障害者ビジネスの現状
私は就労継続支援A型事業所に通所している。
パート従業員として雇用契約しているが、市からは事業所に対し毎月「福祉サービス利用料」というものが私の代わりに支払われている。私の給料の倍程度の金額である。その他にも国からも助成金が支払われている。
基本的にこの助成金を利用者の賃金に充ててはならない法律なはず…
私は結婚前に製造業で6年パート従業員として働いていた。製品に対しての部品代+人件費+設備費等をひっくるめて【製造単価】なのでいかに人件費を削るか。賃金は削れない。なので製造にかかる時間を削ることで製造単価を削る。
それはベテランだけではなく、入ったばかりの新人でもいかに早く間違いがないよう【作業標準】と言うものが各工程にあった。いわば作業手順だ。
その作業標準を作ることも私の仕事のひとつであった。流れ作業の手の空いた時、または残業して。しかしこの事務的作業を会社は製造に関わらない【間接費】としてあまり良しとしない。製造に直接関わる費用が【直接費】でこれを削れるだけ削れば利益がアップする。
私は流れ作業の中でほぼ最終工程である【検査工程】を担当していた。組立ラインは4ライン。検査工程は1ライン。その後梱包ラインへと流れ直接倉庫へ。
たまにひとつの部材が足りずに途中まで製品を組み立て、その状態でラインから下ろす。そうなると私は仕事がないので、上から言われれば他の作業をやるし、何も指示がなければ勝手に組立ラインへ応援に行っていた。元々組立ライン上がり。パートの中で唯一全工程出来るのは私だけだった。そして1工程に入った時はペースメーカーと呼ばれ、ガンガン組み立て、そして次工程のヘルプにも回り…なんてね。
そして翌日足りなかった部品が入ってくると鬼のように検査ラインに流れてくる。
「早く流してくれないとこっち流せないんだけど」と苦情が来ることも。いやいや梱包も詰まってるから無理なんだわ💧そして物流担当の社員が「これ出荷待ちでトラック出られないんだけど」と腕を組んで待っている。
そのため他のラインから流れてきた製品をライン上で入れ替え倉庫へ送るという作業を強いられる。
製品にもよるが、1番大きいものは私の身長より長い鉄の塊のようなもの。それをチビとガタイのいいくまさんのような人で入れ替える。それを社員は腕を組んで見ているだけ…
「俺が触ったら製造単価が上がるから…」手伝って欲しい旨を伝えた社員にこう言われたことがある。黙って見てたらあなたは給料泥棒だと言いたかったが、そんな権力はなかった。もちろん手伝ってくれる社員もいたけど、製造業のカラクリが分かると、なるほどそういうことなのだ。
話が長くなったが現在に戻そう。
今の業務は言い方は悪いが「障害者のために作られた仕事」である。売れれば1円やそこらのものを何人かの手を介し在庫にする。そして売れなければ1度在庫からなくしもう一度何人かの手を介し…そのエンドレスである。
そして売れればそれをまた何人かの手で梱包して発送。単純に考えて利益なんてあるわけがない。
それでも一般就労できない人がそこに集まる。楽でいいと思っているベテランもいるかもしれない。中には上手いサボり方をマスターしている人もいるのは目に見える。もちろん私も多少のサボりはある。
だって生産性がないんだもの。障害者が来てくれるだけでいい。仕事は人に迷惑かけなければ変な話寝てたっていい。
それでも設けているのであろう。代表は外車に乗ってるし、その父親である社長は本社がある地の本業で潤っているらしい。
長くなったので続く…