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努力は報われる

東京の春は、桜の花びらが舞い散る中にどこか切なさを含んでいる。その街角で、一人の高校生が立ち尽くしていた。彼の名前はロベリア、彼には特別な友人がいた。

「モネ、お前なら必ず成功するって信じてるよ。」

ロベリアはいつもそう言って彼女を励ました。モネは画家を目指していた。毎日、学校が終わるとアトリエに籠もり、夜遅くまで絵を描き続けた。彼女の作品はどれも生き生きとしていて、見る者の心を動かす力を持っていた。

モネの両親は、彼女の夢を全く理解していなかった。父親は安定した仕事を望み、母親は嫁入りの準備を急かした。彼女はそれらの期待を全て無視し、自分の道を歩んでいた。

その努力はロベリアが見た中で一番であった。画材の為バイトを学校に通いながら、自分の全ての時間を絵に費やした。その結果、有名な芸術大学に主席で合格したのだ。家族の反対も押し切り、自分ひとりの力で夢を手にする一歩を踏み出していた。

ある日、モネはいつものようにアトリエへ向かう途中、交差点で信号無視をした車に轢かれてしまった。彼女は意識を取り戻したものの、視力を失っていた。

「なぜ?世界はモネを邪魔するのか...」光を失ったモネに、色々な人が声をかけた。憐れむ声や励ます声。「頑張って、モネなら大丈夫。」という言葉が一番多かった。

「これ以上何を頑張れと言うの?私より頑張っていない人が何を言っているの?」そんな思いが私の心を熱くした。しかし、私だけがそう思っていた訳じゃない。モネ本人もそう思っていた。

「ねぇ、お願い聞いてくれる?私には光のない世界では生きられないの」

ロベリアはその言葉に愕然としながらも、モネの願いを叶えることを決意した。

「分かった。」

それがモネとの最後の会話だった。

桜の花びらが舞い散る春の東京。ロベリアの心には、モネの夢が儚く消えていく様が映し出されていた。


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