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厚意という攻撃

明確な悪意をもって攻撃されるよりも
厚意を盾に迫られる方が厄介なことがある。


まだ若かったころ
田舎から大阪へと就職で出てきた芋娘に
都会の上司は「大阪の父」を自称するようになった。

父だから距離が近いことも
食事に行くことも
彼氏とのことに口を出すことも
「厚意」に集約されてしまう。

明確に「ホテル行こう」なんて言ってくれたら
それはセクハラで
明確に相手は悪くて
感情の持っていきようもあるのに。

厚意というオブラートに包まれることで
私のイヤな思いをしたという感情は
悪者不在で着地点を失くしてしまう。


大人になって気づいたけど
フィクションの世界みたいに
明確に攻撃してくる人はあまりいなくて

厚意を盾に
人の触れられたくないところに
土足で踏み込んできたり

アドバイスという名の
説教をかましてきたり

心配という名の
マウントをとってきたり

悪者にならないように
気持ち良くなろうとする人種が存在する。


悪者不在の
厚意という攻撃からは
ヒーローだって守りようがない。

だから、私は大人な振る舞いという
防御壁を張って
にこやかに距離をとるのだ。




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