閃き
閃きは突然に。
正にストロボの強い光のように、言語化されるその前に、
脳内に描かれる映像。
その瞬間、干上がった水脈に水が流れていくかのように、
脳が活性化する。
私は、そんな閃きが好きだ。
夫の料理の盛り付けを手伝いながら、突如として脳内に浮かぶ。
あれを飾りとしてお料理と一緒に置いたら、いいんじゃないかな。
って、あれってなんて言うんだ?
どこで手に入るんだろ??
思いついたら、即実行したいという衝動と戦いながら、
とりあえず、目の前の盛りつけを終えてしまわなければ。
夫は料理人である。
私たち夫婦は、お互い中国で仕事をしていた。
ちょうど1年前の夫の転職により、私は職を失った。
それ以来、時折、夫の助手として厨房にいる。
スマホで「ご祝儀袋の飾りは何という」と検索。
おお!そうだ、あれは「水引」だ!
名前がわかれば、次に取りい出したるは、
中国三種の神器と勝手に呼んでいる
「淘宝(タオバオ)」APP。
中国でシェア70%を誇るオンラインモールである。
その名の由来通り、見つからないものはないという。
普通は中国語に翻訳してから検索にかけるのだが、
「水引」は翻訳のしようがないので、そのまま検索にかける。
なんと、あってしまうのだ。
ステキ。
なぜ、あるのか。
それは、世界の工場、中国。
生産していれば、国内向けに販売がされていることがあるというわけだ。
大量に水引を注文し、Pintarestにてイケてる水引を検索し、
Youtubeでその結び方を勉強。
閃いたものには猪突猛進。
そのスピードはほかの追随を許さない。
部屋は途端に「水引屋さん」と化した。
ところで、水引の意味は知っているだろうか?
謂れはいくつかあるらしいが、ネットサイトを読みあさった結果、
①未開封の証
②魔除け
③人と人を結びつける
とある。
夫のお客様は、ほとんどが中国人であるため、
私は③の意味を込めて作成する。
お客様のお名前にちなんだ物を作成したり、
会食自体のテーマに合わせたものを作成する。
素人が作るもの。
出来栄えは専門にやられている方には及ばないが、
その心は、国籍が違っていても伝わるもの。
また、とても日本的だと喜んでもらえ、
記念にお持ち帰りになる方々も多い。
そんなエピソードをバックヤードで聞くのも、また
#エンジンがかかった瞬間 である。
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