NFTとかメタバースとかBraveブラウザがうさんくさい理由と前向きな話
まずおれは何かの専門家というわけではありません。ただなんとなくニュースを追ったりVRCでモデリングしてる人の話を聞いたりしてるだけの一般ピーポーです。
ただそれだけの人ですが、web3.0とかメタバースとかNFTの話題が聞こえてくるたびにむちゃくちゃうさんくさくてうんざりしてるので、なぜそれらがうさんくさいのか、そしてどうしたらそれらがうさんくささから脱却できるかなぁという話をしていきます。
メタバースがクソくらえと言われる理由
そのへんの話はまずこちらの記事を読めばざっくりわかるかなと思います。
そもそもメタバースという概念であればMeta社(旧Facebook)がやる前からSecond LifeとかVRChatなどいくらでもあり、いかにも新しく登場したと思わせますが前からありますし、そこで展開されるビジネスも同様に前からあります。
おそらく今いちばん大手で勢いがあるのは今挙げたVRchatではないかなと思います。Steamというプラットフォームからインストールして使えるソフトウェアなのですが、だいたいスラックスにスーツを着ててVRゴーグルなんか一度も着けたことなさそうな人がメタバースがどうこうとか轆轤を回しながら言っていることは先発でここが実現していたりします。
たとえばこれはバーチャルマーケットという錚々たる会社が出資するバーチャル空間上の即売会イベントなのですが、これはもう何度もVRChat上で開催されてます。
ここでアバター(VRで遊ぶ人が着用できるモデル)や服飾、アクセサリ、さらには音楽や同人誌を作る人が作品を展示して見に来た人が買ったりといった取引がもうすでに行われているんですね。
さらに言えば、こういう展示会でなくてもBoothという取引サイトでふだんから普通に売り買いされています。
「あ、あのキツネみたいなアバターかわいいな!なってみたい!」「え、あのロボットのアバターかっけえ!」と思ったらBoothをブラウザで開いて、製作者さんのページに行ってクレジットカードで代金払ってダウンロードする、そんな感じでなりたい自分、着たいアバターを気軽に実現できる時代がもう来ているんですね。もちろん自分で作る人もいます。
で、今の流れを踏まえてこの記事を読んでいただくとなかなか笑えると思います。
これ、昨年の12月に起きた出来事なのでだいぶ古い話ではありますが、もうこのへんでメタバースを喧伝する人たちのうさんくささがプンプンしているのですね。
記事の内容をかいつまんで説明すると「数社の企業によって日本メタバース協会が設立されたが協会を自称してるのにメタバースコンテンツを開発している当事者が誰もいない」というドリフのコントみたいなことがあったんです。
じゃあこの人たちなんの専門家なんだよ!っていうと暗号資産やNFTを取り扱う企業なんです。その人たちが「メタバースにはNFTや暗号資産、ブロックチェーンが必要不可欠!」とか言ってるという構図になります。
ほぉ〜〜〜〜??そうなんだぁ〜〜。ブロックチェーンが不可欠なんだぁ??VRChatの人たちはすでにクレジットカードとかで普通にアバター買ってるのにぃ??
メタバース系最大手のVRChatはブロックチェーン禁止のSteam上でサービスやってるのに必要不可欠なんですかぁ??
要は、メタバースメタバースと言いたがる人たちの何がうさんくさいのかというと、必須でもないのに絶対要るとなかばウソをついて無知な人を釣り、自分のところの商品を押し売りしようとしてるからうさんくさいし、それを知ってる現場の人達から嫌われるのも当然の話ということなのですね。
それを一企業がやってるとしてもまあまあよくないことですが、当事者不在でメタバース協会を勝手に作って「協会」の権威を得ようとしているあたりも小狡いところじゃないですか?
こういう動きを見ていると、メタバースがクソくらえと言われるのも無理からぬ話じゃないでしょうか。
そもそも、本当にメタバースを喧伝するなら「当社はこんなコンテンツ作ってますよ!」とか「この開発会社に出資してます!」とか言うじゃないですか。
実際に、本当にやっている投資家の方(なるがみ氏)はVRに紐づけてコンテンツを提供しています。
(NFT関連でちょっと一悶着あるのでこの方に100%過剰に肩入れするわけではないですが、昔からインターネットカルチャーに詳しく実際にskebというサービスを立ち上げたり、VRCなどにも触れながらビジネスをやっている投資家の方です)
それがどうも大多数はそういう話はないし、モノづくりしているエンジニアが前に出てくるわけでもなく、ずっとスーツ着てる人がコネコネコネコネしながら「仮想空間の土地はいくらで売れて…」とかそんな話ばっかしてる。
メタバースというコンテンツにアレが要りますコレが要ります、当社の事業が必須です、ウチの商材を買えば間違いない!と言う前に、本当のことをクリーンに伝えていかなければいけないんじゃないですか?
そこからまず始めればうさんくさいというイメージも変わってくると思うんです。
NFTオークションは夢の泥棒市
ものすごい偏見だとは思うんですが、NFTの話する人って「夢の技術なんだ!」「クリエイターが自分の作品を出品できる!」とキラキラして都合のいいことばっかり言ってる気がするんですよね。
でも実際どういうことが起きてるかっていうと、盗作や贋作が平気で出品されてるとんでもない市場でもあるわけで。意識の高い方々はなぜかそういう都合の悪いことについてはな〜んにも言わないんですよ。
NFTというのは、確かにトークンをつけたあとは同一性が証明できますが、つける時点で誰かからパクってきた盗品だったらそれはもうどうしようもないんです。
勝手に誰かから盗んできたり、いくらかで買ってきたファイルを「私が描きました!」「私が作者です!」「私が権利持ってます!」と言ってなりすまして出品する輩が堂々とまかり通っている市場でもあるということは知っておくべきだと思います。
日経の有料記事なので無料で読めるのは途中までですが、たとえばNFT市場のひとつであるOpenseaでは相当数の偽物が出回っており、公式も焦って対策しようとしてユーザーに跳ね返されるという無様な様相を呈しているのですね。
8割は流石に盛りすぎだろとは思うものの、少なくない数の作品が勝手にヨソからパクられ、勝手に売られていることがわかります。
手口もそう難しくないです。たとえば、まあしないですけど、仮におれがNFTアートで悪さをするとしましょう。仮にね。
①まず、NFTについてあまり詳しくなく、自分の絵がぶっこ抜かれて転売されるとは思ってなさそうなイラストレーターを探す。
②そのイラストレーターがパトロンサービス(※月額で支援するとイラストレーターが描いた絵を限定で貰えたり見れるサービス)に加入しているかを確認し、GIFとかPSDファイルを配布しているようならもらえるプランで加入する。
③もらったPSDファイルのメタデータを消したりしてNFT化し、出品。
④(任意)さらに悪さをするなら、悪いアカウント屋に「動物癒やし画像」とかのTwitterアカウントを売ってもらい、ツイートを全削除して「○○(イラストレーター名)@NFT始めました」あたりの名前にしてなりすまし、NFTを売るアカウントに紐付けしあたかも本人であるように騙り信用度を上げる。
トウシロのおれでもこんくらい思いつきます。その手の悪さをシノギにしてるアレな自由業の人ならもっと完成度を上げて何件も同時並行でやって大々的に悪さをするでしょう。
というかそもそもOpenseaを開いて"anime"とか検索すると本当にあんたが描いたのかよみたいな営利をやっちゃいけない版権モノの絵や、「あれ、コレTwitterで絵師さんが作って公開してたドット絵GIFだよな」みたいなGIF画像がゴロゴロしてるので、ここまでやらなくてもすでにお察し状態です。
こういうことについて、本当ならもっと言うべきなんじゃないかと思うんですがね。
まるで夢のマーケットのようにヨイショばっかりする怪しいおっさんばっかりで、実際のところ無法地帯スレスレで漫画村みたいな状態の市場であることをみんな黙ってますよね。
仮に本当にそういうことを知らなかったとしても、他人におおっぴらに勧めて「ここで儲けたり楽しく活用しよう」って言ってる人がよく知らないで吹聴してるのもそれはそれで問題ですよ。
「今は確かに問題点も多いし、よくない輩もいるけど、健全化しようと権利団体も動いてくれてる。悪いところもあるけど、良くないところが解決されればNFTには将来性があると思うよ」
もし仮にNFTを知らない人に誠実に手ほどきをして、うさんくさいと思われたくないなら、こういう紹介をすべきなのではないでしょうか。
さらに言えば、もっともっとクリーンなイメージを持ってもらうために出品に関して自浄作用が働くよう、そして贋作ではなく健全な真作が出回るように運営側と投資家が協力して本人確認や出品のルール作りをしていくべきなんではないですか?いつまで違法商品をのさばらせておくんですか?
まあいっちょ噛みのペラい情報商材売り抜けようってんなら話は別ですけどね。
広告をブロックしつつ広告リンクを踏ませるブラウザ
あと最近どうなんだよと思うのがBraveブラウザですかね。
広告をブロックしつつ、ユーザーに限定的な広告を見てもらうことで小銭がもらえる仕組みのブラウザで、やってる事自体は面白いとは思うんですが……。
ギズモードは情報源として信用性がまちまちだとは思いますが、この記事なんかを読んでみると正直どうなんやろなと思うんですよ。
「Cookieでターゲティング広告を黙ってやるのはおかしくない?」といって広告を限定的にすることを約束したブラウザが、黙って広告アドレスを踏ませるようにしておいて「手違いでした」はだいぶEvilではないですかね…。
BraveはよくWeb3.0の一部を担うブラウザだと持て囃されていますけど、結局のところいまデファクトスタンダードを握っているサービスを倒して盤面を引っくり返し、次の世代での主導権を握りたいがために大口を叩いているが、その実あんまりクリーンにできてない、というイメージを持たざるを得ません。
デメリットとその対策も語ることで将来性をアピールできる
確かに新しい技術が現れたとき、管理者の手が回らず無法状態になるというのはいままでのどんな技術革新でもあったことなので、それは理解できます。ファイル交換ソフトで悪用されがちだったP2P方式の通信もいまではオンラインゲームの対戦や協力プレイに活用されてますしね。
でも、そういうところのリスクを黙ってベネフィットばっかり喧伝するっていうのは正直どうかと思っています。おれの見ている限り、本当にVRのモデリングやったりUnityで開発したり現場に立って情報を発信している人は課題点も正直に言っていますし、断言できないことについては「まだちょっとわからない」と言ってますよ。
おれもFF14などの大規模MMOなどでメタバースの一端を触った程度の人間でしかないのであれですが、あくまで現場に立っていない人なのに「何でもできます!」って言っちゃうのは「ガンはこれだけすれば治る!」とか言ってる人と何が違うんだろう、と思わざるを得ません。
しっかりといま現状の問題を明らかにして、「こういうところはいま良くないけど、改善しようと努力しているよ」とアピールすることこそが、長期的に見て信用を勝ち得ていく唯一の方法なんじゃないでしょうか。
技術自体は悪いものではないですし、もっともっと関わっている人が一丸となって「誰も不幸にならない体制づくり」をしていけば、未来も明るくなるとおれは思っています。