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あっくんさん、キャストタイムスリッパーになる

今回は特別に有料記事になっていますが、ほぼ全て無料で読めますのでご安心下さい。
(最後にちょっとだけ有料部分があります)


みなさんこんにちは!

今月頭に、なんと、約19年ぶりにパークを訪れたんです。

いやー、変わってましたね、ランドパーク。
マジで浦島太郎状態。


前回行ったのが確か、キャストを辞めた数カ月後くらいだったかな。それから約19年。
その間に変化したことや、驚いたことがけっこうありました。

Xでも色々つぶやきましたが、まだ総括をしていなかったので、それも含めて、他にもあれこれ気付いた点とそれにまつわる考察を書いてみました。

なぜ今までランドを訪れなかったのか。

僕がキャストを辞めた時、全ては完璧になったと感じたんですよね。自分の中でパークは完成したと思ったんです。変な表現だけど、永遠に完成しないはずのパークが、もうこれでいいと思えたんです。理想がここに再現された。自分の営む場所としてのパークは、ここでおしまいにしていい、と。

もちろん現実のパークは今後も進化を続けるだろうし、さらに充実していくのは間違いない。それは安心して見届けていればいい。まさに草葉の陰から見守るように。
あとは記憶が薄れた頃にこっそり訪れて、進化のゆくえを見る程度でよい。
そんなわけで、今回再訪となったわけです。

とりあえず、
ファストパスがなくなったとかアプリ依存とかキャストの髪が明るくなったとかポップコーンの種類が増えたとかは抜きで。

色々気付いた点を、ランク形式にてお届けします。


浦島あっくん驚きランキング・第5位

【帽子をかぶっているキャストとそうでないキャストがいる】

コスチュームとして帽子をかぶっているキャストは多い。
その中で、特に気になったのは、同じ施設なのに、帽子をかぶっている人といないキャストがいたということ。

スプラッシュ・マウンテンのキャストは麦わら帽子をかぶるのが通常だ。しかし屋外のほとんどのキャストは帽子なしだった。背中にかけてもいない。
風が強いから脱いでいる?
いや、そんなに強風ではなかったし、風が理由なら全員が脱いでいるはずだが、かぶっているキャストもいた。

ビッグサンダー・マウンテンに行ったときも、かぶっている人といない人がいた。

昔は同じロケーションのコスチュームを着ているキャストは、統一が原則だった。帽子をかぶる時は全員(屋内を除く)かぶる。かぶらないときは、全員かぶらない。
うっかり忘れたら、かぶってくるように言われたものだ。

帽子の着脱が不統一なのは、本人の自由意思に任せているのか。
昔は完全統一だったので、誰か一人が(好みではなく必然性があって)かぶるなら、全員がかぶる。脱ぐなら全員同じ。
ちなみに、ジャケットとウインターコートに関してはロケーションによる。スプラッシュでは昔もコートを着る、着ないは自由だった。
暑がり、寒がりがいますからね。

帽子に関しても、暑がり、寒がりの人がいるのに、着る着ないを統一するのは不自然、という考え方が浸透したのかな?
だったらそれはそれで素晴らしいと思う。


第4位は…

【サングラスをかけているキャストが増えた】

(写真は撮ったが、プライバシー保護のため省略)

これは荷物検査の時点で気づいた。
あれ、あのキャスト、サングラスをかけてる、珍しいなと。それで園内に入ってまた見かけたので、ん?となり、アトラクションに行ってもやっぱり見かけて、これはルールが変わったのかな、と思った。

色の濃いサングラスをかけているキャストは、昔はほぼいなかった。ゼロじゃなかったけど、本当に少なかった。
強い光が苦手とか、医師から指示されているとかで、特別に許可をもらっている人だけがかけていた。

ただおしゃれでかけているのとは違う気がする。
日差しが強いのが苦手とか、文字が読みにくい(ゲストのスマホを確認したりする際?)ときの対策として、使用が認められているのかな。

あるいは、これもキャストの多様性を重視するあらわれなのか。


第3位は、

【レストランのメニューの値段が高騰していた】


ここは割とお安いですね(なのに食べなかった…)

そんなに興味があるわけでもなかったのと、今回は表面的な差異について見学するのが目的だったのでいちいち調べなかったけど。

カリブの海賊に行った際に、ブルーバイユー・レストランの看板を見ちゃったら、結構高くなっていたので、驚き。
僕が大昔、1990年代なかばくらいに入った時は、確か3500円くらいだったと思う。それでも高く感じた。
それが今や…7000円?

https://www.tokyodisneyresort.jp/food/3061/

ずいぶん値段が上がってますね〜。
世の中の食品は確かに値上がりしているけど、こんなにぐんぐん上がる?って思うほど上昇している気がする。
アメリカの物価高に合わせているの?といぶかってしまうな。

こちらにも書いたとおり。
ハングリーベア・レストランも同様か。まあカレーならこのくらいは上がって当然かも、とも思うが。テーブルサービス形式だから高いのかな?


第2位。

【安全対策に多額の費用をかけている】

以前は、傷病や事故が発生したり、事故が起こりうる確率が高い箇所に限って対策を講じていた。飛び出た岩、突き出した柵や突起物、などなど。

今は、潜在的に危険性がある箇所に積極的に投資して先回りした対策に費用を惜しまない。
その代表格が、ライド系アトラクションの、乗車ゲートだろう。

初めて見た時、気分はゲートインした競走馬だと思ったよね。

スプラッシュ・マウンテンのは…
あ、撮ってた。

コンソールを撮っていたので1、2列目だけ。ちょうど閉まりかけるタイミングですね。

いやすごいよ。
全ライドアトラクに、こんな装置を増設するのに、一体何億円かけたんだろう。確かに必要っちゃあ必要だし、「動く乗り物に接触したり轢かれたりする」危険性を防止するためとはいえ。

今さらそれをやるなら、なんで昔はやってなかったんですか〜と逆に質問しちゃうよ昔安全確認を必死にやってた僕らとしては・・・

まあ海外パークにもあるので、おそらくOLCだけの試みじゃなく全ディズニーパークに指示があったんだろうけど。

(ちな米国ってけっこう事故あるんだよね笑)


素直にいってもすごいことだと思う。

通常、高い確率でけが人が出る危険性があるとかでないと、わざわざお金をかけて設備の追加や修正は行わない。

デザインを考慮したうえで施工しないといけないテーマパークならなおさらだ。
それを意欲的に追加していってる。それらは1,2年で完成されたものじゃなく、この20年近くの歳月に積み重ねた通算での変化なのだけど。
でもやっぱり、すごい。


そして第1位は…

【雰囲気づくりにめちゃめちゃ費用をかけている】

第2位とかぶるんだけど。
パークの進化は、新しい施設を入れるメジャー進化と、ちょっとした施設の改良や装飾の追加といった、マイナー進化があると思う。
予算に制約があるから、メジャー進化はそう簡単にはできない。けどマイナー進化はちょっとの予算でもできる。

きれいなデザインの地面、壁面の装飾、店内のプロップスの増加。

マークトウェイン号乗り場前。もっと模様をしっかり撮っておくんだった。

それ自体をしたからといって、入場者数が大幅に増えることはない。新アトラクションができました!みんな来てねー!みたいなCMもしない/できないので、費用対効果がかなり低い。

それがないからって、ゲストががっかりするかといったら、たぶんしない。

こんな改良・改修は普通の会社は、予算が通らない。他の遊園地だってそうだろう。

ところがそんな地道な改良をTDRは、ひたすら続けてきた。
久しぶりに来た人が、なんか変わってる気がする、程度かもしれないけど、その「なんか変わってる」が、再度訪れることの意味を見出してくれる。リピーターを増やす施策として、とても地味でとても持久力を要する取り組みだ。

それを、少なくない費用をかけて実現しているのが、すごいんだ。

もしみなさんが会社員で、こんな設備追加しましょうよ、ほぼ儲からないけどお金はかかります、と上司に提案して、承認される可能性あると思います?
普通の会社だったら「寝ぼけんな」でおしまい。

この20年近くで、たび重なる改修を何度も、何度も加えてきたんだな、と
しみじみ思いました。

パークは、マイナー進化の積み重ねで成熟していくんだって。


次はおまけ。

第0位!(どういう順位だ)

【キャスト、案外多かった】

僕が今回パークを歩いていて、率直に感じたことのひとつに、
『パーク内のキャスト、けっこう多いぞ』
ってのがあります。

え?そんなわけないだろ!と思う方、かなりいるんじゃないでしょうか。

最近Xを見ていても、キャストが少ない、掃除が行き届いていない、対応がおざなり、効率化重視でほっとかれる、などのコメントが目立つ。

人手不足なんだろうな、とずっと思っていました。

でも。
アトラクションに行っても、案外キャストの姿を多く見かけました。
ビッグも、スプラッシュも、その他も。
ショップに関しては、ほとんど店内を覗いていなかったので、違うかもしれません。
カストさんはそれなりに見かけたし、トラッシュカンはゴミで溢れてはいなかったようだし。

勘違い?
久々に来たので、感覚が狂ってたのかな。
その可能性は捨てきれないです。
でも、やっぱり昔の基準で考えると多い気がする。

これには理由がいくつか考えられます。

  • 当日かなり混雑していた。なので各部署は事前に混雑を予想しており、対応するためキャスト数を増やしていた

  • たまたま混雑する部署ばかり見ていた。大型アトラクションならそりゃ人数増やすよね

  • 春は新人キャストが増える時期。この日も、随所で新人さんのトレーニング風景を見た。たまたまそれが人が多く見えただけ

第2位と第1位の理由にも書いた通り、パークの施設には相当費用をかけている印象が強かったです。
キャストの配置は噂どおり、削られているんでしょうか。

たしかに、人員が削減され、その問題が表面化されてゴミが放置されたり、キャストを呼びたくてもどこにもいない、などの声もあるようです。
でも。単純に人が足りない、って感じじゃない気がする。

率直に僕の体感を描写すると、

【元々人を増やしすぎてダブついていたのを、合理化して無駄をはぶいた】

って感じなんですよ。
だから余っている部署はそれなりに多くいるし、その中で無駄をはぶいたからちょっと不足気味になっていて、たまたま呼びたい時にタイミングが悪く、キャストがそこに居合わせなかった、っていう状況を過大に取り上げていたと。
(店員さんを呼びたい時に限って見かけない現象、あるあるじゃないですか)

バランスの取れた状態になるよう、調整中なのかも。

真相は分かりません。毎日インパしていれば傾向や標準値がつかめたと思いますが。

キャストの質?
それは今も昔もほぼ変わりません。いい人がいればそうでない人もいる。細かい人がいればおざなりな人もいる。

【その他】

【ゲスコンキャストが拡声器を使って案内している】

パレードの時間が近づいてきて、パレードルートで案内するキャスト。
彼らが首からかけたスピーカーのような道具が拡声器になっていて、かなりのボリュームで案内していた。

キャストといえば、肉声でのスピールがすべてだった。声を出してご案内する。一にも二にも声を出してゲストに告知する。

昔は声が大きい人が正義、みたいなところがあった。大きな声で明瞭に案内すると、好感度が増すように感じられる。
声の小さい人は存在感が薄いし案内が限定的になってしまった。それどころか、やる気がないようにすら見えてしまう。
これはゲストホスピタリティの抱える宿命的な課題だった。それを、ツールを使うことで克服するとは。
脱帽だ。やってくれるなぁ、という驚き。

拡声器を使ったりパレードの内容・参加方法の説明を園内放送で流したり、個人の力量や能力に頼らない方向へ進化している。

これも地道なマイナー進化だ。


総括

うーん、やっぱり一日だけじゃ、パークを観察しきれませんでしたね。
気づきも思ってたより多くなかった(気づけなかった)。

後日、もっと気になるところがでてきて、あそこも見ておけばよかった、あれはどうなっていたんだ、とか無数に思い出して。
いったん気になりだすと、きりがないね・・・

それが魅力でもあるんですけどね。
久しぶりのランドは、進化が充実していたという、おはなしでした。


というわけで、長くなりました。ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

それではみなさん、さようならー。

このあとも舞浜戦記でどうぞ、ごゆっくりお過ごしください・・・

(最近書いてなくてすみませんです…)



と、ここでおしまいですが。

今回、なぜ僕が来園することになったか?

これを読んでいるみなさんにとっては、別にどうでもいいことなので、あえて書くつもりはなかったんです。

現役をしりぞいたとき、自分のパークでの役目は終わった。
ある種の完結をみた。
もう当分は来なくていい、と思いました。
ディズニーオタクでもないので、禁断症状もありませんでした笑

しかし。
そもそものきっかけについて、残しておこうと思ったんですよね。
なぜなら、これもまた、奇跡だったから。

そこで、
ここから先は、有料版ということで、興味がある方のみお読みください。

この先は、
・パークの秘密は一切書いてありません
・僕の経験したアトラクションの内緒話もしません
・パークで遊ぶ上で役立つ知識もないです
・バックステージのネタもなし

この先に書いてあること
・僕がなぜ、今パークを訪れたのかのいきさつと理由

なので、パークの秘密解明欲、ディズニーリゾート運営に関する異常な好奇心があるからといって読むと、ガッカリします。

それでも読みたい方のみ、お付き合いください。




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