君の笑顔を見ると心が苦しくなるんだよ
昨日、夫と息子が寝静まってからiPhoneに溜まっている写真を見返していました。このまえ行った初めての家族旅行。妹夫婦と毎年恒例になりつつあるGWのキャンプ。冬休みや動物園に水族館。
どの写真を見ても、息子は今すぐ抱きしめたくなるくらいの笑顔を見せてくれています。なかには、泣き顔や変顔、キメ顔もあって思わずクスクス笑ってしまいました。
そして、小学校入学式。入学前の春休み。卒園式。初めてのランドセル。黄色い帽子や学校指定の手提げ。新しい筆箱。
どれもキラキラした笑顔。この頃よく「小学校に早く行きたい!お友達作る!」「勉強がんばる!」「ランドセル早く背負いたい!」など、小学校に行くことを楽しみにしている発言をしていました。
幼稚園のお友達は、みんな平仮名を読めるのに息子は全然読めず先生にも相談したことを覚えています。「クラスのみんなが読めるわけではないですよ!小学校に行ってから覚える子もたくさんいるから大丈夫!」とおっしゃってくれたので、そんなものかな?とあまり考えないようにしていました。
入学式。初めてできたお友達と写真を撮り「これから楽しみだなぁ!!」とニコニコ。この心からの笑顔がずっと続くと思っていました。
1学期を終えるころ、息子は現実の壁にぶち当たってしまいます。平仮名が読めない。書けない。数字が分からない。文章問題が読めないから勉強ができない。おまけに、言葉も上手に話せません。
担任の先生は、よく電話を架けてきてくれて息子の様子を知らせてくれました。良いこともあれば、教室で泣いていると聞かされたこともあります。
国語の音読ができず、周りが教科書をめくっているのに、息子はどこを読んでいるのかも分からないのでついていけません。次は息子が読む番だと分かっていても、どこを読めばいいか分からないし読めない。このプレッシャーに潰れてしまうのです。
もちろん、先生は息子のことを理解しているので怒ったり急かしたりすることはありません。息子も、先生は優しいと言っていたのでその部分は救われていました。ただ、息子の心は限界です。
夏休みの補習も通い、2学期の授業もなんとか頑張ってついていこうとしても一歩進んで二歩下がるという繰り返し。授業参観に行っても、隣の女の子にあれこれ教えてもらいながら授業を受けていました。ちょうど隣で観ていたママがそのこのお母さんだったので、申し訳ないですと謝りました。
息子は、その後もたびたび授業中に泣くことが増え、時にはパニックのような症状も出てしまいます。
「僕はバカだからもっと頑張らないといけないのに何もわからない」
「学校がつらい」
こんなことを言うようになってしまい、現在在籍している支援学級に行くことを決めました。
息子は、入学前に抱いていた小学校への想いと現実とのギャップで苦しんだ日もあったと思います。宿題をやりながら「つらい……」とポロポロ泣くこともたびたびありました。本当は、勉強もスポーツも人並み程度にできて、何も悩むことなく小学校生活を楽しむイメージをしていたんだろうと思います。
幸い、今の支援学級の環境は息子に合っているようで「楽しい」と言ってくれるようになりました。
きっと、息子のキラキラした気持ちが踏みにじられた1年生の頃が1番つらかっただろうなと思います。息子の本心は完璧には分かりません。きっと話してくれることもないでしょう。
ママは、君の希望に満ち溢れている笑顔を見ると心が苦しくなるよ。
ママは、君が心から笑える日々を送れるように頑張りたい。
ママは、もっと君にしてあげられることがあったのかな?
ママは、もっと君の話を聞いてあげれば良かったね。
君は、あの頃何を思っていた?
君は、あの頃どのくらい苦しい思いをしていた?
君は、今楽しく毎日を過ごせているのかな?
こんな気持ちがずっと私の中でグルグル渦を巻いています。そして、きっと一生この感情の渦はなくなることはないでしょう。