愛を語れるトシちゃん
地元民ではないが、トシちゃんの山梨凱旋ライブに、夫婦で参戦。最高のパフォーマンス値を更新しただけでなく、とっても幸せな体験だった。「おかえり」という声があがる、故郷だからこその愛ある一体感は、外から来た者にも、しっかり感じ取れた。
終演後、退場されるトシちゃんのお母さまを拍手で見送っていたら、舞台にトシちゃんが現れた。1度ならず、3度目に出てきた際には、上半身裸で、上手から下手へ、ダッシュで走り抜けて行った。2階のお母さまを見たり、舞台上のトシちゃんを見たりと忙しく、何だかおかしくて、夫と目を合わせて大笑い。心の底から温かな気持ちになった。
今回の拡散祭りは、今年の新曲『愛だけがあればいい』。松井五郎さんは当て書きして下さるので、トシちゃんの人生を反映するような歌詞だと思う。この歌の前奏中、KING OF IDOLのロゴプレートと玉座を見上げているトシちゃんの背中に、それまでの生き様がにじみ出ているような気がして、胸がいっぱいに。
トシちゃんの楽曲の歌詞には、「愛」がよく出てくる。特に最近の『愛だけがあればいい』では、ストレートに愛を語る。それが、決して浮くことなく、真っ直ぐに聴く者の心に響いてくる。
「愛」という壮大なテーマを前にしたら、何を語ればいいのか、戸惑う人の方が多いのではないだろうか。「愛の対義語は、無関心」とか、「人を愛するということは、存在全てを丸ごと受け入れることだ」とか、一丁前に考えたことはあったけれど、現実の世界で、愛を語った記憶はない。そんな私に、トシちゃんは、しみ渡るように愛を語りかけてくれる。
なぜ、わざとらしく聞こえないのか。なぜ、説得力があるのか。なぜ、飽きずに繰り返し観れるのか。
トシちゃんがどんな歌を歌っていても、自分自身を前に出しているというより、その歌の主人公になりきって、誠実に表現しているからだろうか。歌詞の世界を、より魅力的に伝える歌い方や振り付けを練り、演者として観客を酔わせることに、最大限注力している。そういう集中力が、極楽浄土のような、一段階上の世界を顕現させているのではないだろうか。
昔からそうだった。ファンタジックで非現実的な歌詞でも、ひとたびトシちゃんが歌うと、どこか真実味があった。いつの間にか、心沸き立つ不思議世界に、観る者を連れて行ってくれた。だから、トシちゃんという存在が、夢の世界の王子様のようにも感じられた。
ドラマ『教師びんびん物語』でも、「教育とは愛だ」というストレートなメッセージが、最も強く印象に残っている。トシちゃんにしか出せない、強烈な表現力だったと思う。二枚目半の役柄だったけれど、ふざけた感じはなかった。生徒全員、ひとりひとりを大切に思う気持ちが伝わってきたから、最終回では、先生と生徒と一緒に、私たち視聴者も号泣した。あのドラマを観て、教師を目指したという先生を、何人か知っている。それだけの魅力があったということだろう。
「幸福学」という学問があり、最近よく言われているのは、「身近な大人の幸福実現が、子どもの幸福につながる」ということ。私たちや私たちの親世代は、子どものために犠牲になるという考え方が根深く残っていたような気がする。だが、トシちゃんように、自分を「わがまま」と言いながら、夢を実現させて幸福な人生を歩んでいる大人こそ、子どもにいい影響を与えられるのではないだろうか。徳川先生同様に、トシちゃん自身も、子どもたちに愛を語れる存在だと思う。
今回の山梨ライブの後、ファミリーの話を小耳にはさんだところ、甥っ子さんや姪っ子さんを含めた親類の方々が、2階席の1列目に集合していたらしい。私は遠目にしか確認出来なかったけれど、親類の方々の、感じのいい雰囲気は見て取れた。私にとってはファンタジーのようなトシちゃんには、お母さまだけでなく、このような方々の愛に包まれた、現実の日常があるんだなぁというような安心感を覚えた。また、プロフェッショナルなステージは、甥や姪にも、いい刺激を与えられたのではないだろうか。
アサヒ緑健さんの青汁を、トシちゃんの音声を聞いて注文した。通りいっぺんの宣伝文句ではなく、心から勧めてくれている言葉に思えた。例えば消費者金融や美容整形など、私が勧められても困る会社の宣伝を(きっとたくさんのお金を積まれるのだろうけれど)、トシちゃんがしていなくてよかった。ダブルTプロジェクトしかり、私が知る限り、ファミリーに勧められるかどうか、ファミリーが喜ぶかどうかを、判断基準にしているように思う。声にも愛が感じられ、また注文したくなった。
トシちゃんだからこそ、夫や飼い犬も連れて、わざわざ遠くのライブ会場までの「トシ活」に励む。夫とは「同じ内容のライブに3回も行ったのは、生まれて初めて」と語り合った。トシちゃんの不思議な強い牽引力に、驚くばかり。夫は「曲は全部一緒?曲順も一緒?衣装が変わってない?」と聞いてきた。それだけ、3回見ても毎回同じという感覚がなく、新鮮に見れたということだ。「トシちゃん、大サービスだったね!」と、夫も満喫した様子。
一昨年以降、私達夫婦のライブ参戦は続く。毎年、参戦回数が増え、熱くなる一方だ。私の幸福実現は、いつの間にか、まわりの幸福につながっているのではないかと自負するようになった。私が「愛」をストレートに語れる日も近い?!