愛美を想起させる年齢まで)
・父は愛美をアパートの風呂場で溺死させたのちに遺体を切断
(ここで13日に満たない数日が経過、ゲーム開始)
・父の精神は最悪で、現実逃避が極まっている状態
- 愛美の存在自体を記憶から消している(チラシの黒塗りは父の幻覚)
- 古いみつかの記憶を封印している
- 冒頭のビデオ再生「よーい、ド(ブツッ)」で示唆
- みつかの容姿を愛美のそれと認識している
- 「みつかは公園で死んだ」と思い込んでいる
- そのほか都合の悪い記憶は忘却・改ざんしている
- 幻覚症状(幻視・幻聴)が出ている
・最終的に、「公園での事故で死んだ娘のみつかが成仏できなくて自分を苦しめている」と思い込んでいる
・「霊媒師のつくったデジカメ」により、肉眼で見えない心霊を視認・撮影できるようになった
・アパートで愛美の心霊写真をアップロードした直後、以下の現象が発生
- アパート室内が「呪われた空間」に変貌(成仏館&カメラの力)
- 怨霊化した愛美(大人愛美)が出現
・父は再度心霊写真を15枚集め、霊の成仏を試みる(※未遂)
(アパート11枚撮影後「呪いとの戦い」)
・「呪い」をある程度撃退したところ、みつか部屋に入れるようになったので避難
・「カメラに映らない霊」にカメラを奪われ気絶
・父の記憶の混濁が少し晴れ、みつかの本当の容姿を自覚する(写真立て)
・成仏館(2回目)で、みつかが14日より前に死んでいることを自覚する
・PC近くに置かれたカメラを回収(直接的な描写はないが、画面の遷移から判別可能)
・改めて見せられたチラシにより、父は愛美の存在を自覚する
・記憶の混濁はどんどん晴れていき、昔公園で撮影したビデオの記録を思い出す
・最後の記憶、「溺死させて切断した愛美」の記憶を封印した風呂場が開く
・みつかの霊(あるいは自身の無意識)の通報により、愛美を殺害したことを自覚する
・「呪われた空間」と現実との差異はほとんどなくなると同時に、父は激しい罪の意識も自覚する
(エピローグ)
・「呪われた空間」の玄関から飛び出し、完全に現実へ精神が戻るも、罪の意識に苛まれた父はアパートのベランダから身を投げてしまう
・みつかの霊も、父を追って飛び降りる
・「呪われたカメラ」を何者かが回収する
プレイヤーは何を体験したのか
大部分は、「愛美の記憶(みつかとの遊戯事故・マイキーの容姿をしたみつか父による誘拐・風呂場での溺死・遺体切断)を、みつか父が心霊現象&呪いとして追体験したもの」であると考える。
※ただ、「成仏館」「霊媒師のデジカメ」の信頼性がはっきり示されていないため、設定上の真実と呪い的な演出の区別が付きにくい。ここでは、この2つを全部は信頼しない前提で考察する。
・みつかとのブランコ遊び
- 愛美がブランコをこぐのではなく、押してあげる写真
・公衆電話の使用
- 愛美が電話をかけ、みつかが父と会話する様子が推測できる写真
- 「頭が痛い」旨を伝える電話は、会話前後の音から公衆電話を使ったものと推測できる
・誘拐される
- ストーキングによって女子トイレの個室に逃げこむところまでは、成仏館の「亡くなった方のメッセージ」で確認できる
- スタート地点が女子トイレの個室なのも、記憶を「先日娘が公園で死んだ」と改ざんするのであれば、「愛美を誘拐した場所=みつか(と思い込んだ愛美)が死んだ場所」とするのが妥当に思える
・監禁される
- 「アパートから出られない」ことは「みつか部屋から出られない」ことの示唆
- 上記の追体験であれば、みつか部屋に入ろうとした時マイキーに追い返されることが動揺(恐怖)につながる
- 記憶の混濁が解消されると、みつか部屋のドアノブも現実と同じ向きになる
・溺死する
- さまざまな写真で「水に溺れる状況」が示唆される
- 記憶の正常化が大詰めを迎えると、溺死現場と想起される風呂場のドアが開く
・遺体を切断される
- さまざまな写真で「部位欠損・切断」が示唆される
- 「呪いとの戦い」で、呪いがチェーンソーで切りつけてくる
アパートシーンを「呪われた空間」と考える根拠
アパート室内は一見普通の「汚部屋」だが、現実世界だと説明の付かない変化が多く起きている。そのことから、アパートシーンは現実世界に怪現象・心霊現象が重なったものではなく、エピローグ直前までまるまる一種の異空間のようになっているのではないかと考える。その理由は以下のとおり。
・最後まで外に出ることができず、閉じ込められた状態。みつか部屋に幽閉された愛美の示唆
・廊下側から見たみつか部屋のドアが、最初は左開き→みつか通報後は右開き。父の立ち位置が、愛美殺しを自覚するまで愛美視点であったことの示唆
・最後「玄関を開ける(室外へ出る)」描写がありながら、エピローグで流れる映像はアパート室内のベランダ(おそらく居間側)から飛び降りるという矛盾
・記憶の正常化に伴い、電灯が昭和レトロの古風なものから今風の豪華なものに変化する or 無くなる。また、設置されるエアコン(浄化の示唆?)の数も増えていく
・記憶の正常化に伴い、大量にいた虫がいなくなる
・記憶の正常化に伴い、「開くと記憶の矛盾が発生する部屋(みつか部屋・風呂場)」が開くようになる
・記憶の正常化に伴い、大人愛美(現実に存在した姿?)の視認頻度が高くなる
操作キャラクター(主人公)について
公園シーンを愛美の親(父 or 母)、アパートシーンをみつか父とする見方もあるが、これは少し難しい。根拠は以下。
・愛美は、エンディング直前まで「行方不明」として扱われている
- 2回登場するチラシの存在
- みつか(の霊)の110番電話 ※ただしこれは、このタイミングで行方不明→殺人が明らかになったとは確定できない
・愛美の親で「眠れず苦しめられている」とするなら、その行動は愛美の成仏ではなく真犯人の追求に向けられる可能性が高い
・愛美の親では、公園(夜)のタイヤの異変で出現するバラバラの四肢&大人愛美を愛美と認識することが難しい
・仮に「小学生の愛美が公園で殺されていた」とすると、公園(夜)でアパートの明かりの異変(巨大な目+マイキー)を愛美の異変と認識できない
・アパートシーンの冒頭、「あの子はまだここにいる」発言
- このシーンの主人公がみつか父であることはほぼ確定的だが、"まだ"ということは、成仏館で除霊を試みたが失敗したことを示唆している
よって、操作キャラクターは「公園」「アパート」「呪いとの戦い」すべて同一人物であり、みつかの父と見るのが妥当と考える。
大人愛美は愛美なのか?
大人愛美の3Dモデルは、たしかに愛美の制服を着てはいるが、容姿があまりにも怨霊じみている。そのあたりから「ほかに殺された女児の怨霊」「成仏館やデジカメによって生み出された怨霊」と考えることもできそうだが、これは間違いなく愛美自身であると言える。
・タイヤの異変で大人愛美を撮影できるが、これは成仏館で愛美と認識される
・タイヤの異変の存在により、成仏館へのアップロードがきっかけで生まれた怨霊ではないと言える
・アップロードでの確認には至らないが、アパートシーンで撮影した写真のうち、大人愛美を撮影したものも進行要件を満たす写真としてカウントされる
なお、その容姿については、
「監禁により極度の不健康状態になった」
「死後の容姿も反映されている」
「タイヤの時点ではまだ普通の容姿で、アップロード後に怨霊化した」
と考えることもできる。
※タイヤの異変は全編通してかなり特殊で、
・カメラを覗いた時点で遺体の四肢
- 他の写真は「生きている状態がバラバラに見える表現」になっている
・撮影後の変化で大人愛美になる
- 公園シーンで確認できる大人愛美はこれだけ
という点から、考察上かなりノイズになっている要素
みつかの霊はどう動いた?
みつか父ではなくみつか視点で、ゲーム進行を考えてみる。
【公園シーン】
マイキーの姿で父の様子をうかがっていた(見守っていた)可能性がある。そう考える理由は以下のとおり。
・アパートの異変で、みつか部屋の中にマイキーがいることを確認できる
・ジャングルジムの上にいたり男子トイレを覗いていたりで驚かされはするが、危害を加えたり脅かしたりはしない。むしろ見つかったら隠れる
・なんなら夜の山でついボール遊びをしてしまい、父と鉢合わせたら逃げている
※肉眼でも認識できることから、直接的な霊ではなく、愛美の追体験として「見られる恐怖」を表した幻覚とも解釈できる
【アパートシーン】
異空間と化した室内に、最初は入り込めていない。あるいは、みつか部屋に隔離されている。いずれにせよ父には干渉できていない。
愛美の霊を11枚撮影後、みつか部屋で物音がし、部屋のドアが少し開く。このときみつかはマイキーの姿のまま、
「ドアを開けようとしていた」
「押し入れやクローゼットを開けようとしていた(理由は後述)」
などをしていたと思われる。
その後、ドアの隙間から父が覗くとマイキーと目が合い、ドアが閉まる。これは一見マイキー(みつか)が閉めたように見えるが、じつは愛美(怨霊)が閉め、みつかと合わせないようにした…と考えることもできる。
【呪いとの戦い】
ここではマイキーが一転して父に干渉する素振り(撫でる・捕まえる・チェーンソーで切りかかる)を見せるが、これは大人愛美(怨霊化している可能性が高い)がマイキーの姿を借りて行ったもので、みつかではないと考える。その理由は以下。
・マイキーはみつかが好きなキャラであると同時に、愛美にとっては恐怖の対象でもある
・撮影が進むにつれ大人愛美の見た目が暴露されていく
・撮影が進む(怨霊が弱る?)とみつか部屋に入れるようになる
【2回目の成仏館アップロード~呪われた空間の脱出】
父に「本当のみつかの容姿」と「14日以上前に亡くなっていること」を知らせるため、成仏館を利用する(あるいは成仏館を真似た幻覚を見せる)。
その後、玄関のポストからチラシを入れ、「愛美の存在」「愛美の容姿」を知らせる。
父の記憶の正常化に伴い、風呂場の封印が解けたので、風呂場のドアを開き姿を見せる。(※この時、カメラ越しだと小学生愛美の姿だが、肉眼だと「パジャマ・血だらけ・肌に生気がないみつか」に見えている。カメラ越しの姿は別途解説。みつかの姿については、確度は低いが、父が発見した時には吐血や鼻血により血だらけの状態で死亡していたとも推測できる)
【エピローグ】
飛び降りた父を追い、みつかの霊も飛び降りている(音がしないので霊)。
愛美の霊は何をしたかった?
みつかの霊は、あくまで父の認識ではあるが、「霊として存在し」「自我を持ち」「自発的に行動した」。では、愛美は霊として存在したり、何らかのアクションを行ったりしたのだろうか?
まずカメラに映る小学生愛美は、カメラへの映り方が異様ではあるものの、他者に干渉したり肉眼でも見えたりはしない。基本的には「過去の存在の残滓」のような形で、カメラを覗いた時にのみ確認できる存在であり、撮影者に対して認識を持っている様子はない。最後に風呂場から這い出る時のみ、父のほうへ寄ってくる仕草を見せるが、これは実際にはみつかの霊で、カメラのレンズを通した時のみ愛美の姿をしている。これはカメラ側が「愛美の霊を使って呪いを見せる」あるいは「撮影者が望む心霊写真をつくりだす」などの力を持ってしまっており、その影響と考えると自然に思える。
一方大人愛美の状態では、風呂場(ドア越し)やトイレ、玄関、「呪いとの戦い」など、明らかに父へ何らかの干渉を行う意志を持っている。これが殺された時点での愛美なのか怨霊なのかは不明だが、どれも父の命を奪うには至っておらず、すべて推定される愛美の恐怖体験と同じアクションを仕掛けてくる。
これらのことから、少なくとも父の視点では、みつかのような「人間としての自我」を見せる意志は感じられず、
・みつか父に自身の罪を受け止めてもらいたい意識が強く残っており、それが「呪い」によって半ば暴走している形
・恐怖体験(トラウマ)だけを、ある種のツールとして「呪い」に利用されている形
など、愛美としての意志を持ってみつか父を襲っているようには思えない。そういう意味では、もしかしたら1回目の成仏館を利用した際、愛美の魂は本当に成仏している可能性もある。
「呪いとの戦い後」のみつか部屋
父がみつか部屋に逃げ込む描写となっているが、ここは全体をどのように解釈したとしても、演出意図の理解が難しい。
まず、事実は以下のとおり。
・父が怯えながらみつか部屋に転がり込む
・ドアがひとりでに開く
・ドアノブの位置は「呪いとの戦い」になる前のまま
・カメラ越しに部屋を見渡しても何も映らない
・何も映っていないカメラを撮影する(霊の撮影に成功したノイズが走る)
・マイキー頭の大人愛美が目の前にいる
・父は気絶、カメラを奪われる(※)
・しばらくすると、床の制服のあたりで目を覚ます
※目を覚ましてからカメラを構えられないこと、PCに座る際にカメラが置いてあることから分かる。
そのうえで、推測できることは以下のとおり。
・呪いの力が弱まったので封印されていたみつか部屋が開き、逃げ込めた?
・攻防が続いた部分は省略され、みつか部屋に誘い込まれた?
そして、(自分の理解だと)説明が難しい点は以下のとおり。
・ドアを開けたのは誰?(大人愛美は肉眼でも見えていた)
・カメラに何も映ってないのにシャッターを切ったのはなぜ?
・シャッターを切った瞬間に大人愛美(視認可能)が現れたのはなぜ?
一応、自分なりに解釈してみると、
・父が大人愛美を連続撮影したことで呪いが弱まり、みつかが部屋のドアを開けられた
・みつかおよびみつか部屋は「呪われた空間」の外になるので、肉眼でもカメラでも霊が見えない状態
・怨霊と化した大人愛美が侵入してくるが、みつかが止めようとしている(が見えない)
・気配は感じるが何も見えないことに動揺している父が、闇雲にシャッターを切ってしまう
・カメラにみつかの霊が収められると同時にみつかの力が弱まってしまい、大人愛美が見えてしまう
・父はショックで気絶(生前の大人愛美を父が襲ったことの追体験?)
・みつかはカメラを奪い取り、父を呪いの魅了から引き離す(以降、大人愛美は出てこない)
・父に正しい記憶を喚起するため、みつかはカメラから成仏館に自分の写真をセットする
このような流れになるが、気絶前後の解釈はどうしても曖昧になる。
「霊媒師のつくったデジカメ」の能力
このカメラは成仏館から直通で購入可能なもので、能力としては
・心霊を撮影できる
・成仏館に撮った写真をアップロードできる(※このカメラのみとはかぎらない)
くらいしか分からない。ただ、このゲームのタイトルが「呪われたデジカメ」であるため、いずれかのタイミングでカメラが呪われたのはたしかだろう。その前提で、このカメラがどのような目的でつくられ、結果どうなったかを考えてみる。
・除霊のためのカメラ(素直に)
成仏館サイトの文言どおり、「愛する人の心霊写真を撮り」「15枚アップロードして成仏させるため」に制作された。
しかし、みつか父が「みつかのつもりで愛美を撮影・アップロード」したことにより、愛美の霊が成仏できず怨霊化。それを撮影したカメラも呪われてしまった。
最後は、霊媒師かサイト管理者がカメラを回収。お祓いしてみつかと愛美の霊が成仏することを望みたい。
・もともと呪われたカメラ(深読み)
成仏館サイトは最初から「成仏できない霊を生み出した人物を呪うための仕掛け」であり、サイトで販売しているカメラもそれを目的としたもの(※霊の無念を晴らすという意味では、成仏につながるかもしれないが)。
みつか父の撮影によりカメラは呪いの力を蓄え、成仏館に写真がアップロードされたことで呪いが成就。愛美が怨霊化してみつか父を追い詰める。
最後は、霊媒師(を騙る悪い霊能力者)かサイト管理者がカメラを回収。また新たな霊を探すために使われるのか……。
・大人愛美はカメラに憑いた霊?(考えすぎ)
基本は深読みと同様だが、呪いが成就することでもともとカメラに憑いていた怨霊が愛美の霊力を吸収し、具現化する。(これであれば、撮影が進むたびに少しずつ大人愛美の片鱗が見えてくることや、1回目の成仏館アップロードで対象となることも矛盾しない。)
具現化後は、再度カメラに撮られることで力を吸収されていくが、最後はカメラ側の吸収する能力が尽き、父を気絶させる。(この後はみつかが怨霊の力を抑えカメラも奪ったことになるが、この説だとあまりしっくりくる説明にはならない……。)
最後は、霊媒師(を騙る悪い霊能力者)かサイト管理者がカメラを回収。どんどん新しい霊を吸収し、カメラの呪いは強力に……。
このゲームのタイトルが「呪いのデジカメ」ではなく「呪われたデジカメ」であることから、説としては素直に考えるのが無難か。
冒頭のビデオシーン
これはデジカメで撮影されたものではなく、ビデオテープに収められた「みつかと父が昔公園で遊んだときの記録」と思われる。みつかと愛美が遊んでいたときの記録(記憶)でもない。そう考える理由は以下。
・UIがデジカメのものと違う
・画面の解像度(縦横比)も違う
・「よーい、ド(ブツッ)」で入る亀裂は、ハードウェアの損傷ではない
- 記憶を封印したことの示唆?
・みつかと愛美を別人と認識した時点で、テレビで改めて再生される
- かなりノイズがひどいのは、まだ混乱中であることの示唆?
・テレビは比較的古い型(呪い空間時の電灯と同じ世代)に見え、テレビ台にはビデオテープが数本しまわれている
・父がみつかと公園で遊ばなくなったのは最近で、それによりみつかが愛美と2人で遊ぶこととなり、それが遠因となって死に至ったのであれば、より強く封印したい記録と考えられる
「娘が公園で死んだ」としたときの場所
冒頭の時点で、あくまで推測でのみつか父の認識だが、みつか(と思い込んでいる愛美)は公園で死んだことになっている。では、父の認識では「どこで」死んだのか、それを考えてみる。
・女子トイレの真ん中の個室
おそらく愛美に直接触れて誘拐した場所。ゲームがここから開始するわけだが、霊の写真を撮りたいのだから、いの一番でここに来ることは考えられる(ドアが閉まった状態なのは謎だが)。
・鉄棒
この時点で父の肉眼視点を信頼することは難しいが、鉄棒の所に「ハエのたかるゴミ袋」が置かれている。ここに切断した愛美の頭を置くことで、娘が死んだ場所としたのかもしれない。
なお、もし実際にこんなものが置かれていたら、すぐに足がついて逮捕されているような気がする……。
・タイヤ
あまりに不自然な写真が撮れる「赤い目の書かれたタイヤ」、この下に切断した四肢を埋めた可能性もある。大人愛美が這い出る画からも、ここが呪いにつながる発端になっている可能性がある。(こちらも、現代の警察の能力であればすぐに足が尽きそうだが……。)
・その他
頭を強く打ったとしてもおかしくないブランコや、撮影後に血が流れる山での落下事故とした可能性もある。タイトル画面がブランコであり、むしろその可能性も高いのだが、こちらはみつかと父の「もっとも幸せな思い出のひとつ」というキービジュアルに見ることもできるので、断定はできない。
なぜみつか父は愛美を殺した?
愛美を長期監禁していたと考えると、愛美を殺害するに至る動機はいくらでも考えられる。
・風呂場で逃げようと抵抗したので抑えつけようとして溺れさせた
・↑の抵抗が性的なものである可能性も……
・「私はみつかじゃない」と諭しはじめたので逆上し……
・容姿があまりに小学生離れしてきたので、「こんなのみつかじゃない」と……
・部屋で抵抗なり暴れるなりしたので痛めつけたら動かなくなり、死んだと思って怖くなっていったん浴槽に隠した(この時じつはまだ瀕死の状態で、正確には浴槽で溺死)
本筋として重要なのは、
「愛美は理不尽に殺された」
「みつか父は愛美を殺したことを隠そうとした」
「最終的に、愛美の殺害事実と存在自体を記憶から消した」
が満たされていることで、動機はどのように解釈しても問題ないと言える。
そのほかの考察
・みつか部屋のクローゼット
- みつかの仏壇や位牌など、記憶改ざんを阻害するものが詰め込まれている?
- 公園からアパートのマイキーを確認できるのは、おそらくみつか部屋。愛美としてカウントされる怪奇現象は居間側の窓
- アパート11枚撮影で聞こえる音は、クローゼットからみつかの写真立てを引っ張り出したものでは?
- 血の跡の付き方から、みつか・愛美・それ以外の女児の諸々が詰め込まれている…と考えることもできる(怖い)
- 血は付いてないが、押し入れもいろいろ入ってそう
- (2025年2月2日追加)他の方の考察で見たものを追補。みつかの頭のケガは想像以上にひどいものだったため、小学校の制服からクローゼット内のパジャマに着替えたとき、血が付いたのでは?という説。これであれば、最後の姿が血だらけのパジャマだったことの説得力も増すし、父が「頭が少し痛い」を額面どおりに受け取ってしまったことの後悔の大きさも伝わる
・アパートでみつかは電話した?
- 2回目の「亡くなった方のメッセージ」では、電話をかけようとはしているが、電話をかけて通話しているところまでは確認できない
- メッセージに音も含まれるのは明らかだが、通話音や「受話器が外れたときの音」が入っていない
- メタ考察だが、ベータ版のムービーでも受話器を取る動作を確認できない
・何人行方不明?
- 複数人誘拐の可能性はなくもないが、序盤に(おそらく幻聴で)聞こえる学校放送は「最近子供の行方不明者が出ています」であり、複数の誘拐事件が起きているとは確定できない。(一応さらに言えば、同一犯とも断定できない)
また、複数の幻聴の時間がそれぞれ異なることから複数人誘拐と見ることもできるが、正確には確認できる情報は以下のとおり。
・チラシ……・月・日15時頃に行方不明
・ラジオ……昨日午後8時に1年生の女子が行方不明
ラジオが誘拐翌日の速報時のもので、その後捜査が進んでチラシの情報に更新されている可能性も高い。
- 一方、最初にみつか部屋へ入った段階では「勉強机に多数の幼児人形」が置かれており、これが複数の児童を誘拐したことの示唆と見ることもできる。また、鉄棒の撮影後に愛美が複数人映る点も同様に考えられる(こちらは遺体切断の示唆にも取れるが)。
- 結局、現状ではどちらかに確定できる根拠は薄く、どちらだとしても他の考察に与える影響は少ないので、いったん好きに解釈して保留でもかまわないと思われる。
・タイヤの異変の深堀り
- 公園シーンにおいて、夜のタイヤでのみ大人愛美が確認できる問題。この異変がなければ「みつか:亡くなって数年経過」「愛美:最近誘拐・殺害してまだ数日以内」「大人愛美:愛美の霊が怨霊化した姿」と単純に片づけることもできるが、成仏館へのアップロード前に大人愛美を確認でき、かつそれを撮影しなくても物語が進行することで、いろいろ辻褄が合わなくなってしまう……。
・切断した遺体はどうした?
- 公園(昼)の鉄棒の所にあるゴミ袋で視認できるような感じで外に捨てたら、現代であればすぐに足が付くはず。また、アパート室内のゴミ袋に切断部位が収められている描写は確認できない。死後13日以内であるなら、まだ浴槽に置いた状態で"封印"していたとしてもおかしくはない。
・2回目の成仏館アップロードで届く「亡くなった方のメッセージ」
- みつか父の服装が、「公園(夜)」や「呪いとの戦い(1~3回目)」で確認できるマイキーの服装と酷似している(※ポスターの「本来のマイキー」とは少し違う、恐らく愛美を誘拐した時の服装)。
- このことから、父は「マイキーの姿で子供の相手をするアクターの仕事」をしていたと考えることもでき、これであればみつかがマイキー好きであることの大きな理由にもなる。
- ただ、メタ的な視点でそこまで意識させるほどの特徴もないし、断定したところで大筋に影響があるわけでもない。
・アパートにある大量の額縁
- 単純に考えると、父は画家で、娘が死んでからはまともに仕事ができなくなり、絵を売り払って生計を立てていた……と推測可能。
- とはいえ、外のアトリエで描いていたとしても、みつかが最近遊んでくれないとボヤくほど忙しくなる職業とも思えない。画家と考えることは難しそう。
- 妻が画家だった可能性はある(それを売り払うのもアレだが)。
・みつか部屋のマイキーの首
- もっとも現実に近いと考えられる状態になると、マイキー人形の首がなくなっている。少し前のシーンでは「切り離された首」がまだ存在しており、この情報だけで何かを推測することは難しいが、一応自分の解釈としては「父の罪の意識の強さ」を表していると考える(あれはマイキーではなく自分なのだ……と自覚するまでの過程)。
・公園(夜)の自販機の怪異
- 愛美の手がランドセルに何を入れているかだが、画像が荒く肉片にも見えるものの、「みつかの頭を拭いて血がついたハンカチ」なのではないかと考えられる。
- みつかが頭をケガして、愛美が水道の水で洗いハンカチで拭き、みつかが父に電話をかけるところまで助ける。しかし、小学生2人に頭を打つ危険性は理解できなかったのだろう。救急車を呼ばなかった愛美に対するみつか父の「逆恨み」が募った可能性は否定できない。